ステラ・マリス ep6-搬出路を突き止めろ!鉱石倉庫への潜入作戦-
星の声に導かれ、出会った三人。
シオン、トモキ、カロンは、惑星ステラ・マリスを救うための第一歩を踏み出します。
今回の物語では、星を蝕む危機の源──「記憶の鉱石」の搬出を止めるべく、
敵の拠点に潜入するという一大ミッションがスタート!
そして、ついに姿を現す謎の組織《ヘリオス団》。
彼らの目的とは? 三人に迫る影とは?
ドキドキと緊張感が交錯する第6話。
どうぞお楽しみください──!
【第6話】搬出路を突き止めろ!鉱石倉庫への潜入作戦
夜の草原に、ひっそりと焚き火が灯っている。
「旧鉱山倉庫に、記憶の鉱石が……?」
マサキの言葉に、シオンたちは顔を見合わせた。
「そこから……ヘリオス団が搬出してるってこと?」
「たぶん、もう始まってる。だが俺は、このケガじゃ動けねぇ……」
傷を抱えたまま、マサキは苦々しく呟く。
「――行くしかないね」
シオンの言葉に、トモキが大きくうなずいた。
「うん。ボク、発明持ってきたから! これがあれば、警備も……気配スルーくんver2.7!」
「それ、ちゃんと動くの?」
「ちょっと……バレることもあるけどぉ……!」
「不安しかないデス……」
カロンの機械音声が漏れたが、誰も止まらなかった。
* * *
旧鉱山の裏手――森を抜けた先、鉱石倉庫の巨大な影が夜に浮かび上がる。
「ここ……」
倉庫の前には、無人ロボットの見回り隊と、黒服の男たち。
その腕章には、奇妙な螺旋模様。
「ヘリオス団か……!」
トモキがごくりと息をのむ。
3人は息を殺し、裏手の搬出路へと向かった。
トモキが金具を開け、カロンが排気口を一時止める。
「このまま中へ……!」
通気口から中へ潜り込むと、そこには――
大量の鉱石を運搬中のロボット、そして中央には、コンソールに立つ一人の男。
赤い外套、片目にバイザーをつけたその男は、誰かと通信しているようだった。
「……第7区画の搬出完了。次はコアに着手する」
コア……?
その言葉を聞いた瞬間、シオンの心にまた、あの“声”が届いた。
(……まだ、ここに眠ってる。本当の心が……!)
彼女は、鉱石ではない“何か”の存在を直感する。
「戻ろう。今は、まだ……!」
カロンの声にうなずき、シオンは搬出路を抜けて外へ出た。
……その瞬間、コンソールの男がわずかに振り返った。
「……誰か、いたな」
* * *
夜の帰り道。
3人の足音だけが、静かに響いていた。
作戦は、まだ始まったばかり――。
ヘリオス団の影、初めての“敵”の存在。
そして、星の心が何かを訴えている――。
次回、
「目覚めのコアと揺らぐ信念」
星の中枢に近づく3人が、真実と向き合う。
少女の心は、導く光になれるのか。
お楽しみに!




