ステラ・マリス ep5-ミッション開始!泣き虫とロボと星詠みと-
バラバラだった点が線になる――
出会いと声と記憶がつながり、彼らの物語が動き出す。
「パパ!? パパぁ!!」
森の中、倒れていたのは、トモキの父・マサキだった。
黒いツナギ。片腕からは血が流れ、顔も泥で汚れている。
「……ったく。不意打ちなんて、卑怯すぎるぜ、あの連中……」
「動いちゃダメっ!」
シオンが駆け寄ると、マサキは小さく笑った。
「そこの嬢ちゃん。あんたが息子を助けてくれたのか。ありがとよ」
「パパ…無事で……よかった……!」
「よくねぇよ。本当は子供を巻き込みたくはなかったが……」
父子の再会もつかの間、マサキはうめくように言った。
「――連中、動きが早すぎる。記憶の鉱石を……搬出し始めてる」
「え……それ、星が言ってたやつ……!」
シオンのつぶやきに、トモキとカロンが顔を上げた。
「星……が、言った……?」
「シオン様、星が“喋る”のデスか?」
「……うん。空を見てたら、声が聞こえるの。昨日、聞いたんだ。
“星の心が、削り取られている”って」
静寂が落ちる。
マサキは目を見開き、苦笑した。
「はは……なるほど。お嬢さん、あんた……星詠みの子か」
「……星詠み?」
「伝承だよ。星の鼓動を聞く子供が、いつか星を導くってな。
まさか、本当にいたとはなぁ……」
その瞬間、トモキの目が輝く。
「じゃあ……! このミッション、シオンとなら……!」
「おう。シオンちゃん、うちの泣き虫だけど、頭は切れるんだ。
それに――サポートロボット、カロンもいる。
お前ら3人で記憶の鉱石のを取り返してくれ!」
「ボク、がんばるから! だから、シオン、力を貸してよ……!」
「もちろん!」
シオンは笑う。夕暮れの空の下、三人の影が重なる。
――今、星の未来をかけた小さなミッションが、始まる。
少年の願いと、少女の声と、機械の心が一つになった。
次の目的地は、記憶の鉱石が搬出される――その倉庫。
次回、
第6話:搬出路を突き止めろ!鉱石倉庫への潜入作戦
トモキの発明が光る!
そして、彼らを待つ“最初の戦い”が始まる――