エレキ ep10-雷の心臓と、旅立ちの空-
ネブラとの死闘が繰り広げられるその裏で、マサキとトモキは――最後の奇跡に挑んでいた。
父と息子、科学と勇気が一つになり、星を救う発明が生まれる。
崩壊寸前のエレキの街は救われ、そして少年は、旅立つ決意をする――。
ユーリがネブラを撃退した頃――
「完成だ……!」
トモキとマサキの前で、雷の心臓が再び鼓動を打ち始めた。
それはマサキの長年の技術と、トモキの発明品――その名も、
「4Dコピープリンター《だいたいのものはコピーしちゃうよ☆中身はないけど!》」
という、ふざけた名前とは裏腹に超高性能なガジェットの力であった。
正確な設計図と、マサキの記憶を元にした脳内メモリ。そしてトモキの遊び心から生まれた機械たち。
二人の力を合わせることで、奇跡は起きた。
雷の心臓は再構築され、暴走は収まり、街は安定していく。
「よかった……!」
「おう、やったな、トモキ!」
その報せとともに、戦いの場にも静寂が戻り、やがて――
王の玉座の間には、仲間たちが集まっていた。
そこに現れたのは、エレキ国王。顔には深い悔恨の色がにじんでいた。
「マサキ博士……すまなかった。
ネブラの甘言に乗ってしまい、お主を捕らえて、息子までも巻き込んでしまった……。
国の未来のためと信じたが、わしが……愚かだった……!」
涙ながらに頭を下げる国王に、マサキは肩をすくめて言う。
「なんのことだ? おれは今日、雷の心臓のメンテナンスに来ただけだぜ。
……なんも起こっちゃいねぇ」
軽く笑って見せると、マサキは背を向けて言い残す。
「これからも立派に国をまとめてくれよ、王様」
それから少し時が経ち――
エレキラボの2階にある発着場には、旅の準備を終えた仲間たちが並んでいた。
トモキは寂しそうな顔で、後ろを振り返る。
だが、マサキはそれを見てニッと笑う。
「……かっこいい男になってきたな、トモキ! 行くんだろ?」
トモキは自分の頬をペチンと叩き、力強くうなずいた。
「うん! いくよ、みんなと!」
「おうよ! いっぱい遊んでこい! そして……ちゃんと帰ってこい!」
その言葉に、胸の奥が熱くなる。
そして、宇宙船に乗り込むその瞬間、トモキは振り返って――
精一杯の声で叫んだ。
「行ってきまーす!!」
空に響く少年の声。
星を救った親子の物語は、こうして一つの幕を閉じる。
――エレキ編、完。
ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます!
エレキ編は、親子の絆、科学の力、そして少年の成長を描く章として構成しました。
トモキとマサキ、二人の発明が星を救い、未来をつなげる展開は、私自身も書いていて胸が熱くなりました。
トモキはシオン達と旅をすることで私も驚くほど成長し、勇敢になっていました。
まだまだ冒険は続きます。
次回は少しだけ立ち止まりとある日のエレキの星の話を書きます。
お楽しみに。




