エレキ ep7-王座突入!時が迫る!-
王都サンボルトへの突入を果たしたシオンたち一行。
ついにたどり着いた“国王の間”で待っていたのは、国を信じ、ネブラを信じる国王の怒りだった――。
ネブラの正体と真の目的が、いま暴かれる!
王城サンボルト、最奥――国王の間。
豪奢な柱が並ぶ玉座の前に、重く険しい声が響き渡った。
「なんたる無礼だ!!」
玉座に座る壮年の男――エレキ星の国王が、怒りに震える。
「おのれマサキ! 再び我が前に姿を現すとは……!」
怒号が響く中、マサキが一歩前に出る。
「国王!聞いてくれ!ネブラだ! ネブラこそが今回の黒幕なんだ!」
「何を言っておる……? ネブラはこの国を良くするために力を貸してくれているのだぞ!」
国王は信じられないというように目を見開く。
その言葉に、シオンも叫んだ。
「ネブラは“雷の心臓”を奪おうとしてるの! 信じて、私たちを!」
だが、国王は首を横に振る。
「くだらん! おまえたちのようなならず者の言葉など、聞く耳は持たん!」
その瞬間。
「これを見てもまだそんなことが言えるのかよ……!」
叫んだのは、トモキだった。
少年の手から放たれたのは、銀色の球体――《メモリーボール》。
マサキがかつて一度だけ渡していた、記録型の情報端末だった。
それは一度だけ映像を投影するタイプの試作品。壊れていたものを、トモキが修理していたのだ。
球体から浮かび上がったのは、ネブラと密談する国王補佐官の姿、そして国王を欺く計画の数々。
そのすべてが、決定的な“証拠”だった。
沈黙。
映像が終わり、国王の顔から血の気が引く。
「ネブラ……これは、どういうことだ……?」
その問いかけに、返る声はなかった。
ただ静かに、ネブラが一歩前に出る。
「ふふ……時間が来たようだ。役者もそろった」
その顔には、もう仮面すら必要としていない不敵な笑みが浮かんでいた。
「フィナーレの時間だよ。マサキ」
「おい、ネブラッ!」
玉座から立ち上がり、怒気を露わにした国王が詰め寄る。
だが――
「はぁ、うるさいなぁ、人間風情が。邪魔をするなよ」
ネブラが左手を上げた、その瞬間。
禍々しい紫のエネルギーが国王に向かって放たれた。
「危ない!!」
誰よりも早く動いたのは、シオンだった。
反射的に、国王の背中を強く突き飛ばす。
そのまま――シオンの体に、攻撃が直撃した。
「――ッ……!」
光と風がはじけ、シオンの体が宙を舞う。
「シオン!!」
ユーリが駆け寄り、間に割って入る。
黒き騎士の剣がネブラの魔力を弾き、睨みつける。
「フン。運はあるようだな、国王」
ネブラがつぶやく。
「だが……バカなのが残念だな」
そう言って、両腕を天へ掲げる。
「さぁ、“雷の心臓”……この手にいただこうか」
その瞬間、空間が――揺れた。
重力が乱れ、空気が軋む。
エレキの星に、異常なエネルギーが満ち始める。
今回は、国王の間での対決、そしてネブラの本性がついに明かされる回でした!
トモキの修理したメモリーボール、シオンの勇気、ユーリの即応……それぞれのキャラが見せ場をしっかり持ちましたね。
次回は、ついにネブラの狙いが明らかに!
ユーリとネブラの戦いも!
クライマックスに向けて、次回もお楽しみに!




