エレキ ep2-父の手紙-
マサキが残したメッセージ。
そこに込められた“警告”と“願い”とは――
マサキの声は疲れを帯びていた。
頬には擦り傷、左手首には拘束具の跡がある。
「今、急いでこれを撮ってる。あまり時間は取れない。
だから、お前に伝えておきたい。……この星で今、何が起きているかを」
画面が切り替わる。
映像は監視カメラからのもので、研究所内にネブラが現れる場面が映る。
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「こんにちは。マサキ博士。国王秘書官のネブラと申します。」
「見ねえ顔だな。何者だ?」
「先ほど名乗りましたよ。まぁ、良いでしょう。用件を伝えます。」
「“雷の心臓”の摘出方法をご教授いただきたい。」
黒い外套の男――ネブラが静かに言う。
「……断る。あれは国家機密をも超えるほどの超重要事項だ。星の命に関わる。誰であれ伝えるつもりはない。」
マサキは毅然と答える。
「では、こちらも手段を選ばない」
重装備の王国兵たちがドアを破って突入してくる。
ネブラが指を弾くと、研究所の警備が無効化され、マサキは取り囲まれた。
「マサキ博士。国家侵略罪で逮捕だ。連れて行け。」
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再びホログラムのマサキが映る。
「今、俺は王都サンボルトの牢獄にいる。
これは、俺が隠し持ってた小型カメラ付きの発明品で録画した映像だ。
きっとすぐにバレる。送れるのも、ギリギリだろう」
「……だが、最後にこれだけは伝えておきたい」
マサキの目が、真正面に向く。強く、優しく。
「“雷の心臓”は、エレキの根幹だ。
この星の命を、お前たちの手で守ってくれ。頼んだぞ、トモキ──」
映像がパチッと途切れる。
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◆ シオンたちの反応
「マサキさんが……ネブラの罠だ……」
シオンが息を飲む。
「パパ……いやだぁ……!」
トモキの目から大粒の涙がこぼれた。
「……雷の心臓。それが狙いだったのデスネ」
カロンの目が赤く光る。
「許せないね」
ユーリが立ち上がる。目が鋭く光った。
「王都サンボルトに行こう。マサキ博士を助け出す。そして雷の心臓を守る──!」
シオンが強く叫ぶ。
「……うん!絶対に!」
トモキも強く宣言した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回からついに始まった【エレキ編】、いかがでしたでしょうか。
トモキの父・マサキの謎、エレキ星に潜む陰謀、そして“雷の心臓”というキーワード──。
謎と感情が交錯するこの編では、トモキが自分自身の原点と向き合うことになります。
次回はいよいよ王都サンボルトへ!
果たして父を救い出せるのか、それとも──?
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次回もよろしくお願いします⚡




