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星詠みのシオン  作者: ray a life
海の星 ステラ・マリス
3/33

ステラ・マリス ep3-星の声と、機械の心-

不時着した宇宙船、泣き虫な少年、そして黒いロボットとの出会い。

冒険の歯車が動き出したシオンの前に、「星の声」が静かに囁きはじめる。


そのロボットは、まるで騎士のようにシオンの前に立った。


 「……排除完了。脅威度・低。対象、保護対象と認識」


 「な、なにそれ! いまの、私を守ってくれたの……?」


 ロボットは応えなかった。ただ、赤い光の瞳を揺らしながら、ゆっくりと振り返った。


 「トモキ様、バイタル安定。移動は可能デス」


 「う、うん……ありがとう、カロン」


 ツンツン頭の男の子――トモキが立ち上がる。その足はふらつきながらも、彼は勇気を振り絞って、シオンに向き合った。


 「ご、ごめんね……えっと、きみ、だれ?」


 「私はシオン。ここの住人! そっちは、宇宙人でいいの?」


 「う、うちゅ……ちがうよぉ! ぼくは、惑星調査隊のトモキ……。でも、パパとはぐれちゃって……」


 目を潤ませながらも、懸命に状況を説明しようとするトモキ。その傍らに立つロボット――カロンは、警戒心を緩めない。


 「本機はカロン。トモキ様の護衛機デス。任務内容は機密事項。立ち入りは推奨されません」


 「なにそれ、かたっ! 別に怪しい者じゃないってば!」


 「安全が確認されるまで、発言は制限させていただきマス」


 「カッチカチだなーこのロボ……カロン?」


 言いながらも、シオンは少しだけ笑った。


 ――その瞬間だった。


 風が吹いた。


 草原の向こう、森の奥。空の色が深く変わっていく。


 シオンはふと、夜空を見上げる。


 星が、震えている。


(……また聞こえる。星が、ざわめいてる)


 視界が一瞬、きらめくように変わる。目の前の空が、星空のように開かれていく。


 そして――彼女の目の前に、ひとりの女性が現れた。


 透き通るような髪と瞳、星の光をまとうような美しさ。


 その姿は、惑星ステラ・マリスの“化身”だった。


 「ようこそ、星詠みの少女。いま、あなたに語るべき時が来たわ」


 まばたきもできないまま、シオンはその存在を見つめた。


 それが、すべての始まりだった。


ついに始まった“星詠み”の覚醒。

ステラ・マリスの声が、シオンの中に新しい世界を開いていく。


次回――

『第4話:星の秘密と少女の運命』

静かに、でも確かに。彼女の運命が動き出す。


どうか、次も見届けてください。


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