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星詠みのシオン  作者: ray a life
電気の星 エレキ
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エレキ ep1-閉ざされたエレキ-

ノヴァ、そしてミラージュを越えて。

次なる星、科学と電気の星「エレキ」へ。

だがそこに待ち受けていたのは、意外な壁と、父・マサキの影だった――


本文:


「なにこれ……入港、禁止……?」


惑星航行を終えたシオンたちは、船内モニターの警告に目を疑った。

エレキ星──そこはトモキの故郷であり、彼の父・マサキがいるはずの場所。


だが今、その星は**『外部入港制限中』**という厳しい封鎖状態にあった。


「いやだぁ……どうして、こんな……」

トモキが小さな拳を握りしめ、唇を噛む。


「星の衛星警備は全方向から波状検知……軍事レベルの封鎖デス」

カロンの分析は冷静だったが、その口調にはどこか悔しさがにじむ。


「つまり、普通には降りられないってことね」

シオンは窓の外に浮かぶ、雷光が瞬く青白い星を見つめた。


そのとき、背後から軽やかなブーツ音と共に、声がした。


「でも、私なら“別ルート”から行けるわよ」


振り返れば、黒い鎧を纏った騎士――ユーリが、にやりと微笑んでいた。


「惑星パトロールの裏ルート。非公式だけど、使えるルートがあるの」

「さすがユーリ……!」

「ただし危険もあるわよ。監視の目をすり抜ける必要があるから」


仲間たちは顔を見合わせた。だが、迷いはなかった。


「マサキさんを助けに行くんでしょ?だったら行こう!」

シオンの言葉に、カロンが頷き、トモキが目を拭った。


こうして、シオンたちは密かにエレキ星への潜入を開始する。



青白い空、金属の光が煌く都市部──王都サンボルトの外縁部。

そこにひっそりと佇む、古びた研究施設。

それが、かつてマサキが暮らし、発明を重ねていた**「トモキの家」**だった。


「……変わってない。なにも」


トモキが玄関のパネルを操作すると、自動ドアがぎぃ、と軋んで開いた。


中は静かで、うっすらと埃が積もっている。けれど、どこか温かみがあった。


「懐かしいにおいがするね」

「デスが……何者かが最近、出入りした形跡がアリマス」


カロンが廊下を歩きながら、小さく呟く。


そのとき――

「みんな、これ……!」

トモキの家──いや、父・マサキの研究所に着いたシオンたち。

中は埃こそ被っていたが、精密な装置と図面が丁寧に保管されていた。



トモキが机の裏を探ると、小さなケースが現れた。

中には、父の筆跡で【To Tomoki】と書かれたメモリーボールが入っていた。


「これは……パパの……?」


ガチャ、とボールをセットすると、天井に光が走り、

宙にマサキのホログラムが浮かび上がった。


「……トモキ。お前がこれを見てるってことは……

俺は今、お前と話すことができない状態にあるってことだろうな」

マサキのメッセージには何が……!?

次回、「父からの手紙」にて、明かされる驚愕の展開。

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