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星詠みのシオン  作者: ray a life
電気の星 エレキ
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エレキ ep0-届かぬ声、揺れる信頼-


「……ぅ、うーん……。おかしい、ノイズが多すぎるよぉ……」


トモキが船の片隅に座り込み、自作の通信機を分解しては組み直していた。見慣れた工具ポーチを膝に広げ、何度目かの調整。


「父さんのコードID……間違いなく反応してるんだ。でも、音がブツブツ途切れて……」


小さなスピーカーから、ノイズ混じりの声が微かに漏れた。


──トモキ……このままじゃ……王が……データを……気をつけ……ろ……


「……父さん……?」


その瞬間、通信はぷつりと切れた。トモキの手が止まり、工具がカランと落ちた。


「なんで……どうして……!」


 



「パトロール中継所、接近。認証コード、照合完了デス」


船の操縦を担当していたカロンが、冷静に告げた。船は、銀色に光る中継所へ静かに接近していく。


「ここなら何かわかるかもね」

シオンが真剣な眼差しで前を見据える。


 



中継所のホログラム映像室。そこには、信じられない情報が映し出されていた。


【惑星エレキ・開発庁主任技術官 マサキを国家反逆罪により逮捕。現在、王国サンボルト内にて拘束中】


「な……なんで……」

トモキの声が震えた。


「これは……どう考えても、おかしい」

ユーリが低く呟いた。

「マサキさんが、国家反逆……? あり得ない」

シオンも続く。


「データの改ざん痕跡アリ。映像信号にも不自然な圧縮が確認できマス」

カロンが解析結果を叩き出す。


「つまり、罠だってことか」

シオンが拳を握った。


 



「パパは……パパは……!」

トモキが震える手でノートを抱きしめた。そこにはマサキと一緒に描いた回路図。子どもの筆跡と父の手書きの設計が重なっている。


「悪いことなんて……するわけない! そんなの……そんなの……!」


「大丈夫」

シオンがそっと手を伸ばす。


「信じよう。そして、確かめに行こう。……一緒にね」


 



船が再び宇宙に飛び立つ。


進路、惑星エレキ。


暗雲立ち込める都市、封鎖された研究棟、王の思惑、そしてマサキの行方――。


謎に満ちた星に向けて、シオンたちの新たな旅が始まる。


 


ミラージュ編を経て、シオンたちの絆はさらに深まりました。

しかし、そんな中で届いたのは、トモキにとって耐え難い現実。


次なる舞台【エレキ】では、トモキの故郷である科学と電気の星を巡る物語が始まります。

父・マサキの逮捕、その裏に蠢く陰謀、そしてロボット・カロンの過去にも再び光が当たる――


果たして、真実の先にあるものとは?

新章、開幕です。


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