ステラ・マリス ep2-不時着と出会い-
翌朝。
「……やっぱり、行ってみるしかないよね」
軽装にブーツ。腰には小さなライトとバッグ。
シオンは決意とともに草原を走り抜け、森の奥へと進んでいく。
そこにあったのは、想像以上の光景だった。
――宇宙船の残骸。
火花を散らし、煙をあげている機体。その傍らで、小さな人影がうずくまっていた。
「だ、だれ……?」
「う、うぅ……もういやだぁ……パパぁ……」
それは、ツンツン頭の黒髪の男の子だった。
年は……6歳くらいだろうか。泣きじゃくっている。
「大丈夫? 怪我してない?」
シオンが駆け寄ると、男の子はびくりと身をすくめた。
「う、うそ……また変な生物……?」
「変な生物じゃない! 女の子だよっ!」
――そのとき、木々の奥から何かが動いた。
「……シオン様、後ろへ。排除モード、起動」
重く、機械的な声。
そこから現れたのは、一体のロボットだった。
漆黒の装甲、赤く光る瞳。
守護騎士のような威圧感をまといながらも、シオンの前に立ちはだかる。
「えっ、ちょ、なにこの展開……!!」
宇宙船の残骸、泣き虫な少年、そして現れた漆黒のロボット——。
普通の毎日が音を立てて崩れていくシオンの冒険は、まだ始まったばかり!
次回、シオンと謎の少年、そしてロボットの正体が少しずつ明らかに!?
「星詠みのシオン」第3話――『星の声と、機械の心』
次も、見逃さないでね!