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星詠みのシオン  作者: ray a life
始まりの星 ノヴァ
16/35

ノヴァ ep6-びっくりさせちゃおう大作戦!-

第16話「びっくりさせちゃおう大作戦」へようこそ!

前回の第15話では、マクが背負ってきた罪と愛、そしてシオンの力強い言葉が交差する非常に感情の重い回でした。

今回は一転して、少しだけポップに、でもやっぱり“本気”で――子どもたちが立ち上がる、そんな反撃の回です。

「びっくりさせちゃおう」なんて冗談みたいな作戦が、実は一番大切な想いに基づいている。そんな希望の物語を、楽しんでください。


「……これは?」

シオンがラボの奥から持ち出してきたのは、ほのかに光を放つ結晶だった。かつて見た“星の声”を聞いた、あの人工クリスタル。


「それは、私が作った…失敗作のひとつだよ」

マクがぽつりと答える。


「でも、すっごく綺麗。ちゃんと星の声も届いてるみたいだった」

「それは――」マクは言葉を飲み込む。「……私の祈りが入ってしまったのかもしれない。星に…何か届いていたとすれば、それは…願いだった」


シオンはその結晶を両手でそっと包み、目を細めた。

「だったら、これを使おうよ」

「え?」

「この“祈りのかけら”で、びっくりさせちゃおう大作戦!」


 



「……というわけで!」

作戦ブリーフィングの場に立ったシオンが、勢いよく手を広げる。

「偽物のノヴァクリスタルを作って、ヘリオス団に『見つけたよ』って連絡!そしたら絶対慌てて取りに来るから、そこで――ユーリさんとカロンで、ババーン!って倒して、本物のクリスタルをゲットしちゃおうって作戦だよ!」


「それ、ぼくもやりたいー!」

トモキがキラキラした目で手を挙げる。

「じゃあぼく、偽物クリスタルの加工やる!うちの“スーパー・ウルトラ・ハイパー・イミテーション合成炉”で再現できるかもっ」


「軽すぎるデス…いや、逆に新しいデスネ」

カロンがうんざりしたように言ったが、その手はすでに自分の内部データにアクセスしていた。


マクは腕を組んで沈黙していたが、やがて、低くつぶやいた。

「……ネブラは、甘く見ない方がいい。彼女は人の感情を巧みに操る。心の弱さに入り込み、それを利用するんだ」


「なら、なおさら立ち向かわなきゃ」シオンが真っ直ぐに言う。

「心があるから、負けないんだよ」


「シオン…」

マクが振り返ると、そこには静かに立つユーリの姿があった。


「これがシオンです。星詠みの子の覚悟です。」

「……そんな。子供にやらせるのは危険だ。」

「そうですね。それでも私はシオンのやりたいようにやらせます。」ユーリは、仮面の奥で微笑んだ気配すらあった。

「どんな相手でもシオンは負けません。だって、彼女が背負っているのはあなたが一度捨ててしまった願いだから」


マクの目が一瞬揺れる。だが、その奥にあったネブラへの怒りは、不思議と静かに消えていった。


 



トモキとマク、そしてカロンの手によって、“偽ノヴァクリスタル”は次第に形を成していく。

「まさかこんなに精巧にできるとは……本物と、見分けがつかない……」マクが思わず声を漏らす。


「じゃあ――びっくりさせちゃおう大作戦、発動!」

シオンの声に、皆が顔を上げた。


星を守るための、子どもみたいな、でもまっすぐな戦いが、今、始まる。


読んでくださってありがとうございます!

「びっくりさせちゃおう大作戦」、いかがだったでしょうか?

このタイトル、ふざけてるようでいて実はすごく大事な意味が込められています。

シオンの“あきらめない心”、マクの“かつての純粋さ”、トモキの“ものづくりの魂”、ユーリの“静かな愛”。

すべてが合わさって、ついに星を救うための反撃が始まろうとしています。


次回はいよいよ、作戦実行――そして、あのネブラが動き出します。

どうかお楽しみに!


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