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星詠みのシオン  作者: ray a life
海の星 ステラ・マリス
10/35

ステラ・マリス ep10-運命の分岐点――新たなる旅立ち-

ステラ・マリスでの激闘を終えたシオンたち。星は救われたが、旅はここで終わりではなかった。惑星パトロール総隊長との通信で明かされる、新たな任務。そして――父との別れ。3人は、未来を背負う決断を迫られる。


本文


「マトメたちの確保を確認。搬送ユニット、出発します」


惑星パトロールの隊員が無表情にそう言い、拘束されたヘリオス団員たちを次々と小型輸送艇へ乗せていく。重苦しい沈黙の中、空からさらにもう一機――銀白色のシャトルが静かに着陸した。


「お父さん!」


トモキが真っ先に駆け出す。


「よぉ、トモキ、シオンちゃん、それに……カロン」


降りてきたのは、トモキの父・マサキだった。その姿に、カロンもわずかに表情を緩めた。


「マサキ様……ご無事で何よりデス」


「ありがとう。3人共よくやったな!」


そのとき、マサキの手元の端末に通信が入った。


《こちら惑星パトロール総本部。総隊長、回線接続準備完了しました》


「繋いでくれ」


数秒後、空中に大きなホログラムが展開され、銀髪の老人が現れた。知性と威厳を感じさせる人物――惑星パトロール総隊長である。


《現場の状況は確認済みだ。コアは無事保護されたとの報告、大変素晴らしい働きだった。君たちに敬意を表する》


「ありがとうございます。ですが……一つ、提案があります」


マサキが一歩前に出て、深く頭を下げた。


「今後のコア収集任務を、トモキ、シオン、そしてカロンの三人に任せていただけませんか?」


「えっ!?」


トモキとシオンが同時に声を上げた。


「おれは、コア保護装置のさらなる強化と、転送装置の改良に専念したい。現場を離れ、研究に集中すれば、もっと効率的で安全な保護が可能になる」


総隊長の目が細くなる。


《しかし、それには現場の指揮官が必要となる。シオン、君の意志を聞かせてくれ》


「……はい」


シオンは一歩前に出て、まっすぐにホログラムを見据えた。


「私は、“星詠み”の力を持っています。星の声を聞き、危機を知ることができます」


「この星のように、他の星にもヘリオス団が同じことをしようとしているなら……私は、それを止めたい。星を守りたい」


総隊長はしばらく黙ったまま、シオンの目を見つめていた。


《……君は若く、まだ未熟だ。しかし、心に宿る想いと覚悟は、本物だ》


《トモキ、カロン、君たちは?》


「ぼ、僕も……一緒に行く! 怖いけど……ちゃんと、任務をやり遂げる! お父さんに、恥ずかしくないように!」


「トモキ様……本当に、成長されマシタ……」


カロンの声がわずかに震える。


《よかろう。君たち三人に、コア保護の第一任務を託そう。若き力よ――苦難を乗り越え、学び、糧とせよ》


ホログラムの通信が終了すると、空気が一気に静まった。


「お父さん……ありがとう」


トモキが涙をこらえながら、マサキに抱きつく。


「トモキ、必ず無事で帰ってこい。どんなに失敗しても、お前は僕の誇りだ」


「うんっ!」


カロンもその光景を見守っていたが、音もなく目から一粒の涙が落ちた。


「カロン?」


「ナ、ナニモ、ナイデス……目にゴミが入りマシタ……」


「ふふっ……カロン、ありがとう」


シオンはその様子を見て微笑みながら、二人に向き直った。


「改めて、よろしくね! 新しいチームメイト!」


「うん! よろしく、シオン!」


「引き続き、お二人をお守りいたしマス!」


マサキが端末を操作し、次なる星の座標を映し出す。


「次の目的地は――《始まりの星・ノヴァ》。生命の起源とも言われる、謎に包まれた星だ。ここには、他の星とは比べものにならないほど強力なコアが眠っているはずだ」


シオンの目が輝く。


「ノヴァ……始まりの星……」


新たな星、新たな冒険が、今始まる――。

版)


いよいよ、新たな星へ!

次の舞台は、全ての始まりを司ると言われる星――【始まりの星ノヴァ】。

未知のエネルギー、封じられた記憶、そして新たな敵と謎が、シオンたちを待ち受けます。


第11話では、ノヴァの神秘と共に、チームとしての試練が本格化していきます。お楽しみに!


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