77.ボールと仲良し大作戦!
先生から衣服以外の透明化を課題に設定された。早速課題に取り掛かるために、俺は放課後の教室で頭を悩ませる。
まずは何を透明化させるか。それが第一に考えるべきことだった。どうせなら透明にすることで自身が有利になるようなものがいいな。
「うーん…。どうしようかな…。」
そうして考えていると後ろから声がした。俺は椅子に座りながら、体を後ろへ向ける。
「考え事?」
そこに居たのはエリーさんだった。彼女なら、何か良い案を出してくれるかもしれない。そう思い、課題について話すことにした。
「うん。実は俺の課題が自分以外を透明化することでさ。どうせ透明にするなら、役に立つ物が良いなって思って。」
「ふぅん。なるほどね。」
頷きながら、エリーさんは顎に指を当てる。彼女はやや眉を寄せて悩んだ後、あっと声を出して手を叩く。妙案でも浮かんだのだろうか。
「そうだわ!球形遊戯用のボールを透明にするのはどうかしら!」
「ボールを?どうして?」
「球形遊戯用のボールは神具で遠くから操れるじゃない?だから、ボールを透明にすれば見えない遠隔攻撃が出来るようになるのよ!」
彼女の考えに思わず声が出た。確かに、球形遊戯用のボールを透明化出来るようになれば、勝負において有利になるかもしれない。
俺はエリーさんに感謝を伝えて、実行へ移そうとする。その前に、彼女は俺の腕を引いて引き止めた。
「丁度、球形遊戯用の神具とボールを買い替えたのよ!だから、アンタにあげるわ!お古だけど!」
「え!?嬉しいけど、悪いよ…。だって、これ、安くないでしょ?」
「良いのよ!どうせ捨てちゃうもの!ほら、受け取りなさい!」
「あ、ありがとう!」
エリーさんに押し切られる形で、俺は球形遊戯用の神具とボールを受け取る。
感謝しつつ、改めて課題を達成しようと意気込む。
***
エリーさんから受け取ったボールを透明化する。俺はその目標のために、次いで方法を考えた。
そもそも、俺の神託の力は自分の体を透明化するもの。だが身につけている衣服も共に透明になる。それは何故か。神託の力が自己の意識と深く関わるのなら、答えは自ずと出る。
恐らく、俺の頭は身につけている衣服も身体同様、自分自身だと認識しているのだろう。であれば、ボールを透明化する方法も浮かぶ。つまり、ボールも衣服と同じようにずっと身に着けていれば良いのだ。
より自分に馴染むよう、俺は四六時中ボールと一緒に居ることにした。




