51.収穫祭の準備を進めよう!
調理室に戻ったクロンスさんは、早速採った植物の根を洗って炒める。しばらく炒めると刺激的な匂いが鼻を突く。調理が済んだのか、クロンスさんはそれをパリッと焼いた生地へ乗せる。中の具材は生クリームとチーズであった。
「出来ました!実食どうぞ!」
彼女に勧められるまま、俺とエリーさんは作られた物を口に運ぶ。
「ん…美味しいわね!」
「ほんとだ…。凄いねクロンスさん!」
「ふふっ。当然です!まだまだ試していきましょう!」
腕をまくったクロンスさんは宣言通り、数多の香辛料を試してアレンジをした。その都度味見をしたので、腹はかなり満たされた。
「料理は良い感じですね…次は球形遊戯の練習を…」
「クロンスちゃん、もう遅いわよ…暗くなってきたんだから帰りましょう?」
「そ、そんな!」
やる気に満ち満ちていたクロンスさんはエリーさんの言葉に肩を落とす。確かに、外は暗くなってきた。そろそろ帰るべきだろう。
渋々ながらも俺達は学園を出た。それにしても、クロンスさんは収穫祭に随分意欲的だ。
「クロンスさん、収穫祭に対して凄い熱意だね。」
俺はふと本人に聞いてみる。まぁ、俺としてもお祭りは楽しみではあるが。
当のクロンスさんはそんな俺の問いに元気よく答える。
「収穫祭は神に感謝を告げるものです。なので、私の感謝を目一杯伝えようと思いまして。」
「感謝…?クロンスちゃんは、神に感謝してるの?」
エリーさんの反応と同様に、俺も少し驚いてしまう。何せ、クロンスさんは神に見捨てられて呪いを受けてしまった。それにより苦しむことだってあったはずだ。
だというのに、彼女は神に感謝をしているなんて言う。
「はい。感謝していますよ。確かに呪いのせいで大変な思いはしました。ですが、そのおかげでヤシキくんやエリーちゃんと会えましたから!」
「………相変わらず強いわね…。」
「そうだね…。」
残念ながら、俺は神に感謝の気持ちなど毛頭ない。それはエリーさんも同様なのか、クロンスさんの反応に圧倒されるばかりだ。
「まぁ、一番は収穫祭を大切な友達と楽しみたいって気持ちが大きいですけどね!」
「そ、そっか…。」
大切な友達。突然そう言われると何だか照れくさくなってしまう。日が落ちかけていて良かった。やや赤くなった顔を見られずに済んだから。
「も、もう。クロンスちゃんってば、そんなことよく恥ずかしげもなく言うわね…。」
「私、2人が大好きですから。エリーちゃんはどうですか?」
「ア、アタシは、」
もじもじするエリーさんを見ていると、こっちは冷静になってきた。
「エリーさんはクロンスさんが大好きだよね?だって呪いの研究までやってたんだし。」
「う、うるさいわよヤシキ!アンタはどうなのよ!?」
「俺は大好きだよ。」
「アンタまでそんな恥ずかしいことを…」
少し涼しい帰り道。俺は2人の友とゆっくり歩いて帰った。




