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43.増殖!虫に制圧された台所!

 「んー、ん。」


 朝日を浴びながら、俺は背伸びをした。今日は夏季講座のない日だ。ゆっくり家で過ごせる。そのため、ゆったりとした動きで部屋を出て朝食を作りに行く。


 目を擦りながら台所へ行くと、ふと何かと目が合う。それは黒光りしており、小さくカサカサと動き、


 「っ!?虫だ!しかも沢山いる!?」


 得体のしれない気持ち悪さに思わず後退りする。それに反応してか、大量の黒い虫たちは俺のもとへ足を動かす。それが何とも気持ち悪くて、本当に勘弁して欲しい。

 そんなことを思っていると、あろうことか、虫が俺の足を登って腰にまで到達しているではないか。


 「うわぁっ!?」


 必死に足をばたつかせて、無視を振り払おうとした。すると、物音を聞きつけてハインセさんが酔いが覚めないまま起きてきた。


 「ヒック。おいヤシキ。朝から騒いでどうし、」

 「ハ、ハインセさん!虫!虫が沢山!」

 「おお。凄えなこりゃ。ヒック。」

 「そんな呑気な!」

 

 頭をかきながら、ハインセさんは俺と虫を交互に眺める。こんなに黒光りのする虫がいるのに、どうしてゆっくりしていられるんだ。俺はこんな状況耐えられっこない。


 「虫を退治する神託の力なんか無いんですか!」

 

 ドタバタと虫から逃げつつ質問する。


 「あ?んなもんねぇよ。でも、神具ならあんぞ。ほらっ!」


 そう言ってハインセさんは俺にスティック状の何かを投げつける。発言からして虫退治に有効な神具なのだろう。

 スティックの先端は丸くなっており、俺は取り敢えずそこを押し込む。その途端、スティックの隙間から蒸気のようなものが排出される。


 シュー、と音を聞いていると、視界の端で虫が体をピクつかせているのが目に入った。効果はバッチリあるようだ。


 「朝からびっくりさせて…。俺の神具の前じゃ、もう敵無しだよ!」

 形勢逆転。俺は虫のいる場所へと神具を持って突撃した。怖いものはない。何故なら、この神具があれば無敵だからだ。


 「あははっ!最強!最強!」

 「ヤシキ。頭に虫付いてんぞ。」

 「うわぁ!?」

 「ヒック。さっきまでの威勢はどうしたんだよ…。」


 ハインセさんは呆れつつも、俺の頭についた虫を取り払う。どうやら神具は無敵ではなかったらしい。


 神具を使った虫退治が済んだ頃、俺は朝食にすることにした。


 作ったものを口に含みながら、テーブルを挟んで前の席に座るハインセさんへと気になったことを聞く。


 「そう言えば、魔法って神具がないと使えないんですか?」

 「ん?おう。だから、オメェの通う魔法学校にも神具が沢山あんだよ。」

 

 言われてみれば、確かに学校には色んな神具がある。とはいっても生活に必要なものが多数だけれど。

 魔法といえばもっと派手なものだとばかり考えていたが、どうにも生活に染み込みすぎていて地味なものばかりなのだ。まぁ、人々の暮らしに不可欠なのだから、派手でないのも分かるが。


 「ヤシキ。神具は安いのから高えのまであるから、さっきみてぇに暴れて壊すなよ。」

 「は、はい。」


 もう少し落ち着いて生活をしよう。俺はそう決心して朝食を終えた。

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