表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/110

42.買い出し中。取捨選択を心掛けよ!

 「えーと、あとはこれかな…。」


 紙切れを眺めながら呟く。俺は現在、町にて買い出し中なのだ。


 俺の住む町(ドボルセルカ)は聖グロッタ学園に隣接、併合している町であり雑多としている。何処からが学園や居住地、ショッピング通りなのか不明瞭なのだ。というのも、この町を作ったのは聖グロッタ学園の校長であるからだ。


 学校ならまだしも、町の運営など不慣れな校長によって作られた俺の住む町(ドボルセルカ)は混沌としていた。とはいっても治安が悪い訳では無いが。


 なんて思いながらも、俺はハインセさんに頼まれた買い物を済ませる。


 用事のあった建物から出ると、見知った顔を発見した。


 「クロンスさん、奇遇だね。もしかしてお買い物?」

 

 出会ったのは友人であるクロンスさんだった。彼女は両手いっぱいに紙袋を抱えている。中身は何となく予想できた。恐らく食べ物だろう。というか、既に彼女の口はもごもごしていて、何か食べているような感じだ。

 それを食べ終えたクロンスさんは明るい笑顔で答える。


 「はい。買い出し中です。…何を買ったか気になります?」

 「う、ううん。食べ物でしょ?」

 「よく分かりましたね!」


 クロンスさんが食べ物に執着しない様子なんて思い浮かばないからね、とは言えなかった。なので心の内に留めておくことにした。


 「折角ですし、一緒に何処か見ませんか?」

 「構わないけど…クロンスさんの食料は平気なの?今日は暑いし腐ったりしない?」

 「加熱しますから問題ありませんよ!除菌はバッチリです!」

 「それは火を過信しすぎだよ…。」


 なにはともあれ、俺は彼女と町を出歩くことにした。急ぎでも無かったのでゆっくり店を見て回る。

 すると、これまた見知った顔を見かける。しかし距離はほどよく離れており、相手は此方に気付いていないようだった。


 俺は隣にいたクロンスさんを肘でつついて知らせる。


 「ねぇ、あれエリーさんじゃない。」

 「本当ですね…。にしても、周りに人が多いみたいです…。」

 「ゲレター家のお付の人、とか?俺、メイドさんとか執事さん、初めて見たよ。」

 「私もです…。」


 声を潜めながら、友人であるエリーさんを見つめる。その周囲には黒と白のかっちりとした服装をしている人々が固まっていた。

 流石、名門。何処かへ出掛けるのにもあんなに人を引き連れて行かなければならないとは。


 何だか話しかけづらいので、俺とクロンスさんはこっそり眺める。


 エリーさんらの声が、群衆に紛れながらも届く。


 「そうね…じゃあ、ここからここまで全部頂戴。」


 手を広げたエリーさんはそんなことを言う。まさか、その台詞を聞けるとは思わなかった。


 「クロンスさん、今の聞いた!?」

 「はい。『ここからここまで全部頂戴。』…人生で一度は言ってみたいものです…。」

 「俺も…。」

 「ヤシキくん。いつか言えるぐらいビックな人になりましょう!」

 「うん。そうだね!」


 そうこうしていると、エリーさん達はその場を離れた。話しかけるタイミングも無かったので、俺達はそのまま2人で店を周り1日を終えるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ