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33.故障中。急ぎ神具を買いに行こう!

 学校の神具が壊れてから数日。なんと、俺の家にある神具まで壊れてしまった。壊れたのは冷房の役割を担う神具だ。


 「ハ、ハインセさん…どうします…?」


 休日というのに暑苦しい部屋の中で、俺は引き取ってくれたハインセさんに聞く。


 「こりゃあ…買いに行くしかねぇな。もう古いからよ。」

 「………こういう神具ってどのぐらいするんですかね…」


 これらが前世でいう家電に相当するなら、考えたくもない。きっとかなりの値を張るだろう。


 「まぁ、金貨50枚ぐれぇか…。心配すんじゃねぇよヤシキ。おら、神具見に行くぞ。」

 ハインセさんはいつも通り千鳥足ながらも、家を出る。俺も慌てて彼の後を追った。


 冷房の役割を担う神具は壷形だ。その本体にはダイヤルが巻き付けてあり、そこを調整することで温度を変えることが出来る。

 俺達は店へ赴き、神具を眺めた。


 「おやおやお客様。何かお探しですか。」

 「見ての通り、神具探してんだよ。」

 

 店員が俺たちに近寄り、セールストークを始める。彼らの気配には全く気付かなかった。神具売りの店員はやり手かもしれない。


 「神具ですか!なら、此方オススメの最新神具がございます!何と、音楽を奏でる機能付き!」

 「いらねぇ…。ヤシキ、オメェは?」

 「お、俺もいいかな…。」

 

 最新といっても、不要な機能を付け足しただけのようだ。それで値段が吊り上がるのなら、俺達には不要だと思う。


 「左様ですか…でしたら!この1世代前の神具なんてどうでしょう!これは何と自立型でして、自ら歩行をして周囲を涼めてくれます!」

 「へぇ。おもしれぇな。………っておい、何だこの値段は。」


 そう言われて、俺もその神具の値札を見る。そこには金貨250枚、と書かれていた。ハインセさんは金貨50枚ぐらいと考えていたので単純に5倍もの値段だ。


 「あ〜、少しお高いですよねぇ。ですが!今ならお安く致します!」

 「そうしたらいくらになるんですか?」

 

 期待はせずに俺は尋ねる。


 「何と!金貨249枚と銀貨8枚になります!」

 銀貨10枚で金貨1枚分なので、実質銀貨2枚分しか割引になっていない。何だかかなりお安くなっています、とでも言いたげだが全く安くない。


 「………ヤシキ、別の見んぞ。」

 「ですね。あっ、あれなんてどうですか。丁度金貨50枚くらいですよ。」

 「おっ、いいな。」

 「お、お客様!必要でしたら2世代前の神具も…!」

 「もういらねぇよ。勝手に見てく。」


 ハインセさんの言葉で、店員は諦めたのか俺たちの下から去った。かと思うと、遠くから聞き覚えのある声が響く。


 「お客様!何かお探しですか!成る程。神具ですか!なら、此方オススメの最新神具がございます!何と、音楽を奏でる機能付き!」

 

 あの店員の声だ。


 「…………神具売ってる所の店員って、皆あんな感じなんですか。」

 「あぁ。オメェも一人で来る時は押されんじゃねぇぞ。」

 「頑張ります。」


 こうして店員の猛攻をくぐり抜けた俺達は、無事に神具を買い換えるのだった。とは言っても、取り付けるのは別日になるそうだが。

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