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28.レッツゴー!テーマパーク!

 エリーさんと婚約者さんの勝負が終わった数日後。俺とエリーさんとクロンスさんはテーマパークへ出掛けることになった。唐突かもしれないが、俺もそう思う。

 なんとお騒がせした詫びということで、婚約者さんからチケットを貰ったのだ。突然の出来事だったが、俺達はありがたく受け取ることにした。


 「婚約者さんは行かないの?」

 チケットの話を聞いた時、俺はエリーさんにふと聞いてみた。

 「ヤシキ。アイツは詫びでチケットを渡したのよ?一緒に来たら意味ないじゃない。それに、アイツはいま体鍛えててそんな暇ないわ。」

 「体を?何で?」

 「ふんっ。アタシに負けたのがこたえたようね。まっ、こっちも負けてらんないわ。」

 「おぉ。エリーちゃんもトレーニングするということですね。目指せシックスパック、です!」


 トレーニングという言葉に何やらウキウキのクロンスさん。


 何はともあれ、俺達は休日にテーマパークへ行くことになった。魔法のある世界といっても、発展具合は異様な医療技術や神託の力以外は前世の世界と同様。そのため、テーマパークにあるアトラクションもおおよそ予想のつくものだった。


 「着いたことですし、早速食べ物でも見に行きましょう!」


 クロンスさんはテーマパークにつくなり、いつも通り食事について話し始めた。まぁ、俺とついでにエリーさんも慣れ始めたが。


 「言うと思ったわ…。」

 「俺も…。ねぇ、クロンスさん。お昼ごはんまでとっておこうよ。その方がもっと美味しく食べれると思うよ。」

 「それもそうですね。よし!では遊びますよ!私、こういう所初めてなんです!色んなとこ回りましょうね!」


 今日はクロンスさんが張り切りまくりだ。だが、一友人としてはしゃぐ彼女の姿は微笑ましい。なので、俺も気合を入れて楽しむことにした。


 「俺も初めてだから、エリーさん。先導お願い!」

 「え?えぇ。ちょっと待ちなさい、何で後ろ1列にひっつくのよ!」

 「今日はエリーちゃんがリーダーですからね。案内お願いします!」

 「お願いします!」


 エリーさんの後ろにクロンスさん。そしてその後ろに俺が並んで1列。そんな形で俺達はテーマパーク内を案内してもらうことにした。


 「は、恥ずかしいから、縦1列で並ぶのは辞めなさい!」

 そう言われながら、俺達はアトラクションへ向かうのだった。


 「アトラクションって言ったらまずは絶叫ものね。」

 まず連れてこられたのは何やら高級そうな深紅の椅子が並ぶ場所だ。絶叫もの、というからにはこの椅子が動くアトラクションなのだろう。


 椅子の下には金属製のレールが無く、代わりに子供がクレヨンで描いたようなレールが空中に映し出されていた。俺は途端に不安になる。あんなもので本当に無事に動くのだろうかと。

 しかし、結果的に言えばそれは杞憂だった。驚くほどシームレスに椅子は動き、時に静かに時に激しく、指定されたコースを走る。初めての感覚に興奮を覚えずにはいられなかった。


 空中を飛び回る椅子が止まると、俺達は係員の指示に従って降りる。


 「ん〜!やっぱり絶叫ものは最高ね!2人はどうだった?」


 上機嫌にエリーさんは聞く。


 「楽しかったよ!こんな物があるなんて思わなかった!俺は人生の半分損してたんだね…!クロンスさんは?」

 「わ、私は、目を瞑っていたのでよく分かりませんでした。」

 「そうなの!?勿体ない。」

 「あ、あんなアトラクションに乗るのは修行僧くらいではないですか…。私は、もう、乗りません…。」


 どうやらクロンスさんはお気に召さなかったようだ。見たことがないくらいに険しい顔をしていた。今の彼女ならば、食べ物を理由にしても動くことはないぐらい、断固とした意志を感じる。


 そんな彼女の意志をくんで、エリーさんは次なるアトラクションへと先導してくれるのだった。

 

 

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