表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/80

2.神様に会いました。転生させてくれるらしい!

 「八式(やしき)永遠(とわ)。貴方の命は終わりを迎えました。」

 

 応接室のような所で、露出度の高い女は言った。俺はいつの間にか椅子に座っており、女は机を隔てて俺の前に座っている。


 「は、はぁ。えっと、それで?もしかして転生とかさせてくれるんですか。」


 「近頃の子は物分りが良いですね。その通りです。貴方は生前、目立った善行も悪行もないのでこのまま人間としての転生になりますね。」


 淡々とそう告げられた。悪行は勿論していないが、善行も特にこなしていないらしい。変だな。店に入る時なんかは、次の人のためにドアを開けておいたりしていたんだけど。


 「それは善行ポイント0,5くらいですね。」


 善行ってポイント制なんだ。というか低いな。ちょっと悲しいかも。


 「まぁそれは置いておいて。早速、貴方には来世を送ってもらいます。手続きは事前に済んでいるので即刻この部屋から出て下さい。客は貴方の他にもいるんですから。」

 推定女神は案外ドライだ。いや、仕事が多くて大変なのかもしれない。俺は特に口答えすることなく立って、扉の方へと向かう。


 「貴方が善行を積み、浄土へと行けることを願っています。それでは善き人生を。」


 女神は俺の背後でそんなことを言った。浄土、と言われても正直興味は湧かないのだが。


 あっそうだ。俺は少し気になっていたことを最後に聞く。


 「あの、俺の葬式ってどんな感じですか。」

 「葬儀ですか?執り行われていませんよ。」


 まぁそっか。あの母がするとは思えない。別に学校に通っていたわけでもないし、働き先ではお前の代わりは幾らでもいると言われ続けてきたし。

 そんなものだよな。まぁ。


 「他に質問でも?」

 「いや。それじゃあ行ってきます。」


 そうして俺は扉を開け、来世へと生まれ変わるのだった。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ