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剣神になったけど本当は魔法に憧れてたので魔法使いに転生します  作者: A’s
〜二年生〜

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黒竜の影


【主要人物紹介】

ラウ

 剣神シンから転生した少年。

 魔法学校の二年生。

ナタリー

 ラウの幼馴染。

 一緒に入学するために王都へ来た。

ビスタ

 ユーフィリアスの長女で王女。

 ラウとナタリーの同級生。



とてもいい天気とは裏腹に

ラウの目覚めは決していいとは

言えなかった。


それは明らかに夢のせいであり、

ラウにはただの夢だとは思えなかった。


充実した学園生活を送ってはいるが

黒竜の事は常に心に引っかかっていた。

いくら調べても進展がない。

それが見せた夢かも知れない。



「おはよう!ラウ!」


ナタリーの笑顔はどんな時でも

心を晴らしてくれる。


回復魔法よりも効き目が

あるのではないかと思う。


「どうしたの?浮かない顔して。」


すぐに回復したつもりだったが

幼馴染にはちょっとした心の落ち込みが

バレてしまっていた。


「何か心配事?」


「うんまぁ・・・ちょっと」


「まだあの竜の事が

 気になってるのかな?」


すべてお見通しらしい。


「次に来た時に

 また退治できないのが不安で」


「ちゃんと退治したじゃない!」


撤退させたのだから

普通は退治したと思っても

不思議ではない。


しかし、ラウの中では

グラディウスが揃ってていてなお

止めを刺せなかったのは

敗北に近かった。


「また来るかも知れない状況は

 退治したとは言えないよ」


「確かにそういう捉え方も

 あるかも知れないけど。」


その日は一日、

黒竜の事が小さなトゲの様に

引っかかっていた。


とはいえ学園生活は非常に順調だった。



「ナタリーは今日も神殿で修行?」


授業が終わると、

ビスタがナタリーに言った。


「そうよ!

 今頑張りどころだし!」


「そうなのね・・・

 久しぶりにソレミア亭のベリーパイが

 食べたかったのだけれど。」


とても残念そうな顔をしながら

ビスタは俯いた。


「ごめんね。

 また一緒にいくから。」


申し訳なさそうにナタリーが言う。


「ううん、いいの。

 あ!ラウ、行かない?」


ラウは突然の事にびっくりした。

ビスタがラウだけを誘うのが

珍しかったからだ。


とはいえ、ビスタは

シンの妹の娘であり

一番弟子の娘でもある。


ラウの友達でもあり

シンであったラウにとっては

姪っ子でもあった。


本人は知らないのだが。


今日は父親のユー坊と

剣技を鍛える予定だったが、

一日くらい姪っ子に付き合ってあげても

罰は当たらないだろう。


「いいよ、行こうか」


「ほんとに!!

 行こう行こう!

 ベリーパイ食べたかったんだ!」


たまにはごちそうしてあげるか。


「じゃあラウ、ビスタ、また明日ね!」


「「うん、また明日!」」


「あ!」


言うと、別れようとしたナタリーが

戻ってきた。

ラウに耳打ちする。


「ありがとう、ラウ。」


ラウには一瞬

どういう意味か分からなかったが

代わりに付き合ってくれてありがとう

と受け取っておいた。


「それじゃ!!」


と言うとナタリーは

神殿の方へ行ってしまった。


「私達も行きましょうか!」


「そうだね」


こちらは二人でソレミア亭へ向かう。


「初めてだね、二人で行くの。」


ビスタも気付いているらしい。


今のラウとビスタは同年代の男女だが

ビスタから友達以上の好意を

感じた事は全くない。


もちろんラウは命の恩人であり

いつも一緒にいる友達なので

ビスタは非常に好意的だ。


だがそれだけだ。


だからこそラウも安心して

付き合えるともいえる。


「ベリーパイ、楽しみだわ!」


ラウもここの所

修行で気を張りすぎていたのかも

しれない。


今日は楽しもう、と思った途端

心が少し緩んだ気がした。



だがベリーパイを食べ終え、

ビスタと他愛もない話をしていた時

それは起こった。


慌てた様子のセキトから交信が入った。

セキトとは従属契約をした時から

いつでも交信することが出来た。


『ご主人様!大変だよ!

 あの竜がいるよ!

 ポートグラスの近く!

 ポートグラスに向かってる!!』


『すぐに行く』


『僕もなんとかしておくよ!』


『なんとか持ち堪えてくれ』


『頑張るよ!』


ラウは全身の毛が逆立つ思いだったが

ビスタに不安を与えないように

落ち着いて話した。


「ビスタ、聞いてくれ」


「ん?なぁに!」


「緊急の用事が出来た。

 申し訳ないけど行かなきゃ」


「そう。残念。

 でも分かったわ。」


ビスタは機嫌を損なうでもなく

理由を聞くこともない。

ひとえに育ちのおかげと言えた。

国王も急な用事は日常茶飯事だろう。


「今日はありがとう!

 お詫びにごちそうするよ!」


ラウも姪っ子に

ごちそうする理由が出来て

それはそれで良かったとは思った。

ビスタもそれ以上何も言わない。


「ありがとう。また明日。」


「ええ、また明日。」


支払いを済ませるとすぐさまラウは

校長室の転送陣に飛んだ。

戦力は多い方がいい。


しかしイリスはいなかった。


「くそっ」


探している時間はないだろう。


ラウは次に国王の執務室に飛んだ。


はたしてユーファリアスはそこにいた。


 

今回もお読みいただきありがとうございます。


いいね、ブックマーク、コメント頂けたら嬉しいです。

励みになります。


基本的には土日祝を除く月~金の昼に更新します。

次回もよろしくお願いします。

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