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剣神になったけど本当は魔法に憧れてたので魔法使いに転生します  作者: A’s
〜二年生〜

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グラディウス復活


【主要人物紹介】

ラウ

 剣神シンから転生した少年。

 魔法学校の二年生。

ナタリー

 ラウの幼馴染。

 一緒に入学するために王都へ来た。

ビスタ

 ユーフィリアスの長女で王女。

 ラウとナタリーの同級生。



ラウは信頼していた。


イリスならこの魔法を

解析して解除してくれるはずだ。


しかしイリスでさえ、

知らない魔法は少し時間がかかる。

その間セキトとデュランダルなら

時間を稼いでくれるだろう。


ラウも黙って待っている訳ではない。

自力で解除しようと再度力を込める。

先程から何度か試みてはいるが

やはり動くことは出来ない。


イリスが解除してくれるのを

待つしかないようだ。


長い時が流れる。


戦闘時の数秒は通常時の何分にも感じる。

しかも動けない状況だ。

余計に時間が長く感じた。

長い時間を思考に使う。


動かせる範囲でライスを探す。

視認できる範囲には居なかった。

気配がないのはなぜだ?

恐らく傷付けるつもりがないからだ。

敵意を最小限にして、拘束のみしている。


客席も皆動きを止められている。

そこにはナタリーとビスタの姿も見える。

誰も傷ついているものはいない。

が動けているものもいない。


ラウはナタリーが攻撃された時

反応出来ない状況になっている自分が

許せなかった。

こんな事は二度とあってはならない。



「パァン!」


音と共に身体を拘束している魔法が解けた。

イリスがやってくれたのだ。

何時間にも感じたが数分だったろう。


「時間かかった。

 ごめん。」


その瞬間、拘束前にイリスから

大量のバフをもらっていたラウは

常人が視認できない速さで会場を見て回る。

犯人を捜すためだ。


ライスはどこだ?


競技場を周りながら

剣神の眼をフル活用しても

ライスの姿は見付けられない。

という事はここにはいないという事だ。


ナタリーの横で止まる。


「ナタリー、この場を頼める?」


ライスがいない今、

2つの学校の先生達が集まったここは

比較的安全だろう。

少なくとも西側よりは。


「え?ああ、うん。」


「お願いね」


急に動きを止められ

急に動けるようになった皆は

口々に安堵のため息を漏らす。


しかし流石にユーフィリアス、

イリス、ソフィアの動きは早い。


ユーフィリアスはメディアに

イリスはスカーレットとアラモンドに

それぞれこの場を守る様指示をする。

ソフィアはケガ人の有無を確認し

この場の全員に加護を与えていた。


4人はアイコンタクトを交わすと

イリスの元に集まる。

イリスは呪文を唱えた。




セキトはデュランダルを装着してから

黒竜にいくつか傷を負わせていた。


しかし傷はセキトの方が何倍も多く

そして深い。


マリアが継続して癒してくれているので

なんとか動ける状況だった。

それももはやジリ貧だった。

セキトは満身創痍だ。


とセキトの後ろに4人が現れた。

元勇者PT『グラディウス』の面々だ。


その刹那、黒竜が吹き飛ぶ。

ユーフィリアスの一撃だった。


『待たせたな』

『ご主人さま・・・

 僕がんばったよ・・・』

『よくやった、十分だ』


ラウを見て安心したのか

セキトが崩れ落ちる。

動けていたのが信じられないほど

満身創痍だった。


すぐに緑の光に包まれ

セキトの傷はみるみるふさがっていく。


ラウは自分でも思ってもみなかった程

激怒していた。

己の不甲斐なさとセキトの姿に。


「うおぉぉぉぉ!」


空に向かって雄叫びをあげる。


デュランダルはラウの手元に戻り

剣になった。


「ユー坊!!」


ユーフィリアスが一瞬ラウに目を向ける。

目で会話をすると黒竜の後ろに回り込んだ。

その間にイリスから二人にバフが飛ぶ。

さらにイリスは一瞬で、

黒竜を中心に頑強な金属の壁で

ラウとユーフィリアスごと何重にも取り囲む。


<閃>

転生して初めての全力だ。


<ブレイブスラッシュ>

ユーフィリアスが反対から斬りつける。


弟子と全く同じタイミングで

前後から斬りつける事により、

全ての威力をどこへも逃がさず

相手に乗せるコンビネーション技だ。

しかし威力が非常に高すぎるがゆえに

衝撃波で周りにも被害を与えてしまう。

イリスはそれを壁で阻止したのだ。


狙い通りラウとユーフィリアスの剣が

黒竜を捉える。

イリスの壁は衝撃波を緩和し

街への被害をゼロにとどめた。


ラウは驚いた。

ラウとユー坊の全力の一撃を食らった黒竜が

まだ動いている。


考えられない事だった。

実際前世では魔王四天王のヴァルメを

この技で仕留めている。


その時は塵一つ残らなかった。


イリスの壁が消える。

ユー坊もイリス、ソフィアも

黒竜が原型を留めている事に驚いている。


そして黒竜が癒されていく。

ソフィアが範囲回復をしていたからだ。

これに関してはソフィアの判断ミスではない。


市民や冒険者を中心に怪我人が

広範囲に渡って何人もいた。

間に合わず命が消える可能性を考えると

範囲回復は的確な判断だ。

黒竜が消し飛ばなかった事が落ち度であり

それはラウとユーフィリアスの責任だった。


それにしても堅い。

セキトはこの相手と一対一でよくやったと

セキトを称える気持ちだった。


とはいえ黒竜はボロボロだ。

ユーフィリアスが止めを刺そうと

剣に勇者の光を纏わせる。


すると回復した黒竜が飛び立った。


逃げるのか?


ラウとユーフィリアスは

スラッシュ系の技を飛ばしたが

当たる直前に黒竜は消えた。



戦闘は終わった。

しかしおよそ勝ちとは言えない。

止めも刺せず、ただ撃退しただけだった。


周りを見渡すとかなりの被害だ。


イリスはすでに切り替え

魔法で直せる範囲の

修復作業に入っている。


ソフィアは申し訳なさそうにしていたが

ソフィアに責任はない。

止めを刺し損ねたラウとユーフィリアスの

攻撃が甘かったとしか言いようがない。


「ソフィア、俺たちのせいだ。

 ソフィアのせいではない」


「すまない、ソフィア。」


ソフィアの気を楽にするため

ラウとユーフィリアスは謝罪した。


ソフィアは力なく微笑むと

範囲回復では癒しきれなかった者がいないか

あたりを探し、事後作業に入った。


セキトはまだ目を覚まさなかったが

ソフィアに癒してもらった傷は

全て回復していた。


それでもマリアは泣きながら

まだ癒そうとしている。


「起きて!起きてセキト!!」


「もう大丈夫だ」


ラウは声を掛けると

セキトの身体に気を流し込んだ。


赤竜は起きた。


『ご主人様?』


『大丈夫か?』


『多分・・・』


人型に戻ったセキトを

ジェリコ、ディーノ、マリアが

おしくらまんじゅうの様に抱擁する。


「セキト!お前というやつは!」

「本当にもう!」

「死んじゃうかと思ったよ。」


セキトはラウに向けていった。


「ご主人様、紹介するね。

 これが僕のPTクリオシタスだよ。

 イカしてるでしょ。」


ラウは無言で頷いた。



ユーフィリアスは王の仕事をする。


「皆の者、よく聞け!!

 突然の黒竜の襲来によく耐えた。

 そして赤竜と、多くの冒険者諸君!

 我々が来るまでよく耐えた!

 礼を言う!

 その甲斐あって黒竜の脅威は去った!

 我々の勝ちだ!!!」


「「「「「おおおおおお!」」」」」


市民が呼応する。

本当は勝ちからは程遠いが

これから復旧作業がある市民の

士気を上げるために

落ち込んでいるラウも明るく振舞う。


どこからともなく

セキトを称える声が湧いてきた。

冒険者の中からなのか市民の中からなのか

セキトの頑張る姿が、皆の心を打っていた。

セキトの思いが届いていたのだ。


「セキト!セキト!セキト!!」


セキトコールが街中を包む。

セキトは応えるために前に出ると

もう一度赤竜になり

天に火のブレスを吐いた。


街の皆が驚いて一歩下がった。


乗ってるな。


だが実際セキトが

これだけ頑張ってくれなかったら

街はもっと甚大被害を受けていただろう。


セキトは人に戻ると

歓声に手を振っていた。


今回もお読みいただきありがとうございます。


いいね、ブックマーク、コメント頂けたら嬉しいです。

励みになります。


基本的には土日祝を除く月~金の昼に更新します。

次回もよろしくお願いします。

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