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剣神になったけど本当は魔法に憧れてたので魔法使いに転生します  作者: A’s
〜二年生〜

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剣神降臨


【主要人物紹介】

ラウ

 剣神シンから転生した少年。

 魔法学校の二年生。

ナタリー

 ラウの幼馴染。

 一緒に入学するために王都へ来た。

ビスタ

 ユーフィリアスの長女で王女。

 ラウとナタリーの同級生。

イリス

 シンのPTメンバーの魔法使い。

 現在ユーシリア魔法学校の校長。


時間も昼になったので

昼食休憩に入る。


両校の選手が一同に会し

大広間で料理が振舞われた。


来賓と両校長の姿が見えないので

違う所でもてなされるのだろう。


いつもはクラスごとや寮ごとに

自然に固まっている生徒達も

今日ばかりはバラバラだ。


少し手狭な感じもするが

長いテーブルに置かれている

椅子の間隔をいつもより小さくすると

両校の生徒が座る事が出来た。


ユーシリアは入学試験のない学校なので

何人入学してくるか分からない。

こういう所で工夫しているのだと

ラウは感心した。


相手校シリアスには貴族も多くいる。

上級貴族家の子のなかには

ビスタを知っている生徒もいて

ここでも挨拶に来る。


その中に、先ほどの試合に出ていた

憤慨君、トニトルが挨拶に来た。


「先ほどはありがとうございました。」


「こちらこそ

 ありがとうございました」


憤慨君とは思えないほど

丁寧な挨拶だった。


「ビスタ様、

 お久しぶりでございます。

 御機嫌いかがですか?」


「あら、トニトル殿。

 お久しぶりね。

 私は良好よ、あなたは?」


「残念ながら良好とはいきません。

 負けてしまいましたので。」


「仕方ないわ。

 ユーシリアの方が優秀だもの。」


ビスタのセリフに一瞬顔を歪めたが

結果を見れば言い返せないだろう。


「・・・そうですね。

 今後も一層精進し、国に尽くします。」


「期待しているわ。」


一通りの挨拶を終え、

話は試合の感想になった。


結果で見る程相手校の選手達は

弱くなかった。

まともに鍛えている中では

洗練されている方だろう。


特にこのトニトルと

校長の息子アーテルは

このまま鍛えていけば

騎士団も務まるだろうレベルだ。


そういった事をやんわり伝えると

憤慨君の表情がだんだんと和らぐ。

特にビスタが同意してくれたのは

大きいだろう。


と、ソルを見つけたトニトルが

話しかける。


「ソレイユ、元気そうだな。

 なぜお前は代表じゃないんだ?」


「兄さん。僕はまだ実力不足で。」


憤慨君はソルの兄だったのか。

道理でビスタと顔見知りのはずだ。


「だがお前と同じ学年でも

 二人も代表がいるではないか。」


するとビスタが口を挟む。


「この二人は別格よ。

 試合をしてそんなことも

 わからないの?」


「ビスタ様。

 私はただ・・・」


「ソルは優秀だわ。

 成績も学年でトップクラスよ。

 本当に二人が別格なだけ。」


ビスタに守られてソルの顔が

少し明るくなる。

最近ソルの表情が冴えなかった

理由が分かった気がした。



その後は特に大きな問題もなく

皆思い思いの話をして食事を終えた。


会場に移動する時には

シリアス校の生徒達から

ユーシリアの食事は美味しかった

と話すのが聞こえてきていた。


対抗戦の勝ちを決めた事もあり

ユーリシアの生徒達の鼻が

皆、少しずつ高くなっていた。




会場に着くと

午前中あれだけ晴れていた空が

どんよりと曇っていた。

雲が暗い影を落としている。


出番が終わった選手たちも

控室ではなく観客席に座る。


ラウは忘れていたが

それぞれ校長が、今ここで相方を

指名することになっていたので

とりあえずラウも観客席に座った。


次の試合、ラウは剣で戦う。

思い出し、物陰でデュランダルに

話しかけた。


〔デュランダル、

 剣になっておいてくれ〕


[分かった]


すると杖はシンの愛剣

デュランダルに変わる。


剣士学校の校長が

剣であしらわれた時

どんな顔をするのか見ものだった。



「皆さま準備はよろしいでしょうか。

 第三試合を開始します!」


会場にスカーレット先生の声が響く。

よく通るいい声だ。


「それでは両校の校長の入場です!」


イリスとメディアが入場してきた。

イリスは午前中よりも

機嫌が悪くなっている。

昼食時に何かあったのかも知れない。


先に入場していた審判の

ユーフィリアスとソフィアも

複雑な面持ちだ。

ソフィアが不快感を表情に出すのは珍しい。


「まずはシリアス!

 校長は相方として

 誰を選ぶのでしょうか!」


「私は副校長のトートを選ぶ!」


名前を呼ばれたトートが

客席から降りてきて

手を振りながら挨拶する。

かなり腕がたちそうだ。


「次はユーシリア!

 校長の選択は誰でしょう!」


「ラウ。」


イリスに呼ばれたラウも

会場に飛び降りた。

観客席に一礼すると

客席から驚きの声が舞う。


「えぇぇぇぇぇ!?

 緑から~~~?!」

「てっきりアラモンド先生かと

 思ってた!!」

「大丈夫なのか?!」

「でも代表戦も強かったし・・・」


会場のざわめきをよそに

イリスが言った。


「あいつ本当に許せない。

 食事中もずっと

 ユーフィリアスをバカにしてた。

 本人が我慢してたから

 私もソフィアも耐えた。」


不快感を自由に表せないとは

国王も大変だ。

本人が立場上耐えているなら

大司教も校長も耐えるしかない。


「私は前半何もしない。

 最初はシンだけで。

 剣の腕みせてあげて。」


相手の得意分野で鼻を折れ

という事なのだろう。

もちろんそのつもりだ。


しかも前半とは

イリスも簡単に許す気はないようだ。

相手の副校長には申し訳ないが

運が悪かったと諦めてもらおう。


「分かった」


ラウは剣を構えた。

また会場がざわつく。

今度はシリアス側からも

声が聞こえてきた。


「魔法学校の生徒が剣?!」

「校長と剣で戦うとか

 さすがに無理だろ。」

「ありえないだろ。」


この反応は味方のユーシリアでさえ

同じ感じだった。


だがこの反応ですでに

審判の二人とイリスの機嫌が

少し戻っていた。

皆気付かれないよう笑いを堪えている。


「それでは試合開始!!」


お互いに構える。

ラウは構えから実力を測る。


メディアの実力はなかなかだ。

騎士団長くらいなら

務まるかも知れない。

そこから来る自信か。


そしてトートはというと

もっと腕が立つかもしれない。

もしかしたら剣の腕では

校長を上回っている。


二人ともかなりの実力だ。

とはいえそれは人が鍛錬で

到達するレベルを超えてはいない。

ユー坊の足元にも及ばない。


この程度で俺の愛弟子を

何度もバカにしたというのか?

人を超え、命がけで鍛錬し

魔王を討伐した国王を?


ラウは怒りが込み上げてきた。

イリスの怒りはもっともだ。

それと共に

ラウの中からシンが出てくる。


許さない。


殺意のない敵に

これほどの怒りを覚えるのは

初めての経験だった。


「かかってこい」


剣を下げ手招きして

怒りをあらわにした。


ラウ達は前後に

相手は左右に位置取っていた。


子供に手招きされ癪にさわったのか

二人がラウに斬りかかる。


即座に二人の剣の芯を突き

弾き返す。


「で?」


おそらく今の一撃で

二人の手は痺れているだろう。

剣を落とさないだけでも

二人の腕が伺えた。


二人も会場も驚きに包まれる。


「何をしたんだ?」

「見えたやついるか?」


イリスはいつの間に開発したのか

膝を抱えて座っている。

なかなかの煽りだ。

それほど不快だったのだろう。


ラウは再び手招きする。


「はやくこい」


二人にしか

聞こえない程度の声でいう。


二人は顔を見合わせると

もう一度同時に斬りかかってきた。

今度は二人の剣を巻き込み

弾き飛ばす。


二人が驚きの表情を見せる。


「ひろえ」


さすがに実力差を感じたのか

二人は必死の形相で剣を拾って

またも斬りかかってきた。


今度は観客にも分かるように

剣でパリィする。

パリィとは剣撃を自身の剣で

滑らせるように逸らす技術だ。


これなら攻撃を見切れば良く

速い動きは必要ない。

観客にも動きがみえるだろう。


全ての攻撃をパリィしながら

時折見せる背中の隙に

敢えて尻に軽い峰打ちを

入れていく。


日本古来の説教技、

お尻ペンペンだ。


トート副校長には申し訳ないので

お尻ペンペンはやめておいたが

メディア校長のお尻は

だんだんと赤くなっている事だろう。


完全な峰打なので

審判も止める気配がない。

もしかしたら敢えて

止めてないのかも知れないが。


散々お尻を攻撃した上で

もう一度二人の剣を飛ばす。


「はやくひろえ」


二人は剣を拾うと

メディアがトートに

イリスの方に目配せする。


剣を拾ったメディアが

ラウに斬りかかり、

トートはラウを無視して

イリスに向かっていった。


もちろんラウは止めることも

出来たが、トートの動きを

あえて無視する。

イリスのいう後半戦突入だ。


イリスは座ったまま杖を一振りすると

トートは呪文を食らったというより

見えない何かに押し戻された

という感じでラウの前に帰ってきた。


ラウが散々こらしてめているのを見て

少し怒りが収まったのか

勝負を決めろ、という事なのか

どうぞ、という動きに見えた。


昔からイリスは

シン達だけで解決する戦闘には

あまり参加しない事があった。


最初はそれが原因で

多少揉める事もあったが

だんだんと敵が強くなると

参加率は高まったこともあり

皆、イリスはそういう人、

という事で気にしなくなっていった。


イリスは下らない戦いには

私の魔法がもったいない、

といっていたが

本当は少し違うだろう。


家族に守ってもらう

という瞬間が欲しかったのだ、

と今ならもう少し理解出来る。



それでは終わらせるか、と

思った時だ。


「ラウ!!!」


次の瞬間とんでもない量のバフが

イリスから飛んできた。


こんな相手になぜ?と思ったが

すぐに理解する。

ラウは動きを止められていた。

一体どうなっているのだ?


ラウは気を張り巡らせた。

会場には敵意が感じられない。

だが王都の西側の市街地に

とてつもなく大きい敵意がある。


しかしそんな遠くからの攻撃で

イリスのバフをもらいまくった

ラウの動きを止められるはずがない。

何が起こったのか理解出来ない。


見ると相手の二人も

審判の二人も動きを止められている。

かろうじて動く首を回すと

イリスもどうやら動けない様子だ。


怒りで注意を怠ったのか

戦闘中に色々考えて

注意散漫になっていたのか。

反省は出てくるが今は状況把握が先決だ。


ラウは状況を把握するために

思考と感覚を研ぎ澄ませた。


今回もお読みいただきありがとうございます。


いいね、ブックマーク、コメント頂けたら嬉しいです。

励みになります。


基本的には土日祝を除く月~金の昼に更新します。

次回もよろしくお願いします。

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