影
【主要人物紹介】
ラウ
剣神シンから転生した少年。
魔法学校の二年生。
ナタリー
ラウの幼馴染。
一緒に入学するために王都へ来た。
ビスタ
ユーフィリアスの長女で王女。
ラウとナタリーの同級生。
ラウはまずはどう戦うか
様子を見る。
相手も味方もだ。
先ほど憤慨していた剣士と
アーテルが二人共
試合開始と同時に動く。
彼らが前衛らしい。
良い判断だ。
物理対魔法の戦いは
魔法側に準備させない事が
セオリーだ。
バフ祭りになるからだ。
防御魔法を唱えようとしていた
フレールとベネジクトの前衛は
機先を制された格好だ。
まさに今シリアスの二人が
切りかかろうとするところで
フレールとベネジクト、
前衛の二人を炎の衣が包み込んだ。
ナタリーのフェニックスだ。
しかしフェニックスが
ダメージを肩代わりすることは
なかった。
前衛の二人は剣撃を躱す。
だが相手の二人は
そのまま前衛を突破し
後ろのラウ達を目掛けて
襲い掛かってきた。
剣の側は当然距離を詰める。
相手の残りの3人も
波状攻撃を仕掛けてくる。
恐らく混戦にして
一対一を作り出そうという
作戦なのだろう。
二人に突破されまいと反応した
フレールとベネジクトに
次の相手が襲いかかり
対応ぜざる負えない。
ラウはここが出番か、
と思った矢先だった。
「シャドウ。」
ほぼ真ん中にいたライスが
呪文を唱えると、ライスの
影がだんだん大きくなった。
そしてその影を踏んだ
相手の前衛の二人の動きが止まる。
最初は足が止まっただけだったが
影が蛇の様に身体をつたってくると
絡まれたところの動きも止まる。
「ぐぅ・・・なんだこれは?!」
相手の前衛は
動きを止められてしまった。
こちらの前衛はというと
2対3の状況でやや押されている。
動きが止まった二人を
早々に片付けて援護しなければ。
「アイスランス!」
ナタリーの氷魔法が槍の形になり
動きが止まった相手の前衛を貫く
と見えたが、ユーフィリアスの
魔法障壁に阻まれ
相手の身体は貫かれていない。
しかし大げさに吹っ飛んでいった。
ライスの魔法、
恐らくオリジナル魔法のおかげで
相手の前衛二人を楽に倒すことが出来た。
「トニトル、アーテル、離脱!」
審判が宣言する。
憤慨君はトニトルというのか。
そして前衛を見る。
ナタリーがかけた
防御魔法のフェニックスが
消えかかっていた。
何撃か食らっているからだ。
ラウは先輩を立てるために
その場から攻撃することにする。
「チョップフェイス!」
相手の顔を狙った風魔法を唱える。
範囲が大きい魔法だと
味方に当たる危険があるからだ。
少し当たりはしたが
相手を戦闘不能にするほどではない。
遠いのと動き回られているのとで
正確に狙うのが難しかった。
その間もライスは
シャドウの影を伸ばしていた。
伸びる速さは丁度水が拡がる程度だが
着実に大きくなっている。
「マジックミサイル!」
ラウは魔法で作った三本の矢を飛ばす。
この魔法は打った後も魔力で操作でき、
敵を追いかけることが出来る。
敵もなかなかで
味方の影に隠れながら戦っている。
なんとか敵に当てはしたが
これも致命傷にはなっていない。
ナタリーは攻撃を食らって
小さくなったフェニックスを
重ね掛けで修復している。
ナタリーも
先輩を立てることにしたようだ。
そしてついにライスの魔法の影が
相手に到達する。
だんだんと相手に絡みつき
自由を奪っていく。
しかし伸ばした影は
味方の前衛の足をも止めていた。
フレールとベネジクトは
一瞬うろたえる素振りを見せたが
足より上は自由に動けることが分かり
動きが止まった相手に呪文を飛ばす。
「ファイヤーボール!!」
フレールが目の前の相手に
至近距離で火球を食らわす。
またも相手は大げさに吹き飛ぶ。
「ウインドカッター!!」
ベネジクトも負けじと
対峙している相手を
風の刃で攻撃した。
こちらは障壁に阻まれはしたが
致命傷は与えているようだ。
「フォンス、ミェーチ、離脱!」
最後の一人になった女性剣士には
ライスがとどめを刺す。
絡まった影を集中し
魔法の障壁を砕いた。
勢い余ってか
相手の剣士は
腕があらぬ方向に曲がっている。
明らかに骨折していた。
その瞬間、緑がかった魔力が
相手を包んだ。
ソフィアの癒しだ。
審判の国王は瞬歩でライスに近付き
止めようとしたが、
影を踏んだ途端動けなくなった。
「ライス!!
もうよい!!
やめよ!!」
王の言葉を受けて
ライスはシャドウを解除する。
「マーシャ離脱!
よってユーシリアの勝利!!」
試合後の整列をする頃には
相手の女性剣士、マーシャの腕は
完治していた。
さすがソフィアだ。
「お互いに礼!
ユーシリア勝利!」
礼をしてそでに帰る。
勝利を決めたユーシリアの
応援席は拍手喝采に湧いていた。
しかし・・・
明らかにこの試合の立役者は
ライスだった。
だがラウは一抹の不安を覚えた。
「さすがだね!ふたりとも!!」
ビスタが褒めちぎる。
一番の功労者はライスだったが
ナタリーの援護も良かった。
「本当はラウにかけるために
開発したんだけどね!」
「ふぅ~ん。
だそうですよ、ラウ。」
最近ビスタはこのノリで
ラウを攻撃してくる。
「ありがたいよ」
なんとか言葉にする。
正直何と答えていいのか
分からなかった。
皆が祝福ムードに湧く中
ラウはイリスと顔を見合わせた。
次が本番だ。
正直生徒達を見る限り
負ける要素は全くない。
どの生徒もよく鍛えてはあるが
まだまだ誰でも鍛えれば
到達出来るレベルだ。
人外のシンやイリスと
戦えるとは思えない。
ただ今迄の戦いの様に
すぐに勝っては悔しがるだけで
反省しないだろう。
人を反省させるためには
一瞬で結果を出しては意味がない。
時間をかける必要がある。
相手の校長、メディア・ブラックには
自分の発言をしっかり反省してもらう
必要があった。
今回もお読みいただきありがとうございます。
今日は遅くなってしまい
申し訳ありませんでした。
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