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剣神になったけど本当は魔法に憧れてたので魔法使いに転生します  作者: A’s
〜二年生〜

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魔法対剣 開幕


【主要人物紹介】

ラウ

 剣神シンから転生した少年。

 魔法学校の二年生。

ナタリー

 ラウの幼馴染。

 一緒に入学するために王都へ来た。

ビスタ

 ユーフィリアスの長女で王女。

 ラウとナタリーの同級生。


いよいよジグロス杯の日がやってきた。


ナタリーは朝から少し緊張している。

ラウは相手の校長への怒りが落ち着いて

どう料理してやろうか考えていた。



生徒達はホールで朝食を取った後

競技場に集まった。


予選でも使われたこの競技場は

スタジアムの様になっていて

広めの観客席があり、正面には来賓席もある。


今日はそこに国王と王妃が来ていた。

「ジグロス杯」とするからには

国王も観戦するのだろう。


そしてその隣にはソフィアも来ていた。

大司教なので国のイベントには

来てもおかしくはない。

もしかしたら、救護要員として

不慮の事故にそなえているのかもしれない。


そして観客席にも少なくない大人の姿がある。

おそらくどちらかの学生の親たちだろう。


そして相手の選手団の中に

ひときわ目立っている男がいる。


丸く上にカールした髭、

波打つブラウンの髪、

筋肉によって均整のとれた体躯。


周りの様子を見ると一番偉いようだ。


ラウの視線に気付いたイリスが

耳打ちしてきた。


「あれが相手の校長、

 メディア・ブラック。

 ()()の相手。」


確かに周りの剣士たちよりも

強そうではある。


しかし気はたいしたことないものだ。


もっとも、ある程度の強者なら

気のコントロールは当たり前だ。


常時解放していたら

ある程度気を読める者からは

危険人物扱いされてしまう。


校長になるくらいだ、

それくらいは出来るのだろう。


「それでは選手団の入場です!」


スカーレット先生の声が響く。


どうやらホストである

ユーシリアの先生達で進行するらしい。


校長イリス、メディアを先頭に

ユーシリアとシリアスの

選手たちが入場する。


会場からは歓声があがった。

選手が整列したのを見計らい

スカーレットが言う。


「来賓のご紹介です。

 本日はお忙しい中、

 国王、王妃がいらしてくれています!」


ユーフィリアスとティアが立って

皆に向かって手を振る。


「そして万一の事態に備え

 大司教様も来てくれました!」


ソフィアも起立して手を振る。


挨拶が終わるとティアとソフィアは

王に一礼して着座する。


「それでは開会の宣言を

 国王ユーフィリアス様より

 いただきます!」


一呼吸おいて国王が宣言する。


「ただいまよりユーシリア対シリアスの

 対抗試合、ジグロス杯を開催する!

 両校の健闘を祈る!」


会場は盛り上がる。

特に平民出身者やその親は

国王を初めて見る人々も多いだろう。


「第一試合を開始します!

 両校の代表のみ残って

 あとの選手は控室に。」


こちらの初戦の代表のフレールを残し

控室に促される。


控室の窓は競技場側を向いており

控室から試合を観戦することも出来る。


しかしどうしても格子が邪魔で

見にくいため、しっかり観戦したい者は

そでに集まっていた。


「それでは第一試合代表を発表します!

 ユーシリア代表!

 フレール・マッシュ!!」


ユーシリア側の応援席から

ものすごい歓声が沸き上がる。


「対するはシリアス代表!

 フォンス・パリアティーフ!」


今度はシリアス側が盛り上がる。

応援合戦も白熱してきている。


主審のアラモンド先生が

前に出てきて言う。


「両者、礼!」


お互いの選手が礼をする。

そしてアラモンドが両者に

保護呪文をかける。


「はじめ!!!」


アラモンドの掛け声とともに

お互いが動く。


「ハァ!!」


フォンスが構えもそこそこに

切り付けてきた。


フレールはそれを躱すと

距離を取り呪文を詠唱する。


「ディフェンド!」

「ファイヤーボール!」


さすがの金マント最強のフレール、

フォンスが振り向くまでに

二つの呪文を詠唱する。


フォンスは飛んできた火球を

慌てて切り付ける。


斬るのには成功したが

割れた火球の炎が

フォンスの腕に赤いあとを残す。


かなりの保護呪文のはずだが

フレールの呪文はそれを

貫通した。


「フロストスピア!」


腕のダメージで一瞬怯んだフォンスを

氷の槍が襲い掛かる。

フォンスの四方の地面から生える様に

四つの氷の槍がフォンスに向かって伸びる。


フォンスが串刺しになるか、

というタイミングで氷の槍が砕ける。


アラモンドがディスペルしたらしい。


この魔法は相手の魔法の結果を

魔力の流れを変えることで

解除する魔法だ。


優秀な魔法使いが集まるユーシリアでも

校長のイリスとアラモンド先生しか

使う事が出来ない高度な魔法だ。


対戦相手に致命傷を与える前に

アラモンドがディスペルするのが

戦闘術の授業での対戦だ。


もちろんディスペルされたら

当たる直前だった対戦相手の負けだ。


「それまで!!

 勝者!フレール!!」


勝負は一瞬だった。

エースのフレールがまず一勝を取る。

ユーリシア応援団から

大歓声が巻き起こった。


「ちょっとまて!!」


声の主はシリアスの校長ブラックだ。


「今の魔法は当たっていない!

 当たる前にうちのフォンスが

 砕いている!

 なぜ負けなのだ?」


もっともらしいクレームをつける。


確かに当たる前に氷の槍は砕けた。

アラモンドは無詠唱で解除しているので

知らない者の目には

フォンスが砕いたように見えなくもない。


しかし、ユーシリアの生徒達から見れば

アラモンドが解除したのは明らかだ。

一瞬遅れていれば防御魔法を貫き

悪くするとフォンスの命の危険もあった。


「そうだろう、フォンス。」


「はい、私が砕きました。

 反撃も出来たはずです。」


公正に裁いたアラモンドが

あらぬ文句を付けられて

戸惑い、両校長を交互に見る。


「しかし、今のは止めなければ

 フォンスはかなり危険でした。」


アラモンドがメディア校長に反論する。


「そんなわけはない!

 第一、氷は実際砕けているではないか!」


それはそうだ。

アラモンドが砕いたのだから。


「何を言っているのかしら。

 完全にフレール先輩の勝ちなのに。」


ラウの隣でナタリーも憤慨している。


メディア校長の的外れなクレームに

相手シリアスの応援席も盛り上がる。


「そうだそうだ!

 インチキ裁定だ!!」


規律と公正を重んじる

騎士学園ではないのか?


ラウは腹が立ってきた。


そこへ皆の声を切り裂くように

大きな声が響いた。


「よろしい!

 それでは私が判定しよう!」


声の主は国王ユーフィリアスだった。

突然の王の発言に

会場は静まり返った。


皆の注目を集めながら、ユーフィリアスは

20メートルはあろうかという来賓席から

軽々飛び降りるとアラモンドの横に立つ。


「私が見る限り」


会場を見回しながらゆったりと話す。


「今の氷は審判のアラモンド先生の

 解除魔法で砕けた。」


観客席がざわつく。


「フォンスよ。

 騎士学園の生徒たるもの、

 私の前で嘘は付かないな。」


「はい、陛下。」


フォンスが恐縮しながら答える。


「正直に言うがよい。

 あの氷はお前が砕いたのか?」


「いいえ、陛下。

 校長が言うのでそうかもしれないと

 思っただけです。

 私には砕いた自覚はありません。」


ユーフィリアスは頷く。


「メディア校長!

 生徒もこう言っているし

 私から見えたものは伝えた通りだ。」


しっかりメディアを見つめる。

メディアは心なしかおろおろしている。


「よって判定通り、

 フレールの勝ちとする!

 メディア校長、よろしいか?!」


「は、はい。」


国王にこうもはっきり言われたら

国立騎士学園の校長だ、

さすがにこの場では逆らえない。


「それではアラモンド先生、

 勝ち名乗りを。」


「え、ええ。

 勝者フレール・マッシュ!!」


ユーシリアの応援席のみならず

会場全体から

われんばかりの拍手喝采が飛び交う。


フレールな勝ち名乗りを受け

ユーシリアの控室側に歩いてくる。

皆とハイタッチをして喜びを分かつ。


会場が落ち着くとまだ会場にいる王が

もう一度発言した。


「そして!!!

 ユーシリアの先生方が

 審判をすることに少なからず

 不満を持つ者もいるようだ。

 公平ではないのでは、と。」


シリアス側には遠慮がちに

頷くものもいた。


「よってここからは

 私が裁くことにする!」


これには会場中から

大歓声があがる。


「先に言っておく。

 私の勇者の光で保護魔法をかける。

 しかし保護魔法は無敵ではない。

 そして余りのダメージが予測される場合

 私がガードに入る。

 保護魔法が切れるか、

 私に守られた側の負けとする。

 皆の者、よろしいか?!」


「おおおおおおおおお!!!」


同意の大歓声が沸き上がる。

これには少なからず

王の姿をみれること、

王の力の片鱗をみれることも

含まれているだろう。


「それでは選手紹介は今まで通り

 スカーレット先生にお任せする。」


そして歓声にかき消されるよう

アラモンド先生に小声で言った。


「公平で素晴らしい判断でしたよ。」


そういいながらウインクする。


その一言でアラモンドの顔は明るくなり

皆に礼をして会場を降りた。


ラウは弟子の見事な収め方を誇りに思った。

国王になるとやはり器が大きくなるらしい。

立場が人を創るとはよくいったものだ。



会場にスカーレット先生の声が響く。


「それでは第二試合を開始します!

 ユーシリア代表!

 ナタリー・フォレ!」


「待ってました!!

 うちの天才児!!!」

「緑マントなのに代表になった

 スーパー二年生!!!」


ユーシリア側から声援が飛ぶ。


「そして!

 シリアス代表!

 アーテル・ブラック!!」


ブラック?

どこかで聞いた覚えがあった。


「よ!校長の秘蔵っ子!」 

「息子の意地を見せろ!!!」


ブラックという苗字に

聞き覚えがあったのは

さっきイリスに校長と名前で

聞いたからだった。


()()校長の息子なのか。

ラウは嫌な予感がした。


「ラウ!

 行ってくるね!!」


「うん。

 あの校長の息子らしい。

 気を付けてね」


「任せて。

 相手が誰だろうと関係ない。」


ナタリーが意志を固めた時の

強い目でラウを見る。


「しっかり見てて。」


「分かった」


ラウと言葉を交わしたあと

一瞬笑顔になる。


次の瞬間、またあの強い目に

戻っていた。


対戦する二人が入場する。


「それでは試合開始!!」


審判であるユーフィリアス国王の声が

会場に響いた。



今回もお読みいただきありがとうございます。


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基本的には土日祝を除く月~金の昼に更新します。

次回もよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
ナタリーちゃん、無事に試合終わればいいけど・・・ブラック君がねえ~~(;^ω^)
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