代表争い
【主要人物紹介】
ラウ
剣神シンから転生した少年。
魔法学校の二年生。
ナタリー
ラウの幼馴染。
一緒に入学するために王都へ来た。
ビスタ
ユーフィリアスの長女で王女。
ラウとナタリーの同級生。
スカーレット副校長が言った。
「それでは交流戦のメンバー募集を始めます!
我こそはと思う者は前に出てきて下さい!」
ナタリーにはラウが立候補することは
言ってある。
「いこう、ラウ。」
ラウとナタリーは立候補するために
壇上に上がった。
他にも数名、壇上に上がってきたが
流石に四年生以下はラウ達だけだった。
大方の予想は当たっていた。
金マントからはフレール、ベネジクト、
銀マントからはレダ兄弟、サマー。
皆が意外だったのは紫から
ライスが立候補した事だ。
こうして壇上で並んでみると
緑マントのラウ達は
ひときわ小さく見える。
しかし二人の実力を知っている
緑マントの皆は
声援を送ってくれている。
「それでは締め切りますが
よろしいですか?」
スカーレット先生の声が響く。
魔法で拡張しているのだろう。
「ではここにいる8人から
5人を選ぶ予選を行います。」
壇上に向き直って言う。
拡張はされていない。
「皆今から予選会です。
準備はいいですね?」
壇上の8人は一様に頷いた。
まずはこの予選を
勝ち抜かねばならない。
ラウには不安があった。
ナタリーと違い、
上級生の教科書を
すべて読んでいるわけではないので、
上級生がどんな魔法を使ってくるか
想像出来なかった。
魔法のみの腕ではナタリーにも及ばない。
だからと言って負ける訳がなかった。
身体の成長と魔法を学んだことで
魔力操作が前世より上手くなっている。
ラウはシンの全盛期の
半分ほどの力まで成長していたからだ。
もし、だがラウが負けるとしたら
イリスかユーフィリアスだろう。
その家族と言ってくれたイリスと
ユーフィリアスをバカにした
相手の校長にラウはまだ怒っていた。
「ラウ、どうしたの?」
怒りの表情が出てしまっていたのか
ナタリーが不安げに声を掛けてきた。
「ラウなら負けないでしょ。」
そうなのだ。
ラウの不安はナタリーと
敵になる事だった。
この世でもう一人、
ラウが勝てない人を挙げるとしたら
ナタリーなのだ。
ラウは自分がナタリーを
攻撃している姿も負かしている姿も
想像できなかった。
ここはイリスが忖度してくれる事に
期待するしかなかった。
「本番の競技はまだ発表できませんが
今日の予選は対戦形式で行います。
勝ち負けだけではなく
魔法能力と応用力で先生たちが
判断しますのでそのつもりで。」
とはいえ、勝ち負けは重要だろう。
どうやって工夫して勝つか、
が重要なのは間違いない。
「組み合わせはこちらで決めます。
ここの控室で
しばらく待っていなさい。」
先生たちの相談で決めるらしい。
ラウは安心した。
イリスがそこに入っているなら
ラウとナタリーを
当てることはないだろう。
待っている間に控室を見回す。
フレールとベネジクトの距離感は
異常だった。
もしかしたら
付き合っているのかもしれない。
まぁラウとナタリーも
傍から見たら同じだろう。
しばらく待つと、
スカーレット先生のが入ってきた。
「それでは第一試合を始めます。
ベネジクト、ライス、会場へ。」
この対戦はベネジクトだろう。
「観たい選手は
そでから見ても構いません。」
先生がそう言うのでナタリーと
共に観戦することにした。
開始早々、ベネジクトが
先制攻撃を仕掛ける。
「ファイヤーサークル!」
炎の壁に取り囲まれたライスは
アイスで応戦する。
そして魔法の応酬が始まった。
ライスも紫マントにしては
よくやっていると言えた。
最後にベネジクトの
ブリザードランスで
試合は終了した。
会場は3学年も違う
ライスの健闘をたたえて拍手喝采だ。
「ベネジクト相手によくやったぞ!」
「仕方ない、相手は金の主席だ!」
「ナイス試合だったぞ!」
実際ライスはよくやっていた。
もしかしたら敢えて主席を当てて
力を試したのかもしれない。
「次!
フレールとサマー!」
二人が呼ばれて会場に入った。
という事は双子のどちらかが
ラウの相手という事だ。
試合はフレールの圧勝だった。
戦闘においては学校一というのも
頷ける内容だった。
相手のサマーも悪くなかったが
いかんせん相手が悪すぎた。
あまりいい所を見せる事は
出来なかったので
選考からは遠ざかったように見える。
「次!
今回は2:2で行います!
レダ兄弟とフォーレ村組!」
「よっしゃあ!
二人組んでいいなら
俺たちが負ける訳ないぜ!」
レダ兄弟が異口同音にいう。
まるで同時に話しているようだ。
確かにいいコンビだった。
ラウとナタリーは
初めての呼ばれ方に
顔を見合わせる。
「ぷっ。
私達フォーレ村組ですって。」
「ね。
でもたしかにそうだ」
今ので少し怒りも収まり
落ち着いた。
「タッグマッチね。
私達のコンビネーションを
見せてあげましょう!」
「相手は双子だから
コンビネーションは
負けちゃうかもよ」
「まさか!」
何をいっているの?という顔で
ナタリーが言う。
「私がどれだけずっと
ラウを見てるか
知らない訳じゃないよね?」
ラウは急な被弾に驚く。
「そ、そうなんだ」
実は僕も同じだよ、とは
口に出さなかった。
今回もお読みいただきありがとうございます。
いいね、ブックマーク、コメント頂けたら嬉しいです。
励みになります。
基本的には土日祝を除く月~金の昼に更新します。
次回もよろしくお願いします。




