暗躍
今回から新たな章の開幕です。
もし待っていてくれた方がいたら、
遅くなってごめんなさい。
「メフィストがやられましたね。」
「なに?
話が違うではないか!
どうしてくれるんだ!!」
小太りの男が言った。
先が丸まった口ひげを携え、
赤いコートの裾は丸く、
モーニングの様に真ん中で分かれている。
袖には機能的には意味のない
大げさなボタンが輝き、
下に来たシャツの襟はひらひらと
トラウザーズのようなズボンまで続いている。
いかにも貴族、といった格好だ。
「まぁ問題ないでしょう。
それからーーー」
相手は赤い瞳を怪しげに光らせながら
もったいぶって言った。
「私はあなたと
契約をしているわけではありません。
面白そうだから協力しているに
すぎない事をお忘れなきよう。」
細長く冷たい瞳を向けて言い放つ。
「気分を損ねない方がお互いのためですよ。」
「それならば!」
小太りの男が言う。
「私と契約しようではないか!」
「ほう。
確かにあなたの契約は反故になりましたから
今なら私と契約できますね。
何を差し出してくれるのですか?」
「次男の命でどうだ?」
貴族は長男を大切にする。
家を継がせるという大事な仕事がある。
だからこそ、下の子供たちを
ないがしろにする貴族は少なくない。
「ほう。
あくまで他人の命を差し出すのですね。
あなたのその姿勢気に入りました。
ですが少し足りませんね。」
「ぐ・・・」
男は少し考えた。
元々男には4男2女と6人の子供がいた。
いた、というのは三男はすでにメフィストに
捧げていてこの世にはもういない。
四男は優秀で今後長男を支えてくれるだろう。
娘ーーー男は考える。
男にとって娘は政略結婚の道具だ。
多くの貴族と同じ様に、貴族同士が
繋がるのは大きな意味がある。
次男より使い勝手がいいのだ。
「それでは次女もつける。
それでどうだ?」
「私欲のために子どもを二人も捧げるとは
本当にあなたはいいですね。
それでは契約してあげましょう。
望みをいってごらんなさい。」
「ユーフィリアス王朝の転覆させ
私をジグロスの王にしてくれ。」
「いいでしょう。
ドリジャ・ゾエ。
あなたの望みはこの
サマエルが叶えましょう。」
赤い瞳が心なしか嬉しそうに光る。
「それでは贄を捧げて下さい。」
その夜、ドリジャ公は
悪魔と契約するために、
二人の子供を失った。
今回もお読みいただきありがとうございます。
遅くなってしまって申し訳ありませんでした。
話の流れを考えるのに
予定より時間がかかってしまいました。
その分楽しめる作品にしていきますので
今後ともよろしくお願いいたします。
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次回もよろしくお願いします。




