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剣神になったけど本当は魔法に憧れてたので魔法使いに転生します  作者: A’s
〜魔法学校一年生〜

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21/68

ラスティーネイル

【主要人物紹介】

ラウ

 剣神シンから転生した少年。

ソフィア

 シンのPTメンバー。大司祭。

ティア

 シンの妹で王妃。

オクタヴィア公

 オクト公と略される。オクタヴィアの領主。

セルマ

 シンの弟でティアの兄。


一行を屋敷の客間に招き入れ

オクタヴィア公が口を開いた。


「それでは報告を聞こうか。」


「その前によろしいでしょうか

 オクタヴィア公。」


ソフィアが口を挟む。

話を遮られてもオクト公は

不快な様子を一切見せない。

相手が聖女だという事もあるが

人格者である事がにじみ出ていた。


「どうぞ、聖女様。」


「ありがとうございます。

 本日ご助力出来たのは、偶然なのです。

 実は折り入ってお話があって来ました。」


ソフィアが続ける。


「あまりに突飛な話なので

 すぐには信じられないかもしれません。

 王妃殿と一緒に来たのも

 少しでも信用してもらうためです。」


「私は女神に仕える聖女様に

 全幅の信頼を置いています。

 娘が居なくとも疑う事などございません。」


「光栄です、オクタヴィア公。

 貴殿の信頼を疑うわけではありませんが

 念には念を入れるべき事案なのです。」


「分かりました。

 心してお伺い致します。」


オクト公はさすがの対応を見せた。

ソフィアが目でティアを促す。


「父上、兄上、お久しぶりでございます。

 母上もご一緒に聞いていただきたいのですが

 よろしいでしょうか?」


オクト公は頷き、

セルマに母を呼ぶよう指示した。


セルマが母のメリットを

呼びに行っている間、

客間は言い知れぬ緊張感に包まれていた。


セルマとメリットが入ってくる。


「お呼びでしょうか?

 まあ!ティア!」


「こちらに来て座りなさい。

 ティアから話があるそうだ。」


セルマとメリットが座るのを待って

ティアが話し始めた。


「お久しぶりです、母上。

 皆様お変わりなく嬉しい限りです。

 

 今日はお話があって来ましたが

 街に着くとオクトが襲われていました。


 敵は500は居たでしょう。

 その敵をこのラウという少年が

 オクトを救うために殲滅しました。

 10分足らずでです。


 これはセルマ兄さまも見ましたね?」


紹介されラウは恭しくお辞儀をした。


「見ました。

 全くもって相違ありません。」


オクトもメリットも顔を見合わせて

驚いている。


「そして私達はそんなとんでもない事が

 出来る人を知っています。

 セルマ兄さまも、ですよね?」


セルマは迷いながら

答えていいのか迷っている。

オクト公に無言で促されて口を開く。


「私の拙い知識の中では

 そのような人物は一人だけです。

 自分でも信じられない事ですが

 そう考えれば納得出来ることもあります。

 シン兄様・・・です。」


「そうです。

 この少年の名前はラウディース。

 しかし同時に我々の家族シン兄様です。」


黙ってティアの話を聞いていたオクト公が

口を開いた。


「まさか・・・そんな事・・・

 本当に、シンなのか?」


「父上、なぜか彼は

 私を知っているようでした。

 そして私や兵に的確に指示を出しながら

 戦っていました。

 そして敵をほとんど一人で倒したのです。


 そんな事を出来る人が

 他にいるでしょうか。」


実際に目撃したセルマが

納得したように後押しする。


「しかし・・・まさか・・・」

「そんなことが・・・」


両親がつぶやく。

ラウが片膝をついて

もったいぶって言った。


「父上、母上。

 あなた方の息子、シンでございます。


 再びお目にかかる事が出来

 恐悦至極に存じます。


 あの日養子にして下さった御恩、

 生まれ変わった今も

 ひと時たりとも忘れた事はありません。


 お別れもせぬまま、先立った事

 誠に不覚の致す限り。

 大変申し訳ございませんでした。


 お育て頂いた大恩、

 魔王を倒すことで

 多少なりとも返せたと存じますが

 今後もなんなりと、

 なんでもお気軽にお申し付け下さい。


 今の私、ラウディースには父も母もおり

 前世と全く同じとはいきませぬが

 オクタヴィア公爵、

 メリット公爵夫人の事は

 魂の両親と思い、命ある限り

 御恩をお返ししたいと思っております。


 魔王を倒した故、再度女神から賜った命、

 再びお目にかかれた喜びと共に

 今後も父上、母上の息子としての

 名誉を汚さぬよう、努めて参ります。」


ラウの心からの言葉を

黙って聞いていた両親は

驚きを隠せない様子だった。


しかし段々と納得しながら

腑に落ちた頃には2人共泣いていた。

セルマもティアも泣いている。


「本当にシンなのだな。

 よくぞ戻った。

 我が愛しの息子よ。」


オクタヴィア公はそれだけ絞り出すと

再び嗚咽する。

メリットは言葉も出せないようだ。


ラウは黙って近付くと

二人の肩に手を置く。


両親も立ち上がり、頷きながら

ラウを力強く抱きしめてくれた。


「シン・・・よくぞ・・・」


ラウディースの心に刺さった大きな棘が

抜けていくのを感じた。




その日の夜は、聖女を交えて

本当に久しぶりに一家団欒を楽しんだ。


色々な話をした。


ナタリーの話題になると、

オクタヴィア公は

その子と結婚するなら絶対仲人になる、

他の人には譲らない、と

酔っているのか何度も何度も言った。

そしてそのたびに

まだまだ気が早い、と

メリットにたしなめられていた。


祝宴の席は笑い声が絶えなかった。


こんな平和な話題が出来る世界の為に

シンは散ったのだと誇らしかった。



宴も酣となり、オクト公は

急に真面目な顔になりラウに言った。


「ラウ・・・少年よ

 息子よ、と呼んでも差し支えないか?」


「もちろんです。

 私はいつでもあなたの息子です、父上」


「それでは息子よ、今日は本当に助かった。

 あまりの事に失念していたが、

 後ほど褒美をとらせよう。」


「いえ、前世の御恩に対しては

 あまりに些末な事です。

 領主の息子として当然の事をしたまでと

 受け取ってくださいませ。」


「しかしそれでは聖女殿にも

 申し訳が立たん。」


「私は大司教です。

 国内の平和に少しでも役立つのが仕事。

 報酬をもらう立場にございませんよ。」


「父上、どうか些細な恩返しと

 甘えさせてください」


オクト公はそれ以上言うほど

野暮ではなかった。


「それではこちらこそ甘えさせてもらおう。

 しかし、最近困っている事がある。

 愛息に頼ってもよいか?」


「はい、なんなりと」


「シンの力は戻っておるのか?」


「全盛期の3割ほどですが・・・」


「あれで3割!

 さすが剣神!!

 さすがお兄様です!」


セルマが思わず口を挟む。


「そうか3割ほどか・・・」


「ご安心下さい。

 それでも十分戦えます」


オクト公は安心したように頷く。


「我が国とガルバン帝国の国境に

 魔の森があるのは知っておろう。

 あそこでどうやら魔物の大軍が

 集結しているらしいのだ。

 魔族を見たというものさえいる。

 もし時間があるなら

 調査してくれまいか?」


「承知しました、父上」


今はセキトもソフィアもいる。


「ソフィア、付き合ってもらえるか?」


「もちろんです。

 私にいい考えがあります。」


そういうとソフィアは

いたずらっぽく微笑んだ。


今回もお読みいただきありがとうございます。


いいね、ブックマーク、コメント頂けたら嬉しいです。

励みになります。


基本的には土日を除く月~金の昼に更新します。

次回もよろしくお願いします。

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