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プロローグ

 この日はアルバード王国の国民にとって、決して忘れられない日となった。


 統治においても優秀で、国民から愛されていたクレア妃が、なんと20代の若さでこの世を去ってしまった……


 あまりにも早すぎる別れに国民達は悲しみにくれ、夫である第一王子のマルクスは心を病んでしまった。


 葬式の会場には多くの人々が集まって別れを惜しんでいた。その中に大商人のイアンやバトラ将軍の姿もあった。


 少し離れた所には隣国の国王グレイオスがいて、誰にもバレないように笑みを浮かべる。その隣にいる顔色の悪い不健康そうな男は、退屈そうにあくびをしていた。


 鉛色の雲からまるで涙を流す様に冷たい雨が王国に降り注ぐ。悲しみに暮れる者、喜んでいる者、標的を殺し終えて退屈にしている者、様々な感情が入り乱れる中、1人の少女がクレア妃の眠る棺桶に近づいてそっと顔を覗き込んだ。


(何だか不思議ね……)


 少女はクレア妃の全てを知っていた。本当は衛兵と混じって剣の修行をしたかったし、政治にも積極的に参加したかった。薬の調合にも興味があったし、劇団の舞台をもう一度見たかった。


 少女にはクレア妃の事が手に取るように分かる。それもそのはず、何故なら彼女は……


(まさか、自分の葬式に参加するなんて思わなかったわ……)


 とある小さな村の娘に生まれ変わった元王妃……パトレシアは、過去の自分に別れを告げると静かにその場を立ち去った。

ご覧いただきありがとうございました。3連休の間に全話投稿します! 

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