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タビスー女神の刻印を持つ者ー  作者: オオオカ エピ
終章
374/374

あとがきともいう【小噺】

『タビスー女神の刻印を持つ者ー』

を最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。


最終話は蛇足と思われる方も居るかも知れません。


アトラスという主人公が、彼が望んだ通りに『人として生き、伴侶と共に歳を重ね、人生を全うした。正しい流れにたどりついた』

ここまで書いて、彼のお話だと思いました。


アトラスのお話はこれでお終いです。

閑話が追加される可能性はありますが、以降は閑話集のみの追加で本編に足されることはありません。


これがweb小説投稿初作品だったということもあり、最初の頃は特にセオリーもなにもなっていなくて読みづらくて申し訳なかったです。

(今からでも直したいくらいです。改稿したものがもしかしたら別のサイトに上がるかも知れません)


関連作品として『真説・アシエラ伝』は、いつか書きたいと思っています。

本編内であらすじがありますが、悲恋確定ですけどね。


蛇足ついでに小噺。

アトラスという名は、お察しの通りギリシャ神話の『天球を支えるアトラス』からいただきました。


ギリシャ神話にやたら多いのは「一説には」「諸説ありますが」。

ローマ神話や土着の神や当時の王族が神話に絡められたりと色々混同されたからなのでしょうね。

その分、拡大解釈や想像の余地があるということで、設定構成に大いに利用させてもらいました。


主人公の元になったアトラスといえば、ゼウスとの戦いに敗れ「天球を背負う」姿が有名ですね。子供の頃持っていた天体図鑑の中表紙でした。だからかずっと印象に残っており、調べたらなかなか面白い立場と逸話の人物なので、採用しました。


名前の語源は「支える者」「耐える者」「歯向かう者」。

作中では合わせて「天を支える者」として使わせてもらいました。この言葉から広がったお話です。(「支える者」「耐える者」「歯向かう者」このみっつも充分網羅している人生を送ってもらいましたが)


神話のアトラスには娘たちがおり、それぞれ牡牛座のプレアデス星団になったプレイアデス姉妹とヒアデス星団になったヒュアデス姉妹がいます。(異母妹)


うしかい座という星座のモデルが「一説によると」アトラスだとされています。牛に縁がありますね。


その繋がりで、二章でアトラスの誕生日は五月と言っているのは、牡牛座であることを意味していました。 牡牛座の誕生石はエメラルドや翡翠。大雑把に言うと、緑の石。シンボルカラーも緑。

彼がジェイドの血筋ということを示唆していました。

また、牡牛座の守護星は金星。つまり金の意味をもつ兄アウルムはアトラスを護る守護者でした。ちょっと弟愛が過ぎていましたが(笑)

(因みに副官のタウロの意味もまんま牡牛です)

王家の姓ボレアデスはプレアデスのもじりです。


一般的な逸話だと牡牛座といえばはゼウスが化けた姿、ヘラの悋気から隠すためにイオを牛に変えたとかですかね。そちらの逸話はストーリーには関わりませんのでスルー。

ギリシャ神話を拝借するなら配偶者の名にプレイオネとか使えと言われそうですが、これも言いにくいので却下しました。



作中、レイナとの間には子供が生まれます。マイヤとウェスペルです。

プレイアデス姉妹の長女の名前がマイヤ(ア)。娘のマイヤの名はここから貰いました。神話でのマイヤはゼウスとの間にヘルメスを生みます。

作中のマイヤの夫であるテュール・ヨウィス・デイオスの語源は三音とも全てゼウスを意味しています。

マイヤの息子の名が、メルク・リウスとメギス・トリスですが、こちらもヘルメスと混同された俊足の神メルクリウス、錬金術師と混同されたヘルメス・トリスメギストス(をもじって)使わせて貰いました。


神話のアトラスの子供は娘ばかりですが、一人、息子らしき者がいます。宵の明星を司る神で、「黄昏、西方」という意味のヘスペロス(Hesperos)。マイナーですがこれも「一説には」アトラスとヘスペリデスの息子説があり、これを採用して「黄昏の名を持つ息子」をマイヤの弟としました。

ヘスペロスはラテン語でウェスペルvesperと同源です。

(ヘスペロスも女性とされている場合もあります。また「黄昏の娘たち」の意をもつヘスペリデスが「一説には」アトラスの(たち)とされています)


アウルムは7章でユリウスに治療された際に、アトラスによく似た顔立ちの黄昏の名を持つ子供が王になるという予見を見せられていました。アウルムはウェスペルを養子に貰おうとか考えていたのでしょうが、叶わなくなり子を設けます。

後に産まれるサクヤとの息子の名前がクレプスクルム。彼の名前もまた黄昏を意味します。

月星では黄昏時は女神の時間が始まる刻限。

日本人が曙や暁にみるのに似た感じ方とご理解ください。


作中のアトラスは、女神を否定しながらも、根本には生まれ育った教え、刷り込まれたものが無意識に根付いていて、なかなかどうして拭えない。

人って案外そんなもんだという皮肉も込められています。


皮肉といえば第一章。

魔物に取り憑かれたケイネスが、自らをレオニスを呼称していました。

レオニス=レグルスの意味は小さな王。あるいは王の星。

五章でアトラスの真名がレオンディールと判明します。

レオンはライオン、雷。あるいは転じて勇者。

安易ですがライオンといえば百獣の王。そして雷神は方方の神話で最高神であることが多い。

レオニスが本物の王に勝てるわけが無いという皮肉でした。


おまけですが、ディールは取引の意。

つまり意味は取引された王となりますね(^_^;)

最初から波乱万丈の人生。お気の毒様です。



五月うまれのアトラスに対し八月うまれのアウルムが守護者と先述しましたが

同じ構図が五月うまれのセーラと八月うまれクルムに受け継がれています。

将来有望なふたりに紡がれた思いは託されました。

(※獅子座はイメージカラーが金なので、金色の存在として定義)

この国の未来は明るい。それを匂わせてハッピーエンドとさせていただきました。


アウルムさま、弟愛が深すぎて、その一割でも息子のレクスに割ければよかったのでしょうが、アウルムも人間。優れた王でも欠点はあったということです。


私はこの作品で『人間』を描きたかったというのもあり、どのキャラクターにも必ず欠点にもなりうる要素を取り入れていました。


長々と失礼しました。

ご愛読ありがとうございました。


少しでも琴線に触れたならば、コメントやレビューで応援いただけると、励みになります。質問等もお気軽にコメントしてください。


よろしくお願いいたします。

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

文章ですべて表わせれば良いのでしょうが、ついつい図解に頼ってしまいました。


■タビス設定資料集 にタビスに関わる様々な設定やタイトル画、挿入画

家系図、年表などがあります。もうネタバレきにせずご覧いただけます。

よかったらどうぞ。

我ながら、よく描きました (笑)

↓こちら

https://ncode.syosetu.com/n1669iy/

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