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タビスー女神の刻印を持つ者ー  作者: オオオカ エピ
十五章 女神降臨
327/374

◯月星暦一五八六年十月④〈奉納舞〉

挿絵(By みてみん)

従者サンクは語った。

「いつもに増して静謐でした」


大神官プロトは涙ぐんだ。

「今回は特別に清淑に思えました」


アウルムは気づいた。

「女神への眼差しに覚悟を見た」


アリアンナは首を傾げた。

「やけに典麗でしたわ」


義弟ハイネは不安気だった。

「痛いほどに張り詰めて見えたんだ」


ルネは口角を上げた。

「なんだか、楽しそうでしたね?」


甥嫁フェルサは実感した。

「静粛でしたわ」


国王レクスは表情を変えなかった。

「いつも通りだ」


王妃フィーネは呟いた。

「見事です」


又甥モネは興奮した。

「すごく研ぎ澄まされていた様に見えました」


又甥ダフネは感激した。

「もはや、芸術の域です」


マイヤは溜息をついた。

「実に父らしいです」


メルクは息を呑んだ。

「お祖父様?まさか」


義息テュールは頷いた。

「素晴らしいですね」


メギスは目を伏せた。

「お祖父様……そういうことですか……」


女王侍女グルナは感嘆した。

「美しかったです」


警備隊隊長ゼーエンは唸った。

「神懸ったというのは、あのような様子ことを言うのでしょうか」


イディールは満足した。

「良いものを見せてもらいました」


又姪フィリアは驚いた。

「素晴らしかったです」


伴侶サクヤは破顔した。

「完璧だったわ」



タビス(アトラス)は微笑した。

「満足だ」


   ※※※


 月星暦一五八六年度の月の大祭での奉納舞は格別だった。


 タビスの舞があまりにも力強く美しく、神懸って見えたのだと参列者は口々に語った。

 本当に女神をその身に降ろしたのではないかと囁く者すらいたという。


 姿を記録する手段が無いことが惜しまれた。


 それが、『タビス』による奉納舞が行われた、最後の年となった。

お読みいただきありがとうございます

※月の大祭参照

三章終話〈月の大祭〉

大祭イメージ画(三章より)

挿絵(By みてみん)


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