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タビスー女神の刻印を持つ者ー  作者: オオオカ エピ
十一章 兆し
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◯月星暦一五八六年六月〈マイヤの独白④ 兆し〉

◯視点マイヤ一人称

 アトラス()マイヤ(わたくし)を介したユリウスの()()()を一体何年続けたことでしょうか。


 レイナ()が逝去して二十五年になろうという年の早秋のことです。


 マイヤ(わたくし)は竜護星の東の端、フェルン島という離島に向かうよう、アトラス()に指示をしました。


 フェルンは大きくも無い島で、一人の領主で足ります。フェルンの領主フェルターが、首都に来たのは、十年程前でしょうか。代替わりの報告が最後だと記憶しています。


 隣国朱磐星が近く、昔は監視の意味もあったかも知れませんが、現国主はマイヤ(わたくし)の夫のテュール・ヨウィス・デイオスです。


 テュールの二人の兄や子供達が相次いで流行り病に倒れた為、想定外にお鉢が廻ってきてしまいました。

 その流れでマイヤ(わたくし)の双子の息子達ーー兄メルク・リウスと弟メギス・トリス

ーーの弟の方が次の国主になる予定の友好国です。とりあえずの心配はありません。


 今回送られきたユリウスのメッセージは少し勝手が違っていました。


 珍しくユリウス自身が姿を晒し、フェルンの領主邸から出てきた女性に声をかけていました。

 月の光を流し込んだような乳黄色の淡い髪を持つ、美しい女性です。

 マイヤ(わたくし)は女性の勁い眼差しに既視感を覚えました。


 話している内容の詳細迄は届きませんでしたが、この日この場所にならアトラス()に逢えるとユリウスが伝えていることだけは判りました。


 なぜだか心が躍りました。

 未来がある程度判ってしまうと、驚くことが少ないのです。


 早速、アトラス()に連絡を入れました。


「流れが変わる兆しが見えます」


 マイヤは(わたくし)、ただそれだけをアトラス()に告げました。


第十ニ章「兆し」 完

第二部完

第三部に続く

二部年表

挿絵(By みてみん)

お読みいただきありがとうございます。

第三部は完結に向かい、色々なものが収束していきます。

お付き合いくださると嬉しいです。宜しくお願いします。


三部の最初の物語「鴉の思惑」

暫くお待ち下さい

挿絵(By みてみん)


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