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6 有神くんのSNS その2

年更新

あらすじ

有神くんの信者はあれなのでどうにかしよう。

ついでにアンチくんも

  有神のフォロワーが気持ち悪いという事は紛れもない事実、当の本人も自覚しているようだった。

  それとは少し変わって俺にひとつ疑問が湧いた。

  「有神、お前さっきもだけど、最近ずっとスマホ見て笑ってるよな。もしかして、信者のコメントから顕示欲にひたってたりしてるのか?」


  そう、最近頻繁に有神はスマホを見てニヤニヤ笑っている。その様子は有神のフォロワーと並び立つキモさだった。

 

  「それは……半分……いや、ん〜まぁそんなとこだね」

  「何かはっきりしないな」

  「君になら言っても大丈夫だと思うから言うけど、僕って信者も多けりゃアンチもまぁそこそこ居るってのは知ってるよね」

  「ああ居るな、目の前に日々お前に不満を積もらせてるアンチが」

  「そういうのはいいから、で僕は思いついたわけだよ、両者を一遍に掃除する作戦を」

  「あっ、そういうのいいんで、…偶にはお前も家の掃除したら?」

  「聞きなよ!そのうち世界をひっくり返す作戦だぞ!あと君は居候、僕家主!」

  「はいはい、ハァ…」

  聞きたくねぇ。ろくな事じゃないだろ絶対。



「それでは、これより『嫌な事は全部ゴミ箱に捨てちゃえ』作戦の説明をしまぁす!」

「お前ごと捨てられてしまえ」

  ガラガラと何処から持ってきたか、聴いたことのある作戦名が書かれたホワイトボードを指し有神は語り始めた。


「まずは、この作戦に至った経緯を軽く説明させていただきます。

 遡るは約2ヶ月前、自分のエゴサーチをしていた際に見かけた『有神のファンってキモ』とのsnsでの投稿でした」

  「それだけかって、俺は思うがお前は気にするよな」

  「そう!僕はそういうの超気になるのです!なので、僕はその投稿者をブロックしながら、そういった投稿をされてしまった原因を根絶する為の本作戦を考えついたというのが始まりです。」

「で、アンチ全員根絶やしだろ?」

「違います」

「え?いや原因根絶って『そういう投稿している奴』を潰すって事じゃないのか?」

「それもしますが、それだけでは意味が無い、第2第3のアンチが生えてくるだけだからね。僕がするのはね君、除草じゃなくて開発なんだ、土地そのものの環境を作り替える。そういう事をするんだ。」

「は?」

「僕はね、こう考えたんだ。アンチが信者を信者がアンチを相互に影響しあってゴミカスみたいな環境になっていると。」

「…成程。有馬の環境はゴミカス」

「……で!僕はこの問題に対して行動を起こしました!まさにゴミ掃除!」

「開発はどうしたんだよ」

「ガヤが煩いので巻きまして、僕自身がアンチと信者になりきって両勢力を煽りに煽りそして今に至ります。」

「やっぱりゴミカスじゃねぇか!」

「そして、こちらがお出来上がられたものでございます。」

「ふーんどれどれ………………えぇ大丈夫なのこれぇ」

「うん」

 有神から渡されたスマホが映したものは。


  都内在住の男女複数人による殺人未遂事件のニュースだった。

  内容はsnsを通じて集まり、男1人を集団で暴行したというもので、そこから、加害者の男女は有神の熱心なファンであり、被害者の男は有神のアンチであることが報道されていた。



「やばいだろお前」

「計画通りぃ」

「こいつだ!こいつを誰か!」

「無駄だよ対策済み。」

「巨悪が…ここに…目の前にいるのに俺には何も出来ない……」

「ハハハ、さて…取り敢えず今日は『事実関係の確認として』明日の会見内容でも考えようかな。」

「全部バレちまえ、社会的に消えてしまえこのゴミカス人間め」

「な〜にを言っても無駄、特に君なんて既に死んでるじゃないか、そんな君の事なんて誰か信じられようか!ダハハ」

「そうだった…俺死んでるわ。大丈夫か生きてりゃ何とかなるなる………な…なるわけねぇだろ!」

「君も強情だね、いいかい、世の中欲深い奴なんてごまんといるんだ、闇も闇、暗黒の世界があるんだ。そしてそれを金が覆い隠して大衆を欺ける。どうだい僕なんてちゃちなもんなんだよ。」

「つまりお前は、繋がりがあるのか?その世界と…」

「…………」

 明らかに態度が怪しい有神は、何処か影を帯びて見えた。

(まさか、有神が世界を滅亡に導くのはそこの関係だからなのか)


  「…………ップフフフ」

「ど…どうした?」

「君、結構ノリがいいね、ふふっ、『その世界と…』ぷぷぷっ」

「笑うな!」

「無いよ、ないない有り得ない、僕は清廉潔白、心の清さは雪解け水が売りの有神京司でやってるから。」


  先程までとは別人な程、笑いながらシリアスな雰囲気を吹き飛ばす有神からはとても闇なんて感じられなくなっていた。


(取り敢えず大丈夫なのか?偶にこいつがだすシリアスに引っ張られたけど、まあでも闇だとか裏だとかそういうのこいつ嫌いそうだしなぁ。)

  少し考え、心に留める。そして先程の会話で気になった事を聞いてみることで、話を流していく。


「で、会見って何すんだ?それも作戦のうちとか?」

「…おっ!そうだね、なに?興味出てきたの?」

「いや、お話的に、あと何時頃とかで朝の流れが変わるじゃん」

「あっそういう事。朝はちょっと早いかな7時前には家を出る予定だしあとは会場で色々打ち合わせしてそのままの流れって感じ。帰りは14時ぐらいになる様にはするよ」

「いや時間とかだけじゃなくて、こう話す内容とかってさぁ考えてるんだろ?」

「それは本番までの秘密だよ」

「ふーん」

「観てよ絶対」

「録画しとくよ」

「リアルタイムで!

「なんでわざわざお前のために大切な1日の数分を犠牲せねばいけないんだ」

「数分!?犠牲!?最低でも1時間は掛かる予定だし、もっと僕のことも大切にして!」

「お前は俺のなんなんだよ」

「僕主人、君ど……じゃなくて、え〜と」

「ど!?ど、から始まる役職だと思ってたのかお前」

「ち…違うよ、違うと誓うよ〜」

「は??」

「あ〜じゃあ、と……と…友だち!ねっ!よっマイフレンド!」

「友だちとかお前…」

「君が第1号!どう?嬉しいだろう!」

「あ」(危ねーこいつ友達とか居なさそうとか言わなくて)


「何?!なんか目付きが温かくなってるけど!」

「いやなんでも無い、友だち良いじゃないか」

「そうだろう、そうだろう、ありがたいよね本当に、感謝しなよ僕に」

「なんだか心が広がった気がする」


  おそらく、有神に友だちなんていうものは、いなかったのだろう。

 半分は有神自身が原因な気もするが、それはそれとして。

  有神に友だちと言われ、俺が生きていた時にここまで遠慮なく話せた奴が居たのかと、記憶大部分を失っている俺でも分かってしまう。

 居なかった、俺は結構遠慮がちだったと思うし、友だちも数人とかだったはず、その数人の友だちすら今は顔も名前も分からない。きっと双方それくらいの関係だったのだろう。



「ねぇちょっと、何黙ってさ」

「あ、悪い悪いでなんだっけ?」

「と…友だちでいいのかい?僕なんかと」

「ああ、対立煽りのカスでも俺は……」

「分かったから謝るってそれは。ごめんって」

「俺に謝ってどうする」

「あーもう、××県××市の強盗、窃盗、強姦、その他諸々容疑があったけど無罪放免の○○さんどうもすみませんでした」

「とんでもねえ奴じゃねぇか」

「人は選ぶよ、まあその辺の情報は伏せるけど」

「…どうして?」

「相槌ありがと、そうしないと信者が大衆のヒーローになりうるからねそれは良くない、あくまでも僕のメインターゲットは信者側なんだよ」

「キモイからな」

「そう、だってあいつら僕を神格化しといてさ、自分は神に選ばれたとか、あ、神って僕ね、で夢でどうこう、幻聴で声が聴こえたからどうこう、勝手に僕の写真でグッズとか作ってさ、肖像権は何処に?とか有様〜とか言ってさ街中なんてストーカーされるからさ山奥に家建ててヘリで移動だよ?なんなのまじでさ・・・・・・」

「ははあはは」


  全力愛想笑い、それしか俺にできることは無かった。それから小一時間有神は信者の今ままでために貯めた不平不満を垂れ流し続けた。









 







 

 


 

 












年更新、いやー色々上手くいかないもんですね、みんな体力あり過ぎでは? 「ろくな事〜」から「それでは」で1年空いてます。

あと自分が思っている以上にみている人(5/15で累計193人)(おそらく開くだけ)がいてびっくり、物好きな人ってほんとにどこにでもいるんですね。


ちなみに有神くんはぼっち人間だったので友だち発言は割と勇気八割恥ずかし二割で言ってます。

他のも考えているのですがまずこれを完結させてからでないと、繋がらないと思っているのです。

もう一個投稿してある方も未だにああしてこうしてと考えてはうーんという感じで、終わらせ方は大体決まってるのですが間がまだまだですね。


またご縁がありましたらその時は、まーだやってるよどうせこんなるんだろ分かってんだよとでも思っとって下さい。

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