1 子供1人で森に行くのはやばい
別作が止まってすいません。こっちは別作より先に考えていたのですが始まりの展開が絡まってめんどくせってなった結果後になりました。元々考えていた展開との違いはあとがきに書いときます。
読んでくれてありがとうございます。
俺は子供の頃の不思議な体験をした事がある。
夏休みのある朝、田舎に住んでいた俺は虫を採りに近所の森に行くことにした。その森は舗装された道もない人の手がほとんど入って居ない森で、子供心にクワガタ、カブトムシの巣窟なのでは無いかとかなり高揚していた。森の中に入ってしばらく中々目当ての虫に会えずにいた時、妙な違和感がした。
ゴクリと固唾を飲み耳をすまして音を聴き違和感の正体に気づいた。
虫の鳴き声が聴こえなかったのだ。瞬間、背中に悪寒が走り、夏場の森の中ではありえない状況に逃げ帰ろうしたが出来なかった。
(ここはどこだ?)
迷った訳では無い、自分の記憶では森の外が見える様なところにいたはずなのに今は相当に奥まっていて、全方位草木に囲まれてしまっていた。
このままだと死んでしまう。そう思った俺は歩き始めてしまった。一般的に遭難した場合、無闇に歩き回らず体力を温存しておくものだがそうは出来なかった。怖かったのだ、その場に留まっていると良くない、恐ろしいことになると、何故かそう思えて仕方がなかったからだ。
歩き始めて体感10分突然目の前が開けた。今まであった膝の高さの草に視界を塞ぐ樹木が目の前の場所には無くなっていた。
円く拓かれたその場所は、上は透き通り吸い込まれそうな青い空、下は足首にも届かない草の絨毯が敷かれて、そしてボロボロの社がその場所の中心にポツンと置かれていた。
「うわぁ…すご」
あまりにも現実味のない光景にただそう呟いた。少しその場所に足を止め傍観していると、少しここで休すんでもいいかと思った。その時、視界がというか空間がほんの少しだけ動いたような気がしてそこで正気に戻った。
「違う歩かないと」
自分に言い聞かせた、その場に留まってはいけない、すると目の前の綺麗な光景も不気味に思えてきた。そしてそこに背を向け走り出した。
夢中になって走った、気づけば森の外にいた。
その後何事もなく家に帰った俺は怒られた、3日経っていたのだ、どんなに捜索しても見つからなくて半ば諦めそうになっていた所に帰ったので喜びと怒りが混在した説教に酷く申し訳なくなってしまった。
その後俺はあの場所について調べることにした、なんせ何も無いと思っていた森の中にあんな場所があるのだがら。まずはネットで航空写真を見ることにしたが何も無かった、森の写真にはあの円く拓かれた場所はなく画像は緑色に染められていた。
それならと家族になにか知っていないか聞けば、そういったものの心当たりは無く、それより全く手をつけていない夏休みの宿題は?と言われた。ハッと思考が切り替わり夏休み後半に入っているという状況に飲まれあの場所の調査は流れた。そして新学期になり学校生活が始まっている頃には、不思議な体験として記憶に整理されていた。
あれから十数年俺はあの時の場所に来ていた。目的は自死、理由は疲れたから。この場所を選んだ理由はこの場所なら誰にも見つからず迷惑にならないと考えたからだ。
荷物を置き周りを見渡す、あの時のままの光景で今は夜で月光と星の光が輝く幻想的な空間になっている。
荷物袋から取り出したのは酒と睡眠導入剤と縄と踏み台の4つだまず睡眠導入剤10粒のうち2粒に口に含むそしてそれを度数の高い酒で流し込む。錠剤と酒が喉を通り過ぎて幾度段々と覚悟を強めてこの世を離れる儀式のように思い切るだけだった。
酒も薬も飲みきり朧気な視界とふらつく足元で縄と台を持ち丁度よさそうな木へ向かう。台に登り、縄をかけ後は台を蹴るだけになった。空を見上げあの時この場所に見とれた自分を思う。月光が強く照らしている、この情景を見たまま死ねるなんて、あの時歩を止めていたらきっとここに飲み込まれていただろうなんてそう思う。
脚に力を入れ台を蹴り跳ねった。
グッと首に圧力がかかり上を向いていた頭は下を向く。視界には丁度社が映った、しかし俺は社よりも見に入る物が見えた。それは社の周辺を囲む鈍く薄く光る1本の柱の様な物だった。
(月光?いやあれは……木?)
一瞬月光の何かだと思ったが、光は木のように見えた。
すると声がした。
(丁度…いい、代わって貰おう。)
何を?と思ったところでついに限界がきた。
その日世界は大きく変革した1人の人間が無限にエネルギーを取り出す機械を作りそれを世界に広めた。それに加え何世代も先を行く様なAIテクノロジー技術もまた同じ人間によって広まるつまり時代の大転換、人類史でも類を見ない革命といえるだろう。それによって世界全体が豊かになった経済的にも精神的にも。
もし自殺の決行が1日遅れていたら……おそらく何も変わらないでしょう多分。
「ううぉ!?」
引っ張られる様に起きた、まるで悪夢でも見たように寝汗をかき息が上がっている。起きた場所は上京した時に借りていたもう既に引き払ったアパートだった。
「どういうことだ?」
困惑している、確かに自分は死んだはず……いや未遂?それでもこの部屋にいる理由にはなっていない。
「起きたな」
「はぃ?!」
突然の声に驚いてしまった、声のした方を見るとPCデスクの椅子に座った自分がいた……?自分がいる。毎日のように鏡で見た自分がいる。意味の分からなさに首を傾げてしまう。その様子を見た目の前の自分は立ち上がり俺に近づき。
「よし立て」
といい無理やり俺を体起こしてくる。されるがままにたちあがりそのまま椅子に座らされた。どういうことなのか理解できずいた、そして目の前にあるパソコンのモニターを見る状態に頭を押させられている。モニターには誰かの動画が停止して映っている。
「これを見てくれ」
と背後から自分が操作して動画が再生された。
「はい!という事でねどうですか調子は?僕はもう最高だねうんよしもう1回見せよう!みんなも見たいでしょう」
話しているのはかなり中性的に見えるが男なようだ明るい髪色で目鼻がしっかりしているイケメンだと思う。自分の感覚が間違っていなければ。
そして男の言う見せたいものが再生された、内容は宇宙船の様なものか爆発しそれが街に落ちていく様子だ、端に日付が書かれており映像は自分が知っているより未来のようだ、船の落下が何回か繰り返される、同じ映像のようだか少し違うみたいで3回程落ちる場面が映ったところで気づく、宇宙船が落ちる街が別々の場所だと、最初は高層ビル群で変化がないように見えたが、よくよく見るとどうやら違う街に落ちているみたいだった。つまり複数の宇宙船が世界中の街に落ちているということだ。ただあまりにも非現実的で映画か何かと後ろの俺に質問してみた。
「事実だ、ついさっき起きたことだ」
「本当に?」
「本当だ」
そして動画はまた男の画面に戻る。
「いや〜いいね〜ボカーンズドーンってもう、最高!どれくらい逝ったかな?う〜ん船が定員6万で8つで48万、人口密集地がだいたい2000万まぁ全部じゃないし500万にして4000万かぁ〜あんまりだね、次はミサイルでも落とすかい?でもな範囲がなぁ核ぐらいじゃないとなぁ。まぁ3日後お楽しみに!僕の住所はここ太平洋のこの島だよ訪問お待ちしています!僕が乗っ取ったので遠距離兵器が無理なのは世界中の施設の人は分かっているよね、あっ!なんかめんどくさくなったので全部抑えとこっと。はいドーン!アッハハハハ!いや〜いいね。じゃあご視聴ありがとうございました、以上、有神でした〜またのご視聴よろしくね〜。」
「………………なにこれ?」
「超迷惑系動画投稿者だな」
「いやいや、え迷惑系ってじゃあ嘘ってこと?」
「いや事実、宇宙船落下も軍事施設破壊も」
「……もしかして……バカ?」
「……事実だ」
全部本当のようだ。何故俺の事をここまで信じているのかと言うと受け答えが俺だからというよりまず、この夢なのか何なのか分からない状況が逆に真実味があるのだ、現実では嘘でも夢だと事実になるような感じでそう思ってしまう。
ここでひとつ聞きたいことが出来たので俺に質問してみることにした。
「なんでこれを見せたのか教えてくれ」
これは核心めいているのではないだろうか。どうやらそのようで目の前の俺は少し溜めて答えを言い始めた。
「……これからお前はこの夢から目を覚ます、そして目を覚ました時、動画に映っていたバカ…有神が傍にいるはずだ。」
夢…やはりそうなのか、だが覚める?俺は死んだはずだろ?傍にあの男がいる?どういうことだ?
「ああ覚める俺は死んだ、だが巡り合わせが悪かったあの場所で死んでなかったら……まぁそんなのはいいんだ、有神の方が先決だ、まぁ止めてやってくれ、ただそれだけだな」
死んだのかでも巡り合わせ?どういう……こと、そ、れに止め、るたってま、まずい意識、が、か、覚醒してきた。
「もう早いよなそれ、俺も、もっと聞きたいことあったのにさ、はぁ…頑張れ…は違うか、そこそこに仲良くしてろよ、うわ全部じゃんヤバ。ハハハ、げっこれもだよ」
意識が覚醒する、その際目の前の俺は何やらふざけた様になり、そして俺に向かい手を振っていた。
☆side f
手を振り自分を見送った、変な感じだ。ふぅと息をつくと突如。「 ピピピピピピピピンポーン。」呼び鈴が連打されて鳴り響いた。一泊空いてまた同じように呼び鈴が鳴る。
「はいはい、やめろやめろ」
悪態をつきながら玄関へ行きドアを開ける。呼び鈴はまだ鳴っている
「はいはい、てか開いてるだろ勝手に入れよ勝手にさー」
「いや〜なんか恥ずかしくなっちゃって、フフ」
「嘘を言うな遊んでただろ、最後ほうなんてリズム刻んでたろ」
「うーんホントなんだけどなぁ」
「刻んだのがな」
「刻んだのも、だよ。こういうの初めてだって知ってるでしょ」
「お前が初めて程度で恥ずかしがるわけないだろ」
「なんで信じないのさ」
「実績だよ、てかどうだった現地視察は?」
「ハッ逸らして、まあ、あれだね凄いね笑っちゃったよ、ああなるんだね、そう考えると君は、世紀の大英断をしたって訳だ凄いね、スゴイスゴイ」
「人の死を笑うなよ全く、頭イカレバカめ」
「そうだ僕はイカレている、でもみんなイカレた僕の作ったものを楽しそうに使っていただろう」
「いやお前だけだろイカレているのは」
「酷い!でも否定できない自分が、愛おしい」
「キモ」 「内臓?見る?」 「なんでそうなる!」
何故だろうか目の前にいる奴と話すといつもこうなってしまう、仲がいいのだろうか、なんだろうどうしても認めたくないこんなのと仲がいいなんて、今も目の前で自分の腹を開き始めている頭のおかしい奴なんて、どうしてこうなったと思わざるおえない。
「やめろ、人間の開きなんて見たいやつ…………いないだろ!」
「あ、今もしかしたらいるかもしれないって思ったでしょ!」
「チッ………………今日何する?」
「家に帰ってからにしようよそういうのは」
「それもそうだな、よし帰ろう」
部屋から外に出る。俺達は帰路に着いた。
最後までありがとうございます。私は感謝することで自我を保っている。
前書きに書いた元の展開との違いを端折って書いときます見なくても問題ないです、見たい人興味のある人だけどうぞ。
まず主人公の男ですが色々あって退職、両親事故死で絶望で自死の流れが回想から自死になりました(最初期の考えはは幼なじみの親友が両親を殺します)
正直描写が大変特に両親死亡の後の警察関係が特に後に関係がないに色々出てきてその時になって、いるか?となり切りました。多分その辺上手くいけるとより臨場感ありそうなんですけどね、自分の力量不足です。ただそうすると現実感から180度切り替わるのでなんだかなあという感じです。
自死のシーンもかなり計画的になりましたね、元だと家にあった縄片手に森に入るので。
夢のシーンは最初期はなく目が覚めるのも社の中になっています、今はそうならないので社は背景に近いですね、のちのち使うかもしれないです。
後未来の自分がデジャブを感じてるところは無かったけどよく考えると未来の自分を今の自分も見ているわけでそうなるとあの時の自分と同じことを言っているはずなのでそうなりました。
有神のバカっぷりはそこまで酷くなかったのですが書いているうちに凄くうざくなりましたねなんでですかね。あと元の有神は結構歳をとった設定でしたので初期は淡々とイカレてたのです。今は盛大にイカレます
最後のシーンは、日常兼ラブコメ要素ですかね…。なろうの設定が後なので嘘です次話以降のほのめかしですね。元は半分くらいの筈なのに勝手に喋るなよ。
という感じですね特に前半はかなり変えてます素人小説にそんなリアルはいらないというパッションでやりました。
ここまで読んでくれてありがとうございます。貴方は凄いです。本来なら別作の続きを書けばいいのですがこの作品も2話が出るのか自分の精神力との戦いですかね。
後言い訳ですが何個か考えている話があってそれに夢中になってました1個はこの話に関わっていて1個はその話に関わっていて1個はその話とこの話に関わっています。そして関係ない話も1個2個ありますただ文章に至ってないのがほとんどですいつか出来たらいいですね。