三繋目:天啓者
「こんにちはー」
「おう、ご苦労」
警備の為に城の中を歩き回っていると、連絡担当の子供から声をかけられた。
「すべての国が会談を了承されましたので、報告に参ったのですー」
「ありがとな。それと、その”すべて”に神は…?」
「含まれてないですよー?当り前じゃないですかー」
「一応の確認だ、気にするな」
その子供に、「それじゃあ」と告げ、玉座の間へと向かう。
* * *
「失礼します。各国との連絡がついたようなのでご報告を」
「あぁ、あの子から既に聞いてはいるんだがな」
「!?」
「言っておらんかったか?あの子は儂と仲が良いのじゃよ」
「そうでしたか」
「やんちゃだがいい子だろう」
「そうですね、初めて会いましたが、悪い人ではないことは一目で」
「それと、もう一つ頼みをいいかね?」
「はい。何なりと」
「あの子の世話係をしてやってはくれんか?」
* * *
「すまない、連絡担当の者はいるか?」
「はーい?」
「うわぁ!びっくりさせるな」
背が低いこともあり、懐に潜り込まれていることに気が付かなかった。
「王からのご命令で、君の世話係をすることになった」
「ふーん」
「とりあえず名前を教えてくれるか?」
「普通自分から名乗るものだと思うけど…まぁいいや。僕は『シャーロット・リゼアン』って言うんだ、よろしくー」
「俺は盛南健人というものだ。」
「はい、よろしくー」
「シャーロットって長いな…シャロでいいか?」
「いいよー、ちょっと可愛い気がするけどね」
「シャーロットの時点で中々可愛いと思うが」
「確かにそうだねー」
「とりあえずシャロの世話は俺の担当となったから、身の安全は保障しよう」
「おーかっこいー」
* * *
次の日、この世界で一番中心に近いとされている天使の国へと訪れていた。
「今回集まってもらったのは他でもない。この空を覆った元凶の始末についてが本題となる」
「でしょうねぇ」
天使の国の王様に、相槌を打たれる。
「しかし、神を討伐するとなると、絶大な被害が容易に想像できる」
「だろうな」
「なので、”天啓”を授かった人を集めて欲しい、それも、なるべく多くだ」
「天啓を授かった人っていうのは、それ相応の異常者ばかりよ?本当に戦力になるのかしら?」
「それくらいしないと神に太刀打ちできないだろう」
会議は一瞬で終わった。
しかし、出た結論を易々と実行はできないだろう。
人間の王の護衛に来ていた私こと、ルーンはそう思う。
私は天啓者なのだが、私のようなまともな天啓者は、中々見つかるものではないだろう。
どうもLrmyです。
前回に出てきた『焔』は自分の夢の中に出てきたので、その名前にしました。
夢から情報を得すぎている感じはありますが…別に問題ないでしょう。
それと、世界観についての説明をこの後に出したいと思います。
以上で後書きを〆ます。ではでは~