十二繋目:新たな冒険仲間の追加
「どうもッス!流浪の商人やってるッス!」
「うわぁ!ビックリした」
ズカズカとダンジョンを進んでいると、前から来た少女に急に声をかけられた。
「君は…吸血鬼かな?」
「そうッスけど、種族なんて関係ないじゃないッスか!ここでは『冒険者』か『魔物』の二種類しかいないんスよ」
「確かにそうかも…って商人って言ってたっけ?なんか売ってるの?」
「飲み物とか食べ物、それと情報を売ったり、時間を決めての護衛なんかを主にしているッス!」
「護衛までやってくれるのか」
護衛に頼ってたら、ダンジョンに何しに来たんだって感じがするけど。
「そうだルーン、水とか必要か?」
「いえ、必要ないですね。必要だったとしても転移で水を取ってまた戻ってくるだけなので」
「そんなこと言わないでくださいッス!雰囲気を大事にしてるんスよ私は!」
小さい柄で「ダンジョンを味わってるんッス!」とルーンに言いながら、腰のあたりをポカポカと叩いていた。
なんだか小動物を相手しているみたいで微笑ましく思える。
天音と同じような可愛さだろうか。
異性としての『好き』よりは、子供とかに対する『好き』という違いというか、『like』と『love』の違いというか、そんな感じだ。
「情報も大体は私が持っていますので、この子は要らない子ですね。先を急ぎましょう焔様」
「待って欲しいッス!こんなに酷い扱いを受けたのは久しぶりッス…」
「何を待てばいいんだ?」
「私も連れて行って欲しいッス!アンタ達といると退屈しなさそうッス!」
「はぁ…焔様、どう致しますか?」
「まぁいいんじゃないか?私たちと一緒に来たらある程度安全だろうし」
「やったッス!お供料金はタダでいいッス!」
* * *
「この辺になってくると、流石に魔物が硬くなってきたな」
「そうッスか…?会った奴が次から次へと肉片になっていくから違いがわかんないッス…」
襲い来る魔物たちは私たちに近付くことは出来ず、私たちは気にせず先へズンズン進んでいくと階段が見えてきた。
「っと、久しぶりに下りの階段だな。これを下れば…」
「はいッス!この階段を下りたら”第九層”ッス」
エッヘンといった風に小さい胸を張る吸血鬼。
「と言うか名前聞いてなかったな、なんていうの?」
「おっと私としたことが忘れてたッス!私は『シェリン・ガードナー』って言うッス!以後お見知りおきを…そのお姉さんが言ってるから分かるっスけど、あなたは焔さんでいいんスよね?」
「そうだよ、でそのお姉さんがルーンね」
「話を遮る様で悪いと思っているのですが、この子…シェリンは連れて行くのですか?」
「ついて行くッスよ!さっきも言ったけど、一緒に居たら楽しそうッス!」
「あなた情報屋なら少しはわかるんじゃないんでしょうか?」
「焔さんが強いことは分かってるので、第九層へついて行っても心配ないと思ってるッス」
どうもLrmyです。
最近は一日が30時間くらい欲しいと切実に思います。
6時間増えたら、小説の投稿頻度も少しは上がると思うんですけどねぇ…
無いものねだりは虚しいので止めます。
ではでは~