第2話生きるのは死ぬより難しい
建物の裏口に着くと1人1人中へ運ばれた。
イカつい男「着いたぞ、運ぶから暴れんなよ。」
担がれた女の子「嫌っ!離して、どこなのここ?家に帰してよ!じゃ無いと叫んでやるっ!」
イカつい男「チッ!うるせぇなぁ!!」
そう言って担いでいた子を下ろすとその子に布袋を被せ鞭で体を叩いた、女の子が大人しくなると男は再びその子を担ぎ建物の中へ運んだ、私も初めはここが何なのか分からなかったが、その晩すぐに理解させられた、その日のうちに館長に処女を奪われた、次いで受付の男と警護兵達の相手もさせられた。
翌日からすぐに客への接客が始まった、
日に5人程客を取ると食事と寝床が与えられた。客の取れない子はどんどん痩せていき衰弱したところで店の人に何処か連れて行かれていった。毎日毎日怖くてたまらない毎日毎日痛くて逃げ出したい、でも逃げ場なんて無い私は捨てられたのだ、日に日に心がすり減っていくのが分かる、娼館で働いて1ヶ月も経つと何を食べても味がしなくなり明日が怖くて夜も眠れない、そんな日が続いていた、
数日後いつものように受付に呼ばれ客のいる個室へ向かった、するとそこに見覚えのある人がいた
マリの父親「よぉ〜マリ元気だったかー?来てやったんだからさっさとしろよ相変わらずグズだなぁお前は、」
マリ「何で?!お父さんがいるの...帰ってよもう..他人でしょ」
父「あぁだからこうして堂々としてやれるんじゃねぇか、ほらさっさと脱げよグズ」
嫌がる私を無理やり父が押し倒し胸元に手が差し掛かる...するといきなり爆音と共に大きな揺れが起き娼館の中に煙が充満し始めた部屋の外に出ると店の男と客が何人か血を流して倒れていた側に黒いローブを着た何者かが立っていた父は気を失っていた、何が何だか分からないまま取り敢えず私は身を隠した。ローブの奴は娼婦達には何か札のようなものを貼っていた、何かを探しているようで客の預かり物を入れる金庫から何かを取り出すと直ぐに出ていった、しばらく間を置いて私も外へ出た。
マリ「逃げなきゃ...でもどこに...そうだクロエ叔母さんの家に行ってみよう」叔母さんは両親と違い私に優しかった料理や家事は叔母さんに教えてもらった旦那さんを亡くしてからは家からあまり出なくなり人とも会っていないと聞いていた、でも叔母さんなら助けてくれるかもしれない、そう思いクロエ叔母さんのいる街まで走った、靴を履いていないため足が傷だらけになった、痛みを我慢しながら走りようやく街の近くまで来た。すると目の前に娼館にいた奴と同じ黒いローブを着た人が現れこちらに近づいてくる。死を覚悟した、...何で私が?私は幸せになりたかっただけ絵本に出てくる様な暖かい家族の愛やおとぎ話のような自分の人生に自由と誇りを持って生きたかっただけなのに、でもこんな国で生きていて何になるの?生きてても辛いだけこんな国に生まれてしまったのだから、ならいっそ死んでしまえば次は..そう思いながら
マリ「私を..殺しに来たの..?」と尋ねてみると少し意外な答えが返ってきた。
黒いローブの人「いえ、あなたを探していたのです、マリ。」