革命返し
ひゅんひゅんと舞う透明な剣達。
応えるようにスキルを合わせる。
『ソードダッシュ』
スキルが遅れてしまうバグ。
だが、問題はない。
『ガランドウ』
ソードダッシュより後に発動したガランドウが先に発動する。
デモンゲイザーを使ってきた敵の背後に瞬間移動して、斬撃効果。
「ぐああ!!」
ガランドウのフィールドコネクト同士が競合して空間が不安定にヒビが入る。
俺がいた所に斬撃効果と敵が一人現れ、爆風の先でそいつが崩れて落ちた。
「ガランドウが外れた……!?」
「おい! 後ろに居るぞ!」
別のヤツはランサーブレード。
「ファイアソード!」
それぞれがスキルを片手に襲ってくる。
棒立ちで後方に飛んだ俺には、そんな攻撃当たらない。
「な、はっ?」
ソードダッシュの効果がファントムソードのせいで今更発動しただけなのに。
『おいおい、驚くことか?』
途端にフォーゼの効果が切れる。
カイザー効果が全員分、没収される。
「スキル使いまくれ!」
近くの敵に近づいてスラッシュを放つ。
「バックステップ!」
俺はカリンガで背を向けて更に追いかけた。
切り上げる前にキャンセルして普通のクロススラッシュ。
「くっ」
「おねんねしてろ」
よろけた隙にソードウェーブで一人持っていく。
ファントムソードの効果が切れる。
『ソードダンス』
アクセルバハムートの効果が切れる。
『ブーストソード』
ガランドウ効果が切れる。
『タイタンマグナム』
銃を素早く手に取り、威嚇射撃をしながら接近する。
「く、来るな!」
放たれるデモンゲイザー。
横に飛んで避け、背後から突っ込んでくるランサーブレードを潰す。
『スラッシュ』
強烈なエファクトと共に切り落とし、膝をつかせてやった。
ミスったら死んでもおかしくないリスクプレイ。
銃を捨てて両手で剣を握って詰めると。
「居合斬」
左手の剣を何もない空間に収める動きで迎えられた。
一瞬だけ水平な光が見えた。
その時点で発生する斬撃効果。
ガランドウとは比にならない威力を受け止める方法。
『ガランドウ』
瞬間移動に決まってるだろ。
一瞬だけ姿を消して当たり判定を避ける。
ノーダメージのカウンター。
ガキッ!
相手は咄嗟に俺の方を向いて攻撃をスラッシュで受け止めてきた。
攻撃スキルをぶつけて無効化するのはタイミングが難しい。
こんな金の掛かる実践で使う奴は割と少ない。
「珍しいな……」
「……」
冷静に攻撃を浴びせてくる。
無骨な鎧と兜の先で、お前は何を考えてるんだ?
「ソードダンス」
俺みたいにバフスキルを使いやがって!
手間取ってる間に知らない奴から背中を取られた。
「ファイアソード!」
炎を纏った振り下ろし攻撃が、衝撃波となって襲ってくる。
ゴウゴウと燃え立つ烈火を振り返って水平に薙ぎ払う。
縦のオーラが切り裂かれ、十字を描きながら消え去っていく。
コンボを組むように鎧の男が剣を振ってくる。
『ターンブレード』
今回追加したゴミスキルは剣の刃から魔力を噴射するスキル。
スラッシュの上に見えるが、魔力を噴射するだけで威力補正はない。
炎を無効化して素早く無骨な剣をターンブレードで受け止めた。
「単騎に負けるはずがない!」
「だといいな」
「舐めるな!」
アップブレスで俺は空に投げられる。
まだガランドウの効果は続いてるはずなのに。
アップブレスは魔法スキルなんだけど。
「最強の剣術、受けてみろ!」
どういうことだ? まさか、バグか?
「無双連撃!!」
斬りかかってくる相手の剣をキンキン受け止める。
『ソードダンス』
「止めても、無駄だぞ!」
……だからお前はソードダンスを使ってるんだな。
『タイタンマグナム』
俺もタイタン魔法でガランドウ空間で銃を取り出す。
「これで沈めっ!!」
貫く動きを、俺は甘んじて受けた。
『カウンターファング』