スキルパラドックス
クラン組合で戦いを選ぶ。
『人数は如何しましょう』
「一人で」
「不利ですが、よろしいでしょうか」
「ああ、構わない」
こんなに勝ってたら受付の人から好感度爆上がりだろうな!
受付の人に好感度確認アイテムを使用してみる。
評価:最悪(/;ω;\)
理由:忠告を無視していつもソロで行ってる。バカなの? こういうバカな人、嫌いなんだよね。
……ショック!
俺も対抗して顔文字を送って表現する。
「はい」
適当にあしらわれた。
悔し涙を拭いながら戦場に転移する。
「おいおーい、ぼっちな奴がいじめられてきたみてえだ!」
「やけに観戦者が多いなー」
「さっさと勝って終わりの酒飲むか!」
ちっ、腹立つ5人だな。
腰の剣を抜いて刃を撫でる。
『今日の食事? 違うな、ディナーは、ポークチョップ。勝者の名前を添えてだな……ところで、書く為のケチャップを知らないか?』
陽気な声が戦いを始める。
「いくぞ! 剣士団クランの踏み台にしてやろう!」
全員がソードダッシュで近づいてくる。
変わった相手だな。
『フォーゼ』
アクセルバハムートを呼び出し、その方向とは逆に剣を向ける。
『ソードダッシュ』
バハムートに飛び乗った俺は銀翼の装備を纏って走り去る。
「俺らもフォーゼだ!」
「りょうかい!」
『スキルパラドックス』
手放し運転でトランプをパラパラ行き来させる。
選ばれたカードはジョーカーを含めた五枚。
『エースのワンペア』
「またか」
けたけた笑うジョーカーに舌打ちをかましたが、ソードダッシュのリロードが完了したので満足する。
バイクに銀翼の剣を差し込んで降りる。
『力を貸せ、バハムート』
跳ね上がったバイクが空中でバチバチ鳴きながらガシャンガシャンと変形していく。
巨大な大剣に変貌した銀翼のバイクを手を掲げて受け取る。
銀翼はバハムートハウルに名前を変え、最強の火力を俺に分け与えてくれる。
相手は全員カイザーか。
どうやって勝てばいいのか。
カリンガなんて使えないし。
「しねええ」
知らない奴が一人、消える。
俺の背後に気配。
『タイタンマグナム』
避ける前に銃を手に取る。
「ガランドウ!」
世界が無機質な闘技場から、和風の静かな一室に姿を変える。
フィールドコネクト、伽藍道。
効果時間15秒の魔法とアイテムの禁止化。
「これで終わりだああ!」
俺には、関係ないけどな!
『カウンターファング』
受けた斬撃を相手に跳ね返す。
「ぐ、ぐああああ!」
相手の血だけ空を舞う。
ビシャビシャと音を立てて地面が汚れる。
「な、なぜお前は耐えているっ」
「どうしてだろうな?」
足で相手を蹴飛ばし、バハムートに光を貯める。
「ランサーブレード!」
アクセルスキルを、限定ハウリングさせて発動する。
『ニルヴァーナ』
光の刃が剣を覆い、高速で前進しながら切り裂くスキルに派生する。
ブオンと音がなり、俺はその先に進む。
俺が居たところが多数のスキルで煙に包まれる。
もう遅い。あいつは既に『キンッ!』
「あっぶねー、カイザーじゃなかったら死んでるー」
カイザーチートに無効化されたんだけど。
強すぎ! 死ね!
こいつらこんな卑怯な戦い方してんのかよ、俺もだけど。
「ソードダッシュ!」
近づいてきやがって!
タイタンマグナムの応戦も無意味だ。
『加速』
加速しながらその場を去る。
「待ちやがれ!」
ジリジリ追い込まれ、部屋の隅っこに追いやられてしまう。
「はーあ、面倒な奴だ」
もう少し、もう少し耐えたら。
「死にやがれ! ガランドウ!」
周りも合わせたようにスキルを放つ。
「ソードウェーブ」
「デモンゲイザー」
暗黒の斬撃と無属性の斬撃。
そしてガランドウのタイミング。
絶体絶命の超ピンチ!
『ファントムソード』
打開してやるよ、この状況!