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ルールブレイカー




『お前の勝利も何もかも、ぶっ壊してやる』



 俺はステップを踏みながら魔法を詠唱する。


『アルト――』


 一定の速度で発声を止めて詠唱をキャンセル。


 キャンセル効果を発動させる。


 『アルトゥス・バイト』魔力の牙で対象を噛み殺して出血に比例して体力を回復するスキル。


 このスキルにだけ備わるキャンセル効果。


『アルトゥス――』


 次の詠唱加速バグ。


 これはキャンセルを繰り返すだけ多段する。


 明日には修正されるだろうな。


 まあ、今勝てば問題ない。


「アルトゥス・バイ――」


 詠唱速度を調整しながら何度も魔法を唱えては口を閉じる。


 相手の魔法『ファイア』を無詠唱で使える『ソードダッシュ』で避ける。


 剣先から魔力を放って反動で加速移動するスキル。


 勝利を確信した俺は、剣先を向けて48回目の詠唱を始める。



『ルシフェル・ゼウス・プリオール・ヘクター・ユグドラ・カオス・ファントム・エレノア・ペルセポネ・サタン』



 最速で一分の暗記必須の詠唱。


 普通なら『詠唱阻止ノイズ』というアイテムを誰かが使う。


 効果は詠唱の無効化。ちなみに十万円のレアアイテム。


 バグで加速しまくった詠唱時間は僅か一秒。


 そんなアイテムを使う前に俺の詠唱は終わりを告げる。


「あの魔法がもう終わった……!?」


 神々の名を使う魔法の効果は相手の勝利を無くすこと。


「ぼさっとするな! さっさとマジックシールドを始めろ!」


 五十万円はする最強のアイテムがポンポン使われていく。


 薄いピンクのオーラが段々濃さを増していく。


 焼け石に水だ。


 唱えた神の数だけ魔法を注ぐ神話の禁術だからな。


「ウ、ウ、ウ……」


 地面からゾンビと首なし騎士団が姿を見せる。


 空から雷と大樹が降り注いだ。





 たった一人でVRMMOのクランバトルを荒し回る青年が居た。


 所属するクランは『 』


 なんでもできる青年の役割はサブマスターとマネージャー。


 雑用係も兼ねたクランマスターだ。


 常に見たことない戦い方を繰り広げる姿に。


 プレイヤー達は『ルールブレイカー』と呼んだ。


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