第3話 魔力暴走
その暴走は僕の知る限り、最大級のものだった。一瞬で十数メートル飛ばされた!なんて魔力量だ!
と、知覚する内に乱れた、探知を再開する。一度付けた探知はすぐに再起動した。
…感じた妖気は、計り知れない大きさだ…
魔力を魔法に立式変換せず、放出された妖気は一気に雲まで届き、
そのまま雲を押し退け天上を晴らす。
[バイス林]は平野が広がる小さくない森と言えるほどの規模の林だ。
それを、そのほとんどを『魔法効力領域』に仕立てた。
その金髪と、耳は逆立ち、
その金色の尻尾は、二股にたなびき、
その傷だらけの体からは、妖気と共に、、生気も漏れ出ているようだ…
彼女が頂きとし、逝くもの生けるもの、全てにおいて、勢する様は、苦しくも美しいと思うほどだった。
そして、遂に、閉ざされたままだった、その瞼を、
とてもゆっくり、
時間をかけて、
瞳を覗かす。
既に戦闘状態と考え、思考を切り替えていた。
あらゆる局面に対し対応できるように。
だが、
心づもりもあり、
知覚も加速して。
その瞳を見る、いや、見てしまうまでは。
その眼の内、
右眼は真紅に燃え盛り、
一方
左眼は瑠璃色に沈んでいた。
魔力暴走させ、恐らく元は右眼も瑠璃色だろうところ、始めから変化することを前提とした眼だとして、魔力で変色しているのなら、
出てくる答えは、、、
一つしか知らない…
その事実に目を見開きながら、ベリクは、悟る。
一度ここで区切ります。すみません。次、すぐ出します。
今話もお読みいただきありがとうございます。