第8話 ギルド行かなきゃ
久しぶりに、本当に久しぶりの投稿となってしまいました。何度も死を覚悟するほどごたついていて投稿ができませんでした。ようやく再開といった形に、、、、、えっ?夏休みの宿題?いや、知らないですね。そんな物。
ようやく少女が目覚めたことにひっそりと安堵しながら、僕は取り敢えず
「おはよう、夕方だけどね。」
と、笑いかけて、発声する。うわずらないように、怖がらせないように、慎重に選んだ言葉で。これによって円滑なコミュニケーションが取れると言う…
「ーーー…あ、あなた、は…」
計画で…
「………何?」
ある……あったはず…だった。
(何やってんだ…)
どうやら僕はセリフを間違えたようです。
心の中で嘆息を漏らし、おそらく無駄に散ったであろう、あの後の一日を思い出すのだった。
と、ありきたりな回想を入れるのは、断じてあの後、彼女の寝顔に癒され見惚れ、ぼーーーーーーっと腑抜けになりかけていたのを隠したいが為では無い、断じて、絶対に!
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治療が終わり次第、僕も疲れで晩飯を食べた後すぐに寝た(流石に床で)わけだが、朝起きてからは何かと動いた。
朝起きてから顔を洗い、歯を磨いて、いつもの朝の準備運動をするため、宿の前の小さな空き地に着替えて出る。
まず屈伸やしんきゃくなどの軽い運動で寝ている間に固まってしまった体を起こしていく。
温まってきたらすこしずつ動きを大きくしていく。心拍数が上がり体に血が流れて、回って、通って、調子を上げていく。
「今日は特に調子が良いなぁ〜。」
関節が温まり身体の回転が速くなる。
その調子で『身体強化魔法』をかけて動きを高速化して………
その時、異変が僕を襲った。
魔法を発動しようと思って、並行して動こうといたら、、
体が思いっきり、
ガコン。
あまり聞き慣れない音を立てて急停止した。
その反動で僕は、頭からすっ飛んで、
「なっとっぅえあ?」
素っ頓狂な声を喉から発してしまう。そして、
「クゲェッ」
蛙の潰れた時のような音を立てて、頭から地面にダイブしてしまった。
前言撤回。
「今日は特に調子が悪い…」
頭をさすりながら呟いた。
その後は、武器、特に銃の抜き身の練習をする。
人の体は、すぐには動かない。しかし体に染み込んだ動きならば、半ば反射的に繰り出すことができるようになる。魔物が跋扈するこの世界で
不意に、万が一、などという事など、ざらにある。実際に熟練した冒険者がそんな風な目にあうのを見たこともある。
そこで僕は突発的事象に対応できるように、体にその動きを染み込ましてきた。
空いた日などはそもそも武器を触る事なんて特にないから、サボっていると、いざという時に反応できなくなってしまう。
少し億劫で、もう慣れた朝の早起きと準備運動がてらの訓練を盛り込んでの習慣であるが、思考の残滓を振り落とし、上げた体温に呼応するように集中していく。
徐々に頭がクリアになっていく感覚を覚えながら的を絞っていく。
刹那に両手に銃を掛け、正面に持ってくる………
ポンポンポンポン、
と同時に発砲。
音が締まらないのはゴム弾で微量の火薬からなる弾丸で訓練をしているので銃らしい音はしない。
左右数多の弾を排出したら、急いで弾を回収する。
「ええっと、…後3、、、2、、、…あれ?」
一つだけ見当たらない。やばいなぁ、急がないといけないのに……
ガチャッ
「あっやべ、
「朝からオモチャで騒ぐんじゃないわよっ!!」すすすすすすみませんっ!!」
バタンッ
急ぐ理由と音がミュート気味だった理由の最大値である、近所のおばちゃんのクレームを朝の挨拶として受け取ったのち、コソコソ宿に帰る羽目になった、朝の運動が終わりました。
因みに最高の一発は足元にあったとさ…。
余っていた保存食で朝食を済ませて、良い頃合いの時間になったのに気付いた。
「そうだ、ギルド行かなきゃ。」
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『冒険者』
『ギルド』
この単語を聞くとつい御伽噺に登場する英雄達や勇者達の冒険譚、英雄譚を連想しがちだ。実際現代の勇者は冒険者をやっていると聞いている。
が、やはり一般人には縁もゆかりもない話で、さらにその勇者も帝国に在住だとか。思いっきり外国である。
つまりは何が言いたいのかと言うと、どれだけ理想を追い求め、体制を整えても、、、、
「ーーおーーーおはようさーーーーん…ベリグゥ…………zzz」
「話しながら寝るなよ…ノーン。どうしたの?」
「ーーあぁん゛?……二日酔いだよ、あだまいでぇ゛…」
「心配して損した。」
こういった呑んだくれは発生してしまう。
御伽噺は、御伽噺でしかなく夢見て街に出てきたはいいが現実はしっかりと仕事をしている。
そう夢を挫かれノーンのように呑んだくれに成り下がる、少年少女のなんと多きことか。
だけど知っている。『夢』は見る物で、
決して在る物ではないことを。
挫かれ、砕かれ、折られた心がどれだけ痛いかを。
若いはずなのに冴えないおっさんと遜色ない、排水溝にゲロっているどうしようもない青年の背中をさすりながら、そう感慨に浸っていた。
ノーン:ベリクのさすりが、グーな件について。
つっ強っ(うっぷっ)