第3話
大輔「俺の名前は大輔、あんたの名前はなんていうんだ?」
色々聞きたいことはあるが、まずは自己紹介からだと思った
紫織「し、紫織です、あのその、さっきは叩いたりしてごめんなさい」
割といい子なのかもしれない
紫織「そ、それと、そのコスプレの人は誰?」
リリス「コスプレではないですよ、私は天使なのです」
ちょっと黙っててもらっていいかな!話ややこしくなるから!
大輔「こいつ酸素欠乏症で頭がおかしくなってるからあることないこと喋るんだ、余り気にしないで」
リリス「酷い!大輔さんはどうして私にそんなに冷たいのですか」
とりあえず俺は無視して話をしようと思った
大輔「えっと、紫織はなんでベッドの下なんかにいたの?」
紫織「そっ、それは……」
言い淀む紫織、やっぱりこいつストーカーなのか
リリス「あっ!わかりました!あなたストーカーさんですね!前にドラマで見ましたよ。」
こいつ凄いな、本人目の前にして言いやがった
それとお前はドラマを見る前に常識から学べ
紫織「うぅぅ、その呼び方はやめてください、泣いてしまいそうです。」
泣きそうになる紫織
なぜ俺が保健室に来るのがわかったのか、いつからやってるのか、聞きたいことは色々あるが、まずは
大輔「なんで俺なんだ?自慢じゃないが女とフラグが立つイベンドをこなした覚えがない」
紫織「大輔くん、覚えてないんですか?小学生の頃なんですけど」
覚えてないよ!てかいつからストーカーしてんの!?
大輔「ああ、ごめん、覚えてないや」
紫織「そ、そんな〜」
紫織にとっては思い出深い話らしいが、俺にとってはそうでもないらしい
リリス「そうです、お二人でデートしちゃいましょう!」
大輔、紫織「デート!?」
大輔「なぜ、こうなった」
リリスの言い分では彼女いない歴史=年齢で彼女欲しいなら、ストーカーの彼女は打ってつけだと
逆に彼女はストーカーするほど、好きなら、お互い利害は一致してるとのこと
いや、ストーカー彼女にするってのはどうなの……
時間を確認したが、待ち合わせの時間になっても紫織が来ない、仕方なく先日交換した電話番号にかける
紫織「は、はい」
大輔くん「あ、もしもし大輔だけど今どこにいるの?」
紫織「あ、あの、大輔くんの後ろ5メートルにある自販機の横にいます」
振り返ると、自販機の横でヒョコヒョコしている人影がいる、あれか
大輔「すまん、丁度電話かけてしまったみたいだな」
紫織「い、いえお構いなく、家を出るところからずっと見てましたから」
そういうと電話を切ってしまった
ん、いまこいつなんて言った……
俺は聞かなかったことにして紫織と合流した
リリス「今度こそ私が名誉挽回するチャンスです」
少し離れたところから2人を見守るリリス
誰にも見えない、ステルス状態にあるので、離れる意味はないなだか、雰囲気の問題である
どこからか、ゴソゴソし始めるリリス
リリス「パララパー、ご都合主義変換器、これがあれば今度こそ、必ずや大輔さんの願いを叶えることが出来るはずです」
そういうや、何処からか謎の四角い機械を取り出した
その四角い機械に取り付けられた試験管らしきものの中に2人の髪の毛を一本ずつ入れる
リリス「これであとは祈るだけです」
天使は誰かに祈った
店員「おめでとうございます!あなたたちは記念すべき1万人目のカップルなので、メニュー全てが半額で美味しくいただけます!」
店員「これは私からお二人の記念になればと」
持ってきたのはケーキだった
しかし、それは凄いデコレーションされてる上にfor ever love と書かれたケーキだった
店員「お礼はいりませんので」
ウインクをされる
いや、お前なんなの……
食べた後で街をウロウロしてると兄ちゃんと声を掛けられ
通りすがり人「うまくやれよ」
ポケットの中に何かを捻じ込まれた
誰だよあんた!?
確認するとそれはコンドームだった
俺が確認したのを見ると、通りすがりの人は親指をグッとして手を高らかに上げさって行った
いや、お節介だよあんた、ホント誰だよ!?
大輔「おい!リリス!いるんだろ!ででこい!」
声を張り上げた
リリス「どうしてわかったんですかー?」
少しオドオドしているリリス
わからん方がどうかしてるだろ
大輔「この状況はなんだ!」
リリス「えっと、私も協力しようと思って、道具を使ったんですけどー」
またあのヘンテコ道具か!!
大輔「いい加減にしろ!いつも余計なことしかしない!お前、人が嫌がることして楽しんでるだろ!この悪魔め!」
リリス「そ、そんなことないです!私は大輔さんのためにと!」
大輔「元々悪魔なんだろ?職を変えようと、生まれまでは変えられないんだな!」
リリスは泣きそうな顔になった
リリス「私だって、好きで悪魔になったわけじゃ」
そういうと泣きながらリリスは何処かに走り去ってしまった
紫織「追いかけなくていいの?大輔くん」
心配そうに見つめる紫織
大輔「いいんだ、あんなやつ、こうでもしないと変わらない」
少し心配だが、あいつに散々な目に合わされてるし、別にいいだろうと思う大輔
そのままデートの続きをした
リリス「私、天使に向いてないのかもしれません」
リリスは鼻をすすりながら、話しかける
ガブリエル「まあ、何事にも向き不向きがあるからねぇ」
こればっかりはねぇ、と困った顔をする
リリス「そ、そんなぁ〜」
肩を落とすリリス
リリス「私はこの仕事に向いてないのかもしれません……」
デートから帰った大輔はリリスのことをずっと考えていた
モヤモヤした気持ちを晴らそうと、ここは一発
秘蔵のコレクションを取り出し、ズボンを脱いだところにそいつは現れた
ガブリエル「人の子よ、なぜズボンを履いていない」
大輔「とりあえず出てってもらっていいですか?」
大輔「どうしてお前らはノックもしないで人の部屋に入るのかな。プライバシーもクソもないよ?警察行くか、このやろぉー」
少しイライラした態度で話す大輔
ガブリエル「そうしたら私はあなたがズボンを脱いでシコシコしようとしていたことを告白しましょう」
こいつ!俺がナニしようとしてるかわかってるじゃねーか!この嘘つき天使!
大輔「それで、新しい天使様が何しに俺の元に来たのですか?」
嫌味気味に言葉を返す大輔
ガブリエル「リリスが天界に帰るようだ」
大輔「!?」
ガブリエル「理由はわかるな」
確かに思い当たることはあるが、まさかそこまで思い詰めてるとは
大輔「俺のせいとでも言いたげだな」
ガブリエル「思い当たる節があるようだな」
こいつ絶対知ってたな、嫌な奴!
ガブリエル「そこでだ、大輔くん、君にリリスを止めて欲しい」
ガブリエル「君がいて欲しいと願えばリリスも下界に残るだろう、それが今できるのは君だけなのだ」
理由はわかる、リリスは天使として人の願いを叶えたいと思ってる、その対象である俺が残って欲しいといえば帰らないかもしれない
だが俺は自分から言うのが気に入らなかった
大輔「どうして俺がそこまでしなくちゃならないんですか?」
ガブリエル「君がしなくちゃ、ならないとかではない、君が残って欲しいか、残って欲しくないかだ」
大輔「そいつは、願ったり叶ったりだ、俺はあんな腐れ天使に残って欲しいと思うほど、人間出来てない」
きっぱりリリスを否定する大輔
ガブリエル「そうか、残って欲しくないのか、じゃあ、しょうがないな」
そういうと杖を光らせる
ガブリエル「それではここにいても仕方ないので、帰らせてもらおう」
大輔「勝手にしろ……」
そういった直後
ガブリエル「では、御機嫌よう」
ガブリエルは帰ってしまった……
大輔「知るか……あんなやつ……」
結局その夜中ずっとリリスのことを考えてしまうのであった