第一話 あぁ、この世界は実にくだらない!
第一章 あぁ、この世界は実にくだらない!
七月二十八日午前七時00分00秒
今日もまた何度聞かされたかもわからない目覚ましのベルが鳴る。そうしたら彼はいつも通り眠そう起きた。しかしのんびりしている間もなく、
「悠斗ご飯よ」
という声して、仕方なく彼は起きる。悠斗とはもちろん彼の名だ。ちなみに本フルネームは霧夜悠斗である。
それから悠斗は顔を洗い、着替えて、それで朝を食べる。適当に世間話でもしながら食べ終わると、いよいよ母と妹に挨拶をして高校へ行く。
「行ってきます」
と、だるそうに言うと
「行ってらっしゃい」
という、二つの声が元気よく、いつもと変わらず聞こえてきて、それと同時に振り返りもせずに、ドアを開けた。そこにはいつもと変わらない、東京の風景が広がっている。そして、向こうの高層ビル群の間から出ている太陽が、これまたいつものようにまぶしく輝いていた。「はぁ。」とため息を漏らした。そして悠斗は、のそのそと、目的地に向けて歩き出した。
その通学路には、さすが東京という感じで、人がそれこそごみのようにうじゃういじゃと、うごめいている。そこにある建物も、大通りも、向こうに見える山も、いつもいつも見る風景。
ふとそこを歩く観光客と思わしき親子が話している声を、悠斗は聞き取れた。
「さすが東京だな恵美。高いタワーもあるし、遊ぶところもいっぱいあるな~!」
父親のほうがそういうと、満面の笑みで、娘のほうも元気よく答える。
「そうだねパパ。私もこういうとこ住みたいなー。だって毎日飽きずに、いろんな事して、遊べるんだもんね」
田舎育ちの方々にとっちゃあ東京は「楽園」なのかもしれないと悠斗は思う。現に悠斗も、田舎育だった。しかしその「夢の東京」も、わずか一年の間に飽きてしまった。もし毎日ドキドキ、ワクワクの暮らしだったらいいとして、この日本国に生きる人間は一日いや一生でもやることなんて、ごくごく限られたことだった。この「ちょっと普通よりできるだけ」というレベルの悠斗の使命は、
『朝起きて学校行って帰ったらいそいそと塾に行き、晩飯も向こうで食って帰ったら風呂入ってスマホいじって寝る!』
という、しょうもない使命である。そんな生活をただただ繰り返すだけであり、たとえ東京暮らしだからと言って毎日遊びほうけられるわけでもない。とはいっても悠斗だって「来る前」は、それを期待していたのだが。
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そうこうしているうちに、高校につく。ここはかなりの名門校であり何とかIQ120という悠斗には到底似合わないところ。中学生時代、親に言われた彼は猛勉強の末、なんとか合格できたのだった。とは言いてもすべてを勉強だけに費やしたせいで、コミュ力はめっちゃ衰退してしまった。
その後も授業についていけない悠斗は、勉強するために、一応入った「科学クラブ」とやらも、絶賛、幽霊部員である。
教室についた悠斗は、カバンの中身を引き出しに入れると、ロッカーに片づける。ちょうどよく、チャイムもなった。
この天才集団の中では何のとりえもない悠斗は、その退化したコミュ力と合わさり、クラスでも浮いた存在だった。現に悠斗はみんなが会話を楽しんでいる中、一人。
「予鈴なったんだから座れよ!天才集団なんだろ!」
威厳のない悠斗は小声でそういう。そのあとはぼんやり窓の外を眺めるだけ。
あぁ。なんともむなしいものだ。と、悠斗は心の中でつぶやいた。
申し訳ないですがこの話は当分更新しません。まぁ読んでくれている人などいなさそうですが…(笑)ぜひ新しく出している方を見ていただけると幸いです。