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僕は、蝉が嫌いだった。  作者: 夏ノ瀬
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一日目 蝉なんて

こんにちは。夏ノ瀬です。

夏なので、夏をテーマの小説を書きました。


蝉が嫌いな少年が、蝉を、夏を好きになるお話です。

―ミーンミンミンミン...―


蝉の鳴き声がする。今は...7月上旬。


「あっちィ...」


顔にかいた汗を腕を使って拭い、シャツの首回りを掴み、パタパタとさせて暑さを凌ぐ。


「はぁ...家にはエアコンないからな。扇風機じゃそんな涼しくならねぇからエアコン買えって親父に二年間言ってんだがな」


まあ、家にはそこまで金に余裕もないし、何より俺、弟、母、父、祖母、祖父の六人家族。いつも煩いし、人数が多いから暑い。扇風機だって、3台しかない。毎日扇風機を巡って戦争してるもんだ。(俺はバイトで稼いだ金で自分の扇風機買ってるから回避しているが)


「夏休みだし、バイト長期間休み貰ってるけどやることないし、あったはあったで面倒臭いし」


俺の性格が悪いのか、目つきが悪いのか、友達もそこまでいない。家族で出かける予定もなければ、遊ぶ予定もない。となると、俺がやるのは...


「アニメ鑑賞かネットするか...くらいだな」


そう、俺はそこまで、というというほどではないが少し引きこもりじみている。行きたい時に学校行って、行きたくない時に行かない。眠かったら行かないし、アニメ見たかったら行かないし、ネット見たかったら行かない。という事だ。学力もそこそこだから、別に大したこともないのだ。


「うっせえな」


俺は蝉が嫌いだ。『うるさい』そりゃもちろん、蝉が嫌いな人はこれを第一の理由にするだろう。確かにそれもそうなのだが、俺が蝉が嫌いな一番の理由は、『夏を余計に暑くさせる』ような鳴き声が嫌なのだ。


「ミーンミンミンミン...」


「マジでうるせぇ。殺意が湧くぜ...暑すぎるし、避難の為にコンビニでも行くとすっかな」


近所のコンビニは、アイスや、お菓子等の種類が豊富であり、冷房がガンガンについていて、とても涼しいと有名で、この田舎で唯一のコンビニだ。そんな天国のようなコンビニは、俺の家から徒歩約二分。唯一のコンビニが近くて得をした気分だ。


「さーてさて。出かけますか」


そう呟き、俺はリュックを背負った。

少し大きめのリュックに入っているのは、財布、スマートフォンのたった二点。あとは、右腕に黒い腕時計。バイトの給料を貯めて買った3000円弱ほどの腕時計だ。そして耳にヘッドホンを装着し、五月蝿い蝉の声が聞こえないようにした。


「いらっしゃいませー!」

コンビニ特有の「ピロピロピロピー」という音と共に聞こえてきた元気な女性の声。チラッとレジの方に目線を向け、彼女を見たが、そこまで可愛くもないし、俺のタイプではなかった。

まず最初に菓子を買おうと菓子コーナーに向かおうとした瞬間―


「あれ?なっつーじゃん!久しぶり!元気してたか?」


後ろから呼び止められ、後ろを向くと、コンビニの制服を着ている同級生、『横澤 竜希』がいた。


「何お前、ここでバイトしてたの?つーか、そもそもバイトしてたの?俺割とここの常連なんだけど」


「あれ、なっつーに言ってなかったっけ?してんだよー夏休みの間だけなんだけどな!涼しいから!」


「そのなっつーって呼び方やめろっての。...俺も近いし、よく来るんだが、会うの初めてじゃね?」


「あー。時間とか曜日合わなかったんじゃないの?」


俺は顎に手を置いて、数秒考えるかのようにし、「俺がお前に会いたくないと思ったから会わなかったんじゃね?」と言い、ニヤリと笑って見せた。


横澤は、「なんだよそのひっでぇ言葉!じゃあな!」と言い残し、手を振って去っていった。


「はーめんどくせえな。横澤の声は蝉くらいにデカイから、ヘッドホンしてても聞こえるしでけえし。めんどくせー」


独り言をポツリとこぼし、フラフラと歩きながら、カゴに、グミ、ガム、アイス、コーラを入れレジに向かった。


「こちら、温めますか?」


「は?」


俺の会計を担当したのは、先程「いらっしゃいませー!」と、元気よく発言したあの女性。


「いや、なんでアイス温めるんだよ。バカなの?」


他人相手にちょっと暴言を吐いてみた。他人相―


「じょ!う!だ!ん!工藤くんがなんて言うか試したかったの!」


「いや、ドMかお前は。ってか、なんで俺の名前知ってんの?!」


「なんで忘れてるの!確かに工藤くん学校来る日数も少ないし、夏休みだし、あまり私と会話しないし、忘れたのかも知れないけどさ!2年3組15番!加藤 香!」


他人ではなかった。確かにそんなヤツいたようないなかったような。


「わっり。俺、印象に残ってる相手しか覚えてねーんだわ。お前とは話したことすらないような気しかしない」


「酷いね?!」


「10分以内に二回も酷いなんて言われると流石に傷つくよ。確かに俺は酷い人間だけどさ。いいからさっさと会計して。次のお客さんも待ってる」


「...夏休み明けはちゃんと学校来てよね」


どこか寂しげな顔で言い切った加藤。俺は空気を読んで理由には触れなかった。


「さぁな」

僕は夏と冬、どちらが好きかというと、夏です。

暑さはまあまあ我慢出来るのですが、寒さには負けます。それに、祭りもありますしね(笑)

僕は主人公の夏樹と違って、蝉の鳴き声好きです。それに、鈴虫も。夏っぽさが出て良いですよね。夏樹にも早く蝉を好きになってもらいたい!夏を好きになってもらいたい!


と、いうことで、次回も宜しくお願いします。

(良ければ「吹部の男子は恋する男子!」のほうも宜しくお願いしますw)

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