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1話

何の変哲もない平和な日常をください、と、誰かが言った。

その言葉を聞いた者は、果たして何人いたのだろうか…




「今ここに、国立魔道学園高等学校、第50期生、80名の入学を宣言する」


桜舞い散る四月。ここ、国立魔道学園高等学校は、第50期生を迎え、学園の歴史を新たに刻もうとしていた。

────この学園に入れる者は、加盟国から集められた優秀な者達のみ


この学園は、言わば今起こっている世界戦争のための、兵士を養成する学校。勿論、数年前までは本当に普通の学園だった。だが、五年前に始まってしまった世界戦争により、加盟国…つまり、今日本がいる連合国。そこには、ロシア、ヨーロッパ全土、アメリカ、中国等が加盟している。彼等はアフリカのテロ組織を排除するために作られた。テロ組織によって恐怖となる全世界。連合軍が勝つことはできるのか?それは学園からの兵士達にかかっているのだった…




「さて、君達の担任をすることになった、劉崎(りゅうざき)・クリスチャーノ・(はやて)だ。劉崎先生とでもなんとでも呼んでくれ。この3年間、このクラスは1つの部隊だ。みんな、そのことを忘れずに毎日を過ごしてくれ。今日のHRはこれで終わり。明日から授業や戦闘訓練があるから、用意忘れんなよ?んじゃ、解散」


今年入った50期生は5クラス。つまり1クラス20人という少数クラスで成り立っている。普段は学生として、日々の授業、訓練をしっかりと受ける。だが、前線の兵士や、戦闘要員が減った場合、彼等も戦うのが決まりであった────



腰まである長い黒髪を2つにわけ、きっちりと編まれている三つ編みにしている彼女…苗次真慧(なえつぎ さなえ)は、席を立ち、帰ろうと荷物をまとめていた。そばに人が立っていることに気付き、真慧は顔を上げた。

「苗次さん…で、あってるかな?」

明るい茶髪をポニーテールにした少女が話しかけてきたのだった。真慧よりも背は高く、モデルのようにも見える。

「そう、ですけど…何か御用でしょうか?」

「ううん、用って程じゃないんだけど…よかったら一緒に帰らない?」

真慧は少し人見知りなところがある。そしていきなり一緒に帰ろうという申し出に対し、驚いた。

「え、あ、はい…いいですよ…?」

疑問形になってしまった。だが、少女は気にする様子はなく、嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。

「ありがとう!もう1人一緒に帰っても大丈夫かな?」

「それは大丈夫ですが…」

「やった!ありがとう!桜菜(はるな)、いいって〜」

少女は、真慧の前の席の少女に、声をかける。どうやら桜菜と言うらしい。

「ほんと?ありがとう苗次さん。龍華(りゅくか)ちゃんありがと〜」

真慧に話さかけてきた少女は、龍華と言うらしい。真慧は瞬時に覚えておく。

「いえいえ〜。さて、帰ろっか!」

3人は荷物を持ち、教室を出て、帰路についたのだった。


この平穏な日常は、果たしてどのくらい続くのだろうか…それを知る者は、まだいない。

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