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ドジっ子悪役令嬢ティセちゃん  作者: ひととせ そら


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4/10

■悪役令嬢、重要な場面で噛んだ■

-------◇------◆------◇------◆------◇------◆------◇------◆------◇-------


今日は学園祭ーー。

学園の広場には、大勢の観客たちと学園の生徒たちが集まっている。


ここにはもちろん、聖女のエルノア、元婚約者のアーノルドもいる。


学園の生徒たちは今ここに、演目を披露しようとしているという、

まさに直前の時。


聖女「え…こんな大勢いる人たちの中で、演技するの…?」

近くにいる聖女がその観客の多さに怯えて震えている。


ちなみに私はこの後、そんな聖女に向けて、

公爵令嬢として堂々たる態度をし、格の違いを見せつける…という場面。


そう、ここは…

『重要なイベントシーン』なのだ。


長台詞もあるし、噛むわけにはいかない!


私は優雅に聖女のそばへ歩み寄り、

いつも持ち歩いている扇子を取り出し、口元を隠すように添え、

余裕そうにくすりと微笑む。


さぁ、いくわよ!


悪役令嬢「あら…怯えてらっしゃるの?

見てみなさい、聖女エルノア。この群衆全て…老若にゃんにょが…

…ろう…老若にゃんにょ……。…ろう、…老若にゃん…。

っ…。」

周り全員(「にゃん」?!)


悪役令嬢(…噛んだ。…しかも、しょっぱなの台詞で…。

ここ、格好良く長台詞言う重要な場面なのに…。

…だって、あれ、難しいんだもの。

『老若男女』? 誰よっ、こんな難解な言葉作ったの!!)


周りの生徒たち(ティセ様…可愛い…っ)

聖女(え…? 公爵令嬢なのに、ここで噛んじゃうの?

なに…この可愛いドジっぷり…)

王子(…公爵令嬢でこんな場面には慣れてるはずなのに…。

…いや、ちょっと…可愛すぎないか…これは。)


静まり返る広場からは

『キュン…ッ』

という効果音が、あちこちから聞こえてきそうなほどでしたが、

それに気づかないのは当の本人ばかり。


この学園祭の出来事以降、

ティセの隠れファンが激増しましたとさ。(※王子と聖女含む)


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