人間の欲についてー1
「欲のない人なんかいない」とは、よく言われること。
欲には、征服欲、財欲、名誉欲、性欲、食欲などいろいろあるが、そのどれにも良し悪しはないと思う。だが、得てして、これらへの執着心が強すぎるとトラブルになる。要はその執着心が強いか弱いかで、事態は変化するのではないか?私は比較的、執着心は弱いと感じる。欲はあるが叶わなかったら、それはそれで仕方がないと諦める。しかしだ、その諦めに至るまで苦悩しない訳ではない、方々に手を尽くし、それでも得られなければという話だ。それが良いか悪いかは分からないが、強い欲に支配されると間違った決断をしやすいのではないかと考える。
強い欲は色んな人に影響を与え、時には傷つけ、時には大事なものを失う結果として現れる。最終的には自分自身に降りかかってくるという構図を今まで何度も見た。
しかしだ、他人の欲が己に降りかかり、理不尽なことにあった時に抵抗しないのも難しい選択だ。つまりは争いごとの原因に、この強い欲というものが根本にあると思うのだ。
欲の渦中にある時、何のために自分はそれを欲しているのだろうか?と、考えることはとても難しいことだと思う。執着心が強い間は、脳は多角的に考えることを拒んでいる。
だが、その執着心を少しずつ解き放ち、俯瞰でみるようになると、見えてくる景色はかなりクリアになり、変わってくる。
先日、このような講座を体験した。
自分の意識を体に向けて、今の自分が自分の中にあることを意識して、外観に意識を向けると言うものだ。海外では座禅から発想を得た手法として、有名な経営者などが実践しているそうだ。だが、これはやってみて、取り入れることができる者とそうでない者がいることは明らかだ。みんながみんな、これを有効に使えるわけではなさそう。
また、すぐになんらかの変化がでるというものでもないと話していた。私はときおり、この手法を試しているが、今を生きているのは自分自身の誰でもないと意識することができたように思う。