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B-1B戦略爆撃機は如何にしてF-2支援戦闘機へと転身を遂げたか

作者: 巣田 夏生

 当作品は戦後日本を描く架空戦記でよくある、分断国家日本を舞台にしています。

 北日本(日本民主主義人民共和国)が存在し、その脅威に対するため、自衛隊は史実以上に強力で好戦的となっています。特に海上自衛隊は航空母艦を保有する大戦力となっています。

 なお北日本の領有領域、および戦力等は明記せずあいまいな表記となっているため(作中の表記に矛盾しない範囲で)ご自由に脳内補完してお楽しみください。

 F-2(エフツー/エフに)は、航空自衛隊の保有する可変翼支援戦闘機である。米国のB-1B戦略爆撃機を基に各部に改良を加えて開発された機体で、1996年(平成8年)に初飛行し、2001年(平成13年)から部隊配備を開始した。

 レーダーのAESA化、電子兵装の強化、炭素繊維強化複合材を多用しての軽量化、対艦ミサイル、空対空ミサイル他、各種兵装運用能力の付加など見た目にはほとんど変わらないが中身は別物と言っていいほど改修されている。

 防空、要撃、航空阻止、近接航空支援、対艦攻撃など多種多様な任務を担当するが、主たる任務は対艦攻撃である。

 F-2はその戦力を搭載するミサイルに依存する所謂ミサイルキャリアーで、対艦ミサイル、長距離空対空ミサイル、対地誘導ミサイル等を機内兵装庫に24発、機外パイロンに12発、最大で計36発搭載可能となっている。(通常は機外パイロンを使用せず、機内24発のみの運用としている。機外パイロンを使用した場合はステルス性能が大幅に低下する)


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 F-2開発当初、B-1B戦略爆撃機をそのベースとしていたために日米当事国以外からの疑惑を招くことになった。

 「米国は日本に核武装させようとしているのではないか?」

 日本国内でも野党がこの疑惑を政争の具に利用し、マスコミを巻き込んだ政治問題が発生している。

 無論、米国が日本に核兵器を供与するはずはない。要求性能、開発能力、予算、そして政治的な駆け引きの結果から選ばれたのがB-1Bだったのだが、少なくともその理由に核戦力の移管は含まれていない。最も大きな理由は多数のミサイルを搭載可能なその搭載力と長大な航続力だったのだが、ではF-2が代替すべき先代の支援戦闘機とはどんな「支援戦闘機」だったのだろうか。


 1960年代後半、支援戦闘機の選定を始めた当初は、開発中の国産超音速練習機T-2を基に発展させた「仮称」F-1支援戦闘機を採用する予定だった。予算の都合上、十分な数の要撃機を調達できるか不安があるため、支援戦闘機に要撃任務を一部負担させるべく、対地、対艦攻撃とともに空戦もある程度行える戦闘攻撃機を欲していたためである。だが当時の東アジア情勢の変化はそれを許さなくなってしまった。

 1960年代末頃から、極東ソ連軍および北日本(日本民主主義人民共和国)が急速な軍備拡張を始めたのだ。特筆すべき点は、ソ連海軍が極東艦隊に配備した戦艦、および空母である。その他の補助艦艇、航空戦力も多数揃えていた。

 さらに大きな影響を与えたのが1970年にソ連が行った大規模演習「オケアン70」である。同演習で実施された対艦ミサイルによる飽和攻撃は、日米が艦隊防空体制を見直さざるを得ないほどの影響を与えた。極東ソ連空軍は言うに及ばず、空母を配備した極東ソ連艦隊、そして艦隊戦力に劣る北日本が航空戦力をさらに増大させることは必至だったからだ。

 艦艇の防空能力強化は当然必要だが、当面は航空機を集中投入しての防空に頼らざるを得ない。航空自衛隊は導入を始めたばかりのF-4EJを防空任務に集中投入する必要に迫られた。海上自衛隊の母艦航空戦力もまた同様に防空任務を主体とせざるを得なかった。東側の戦力拡大に対抗して急遽増額された予算措置で防空に専念する戦闘機が増強された。支援戦闘機(戦闘爆撃機)を導入して防空能力に不足が生じるよりは純然たる戦闘機を拡充するほうが良い、との判断だったが、防空戦力が充実する一方で対地、対艦攻撃を行うべき航空戦力が圧倒的に不足することになる。新たに導入する支援戦闘機は空戦能力よりも対地、対艦攻撃能力の充実が優先されることになった。F-1はこの点で失格となった。F-1の能力では搭載量が不足することが明らかだったからだ。

 主戦場と想定される北海道の地勢を考慮すると、対地攻撃のためには地形追随飛行能力が要求される。また対艦攻撃において敵防空網を掻い潜るために長駆低空侵攻を行う能力も必須となる。十分な搭載量、長距離進出可能な航続力を有し、地形追随飛行が可能、海面を這うような低空侵攻能力を持つ機体。これらの要求を満たす機体は決して多くはない。F-111が俎上に上がってくることは当然の結果だった。

 要求から導きだされる必然の結果として採用されたのは、F-111Aに対艦ミサイル運用能力を付加したF-111AJだった。なお、海上自衛隊は艦上支援戦闘機(攻撃機)として、(長距離空対空ミサイル運用能力を持つ)F-111Bに対艦ミサイル運用能力を付加した機体を希望していたが、当の米海軍がB型の開発を中止してしまったため、検討段階で頓挫している。


 F-111AJは当初の見込みより遅れて1977年に部隊配備が開始された。1960年代末から1970年代初頭にかけてのF-111シリーズのトラブルによる飛行停止、さらには1973年の第一次オイルショックの影響で調達計画に大幅な遅れが生じたためである。

 「もしF-1を選択していたらもっと早くに部隊配備できたのではないか」と今でも言われることが多いが、その場合は国産開発の難易度、開発開始自体が後発であることからやはり配備が遅くなった可能性は高く、意見が分かれるところである。

 T-2開発の段階で当時の野党が主張したようにT-38/F-5を選択していたら配備はスムーズに進行していたのではないかという意見もあるが、火器管制レーダーを持たないT-38/F-5ではその後の操縦士育成に支障を来していたであろうことは想像に難くない。

 なお強力な火器管制レーダーを持つT-2を採用したことが東側を刺激し、後の極東ソ連軍の大規模軍備拡張を招いた、主張する向きもあるが、お花畑思想に染まった勢力でしか通用しない主張であることは明白である。


 結果的には西側でもトップクラスの対地、対艦攻撃能力を持つ「支援戦闘機」を手に入れることが出来た航空自衛隊だったが、一方で海上自衛隊の母艦航空隊はどうだっただろうか。

 当時海自の母艦航空隊が主戦力としていたのはF-4ファントム系の戦闘爆撃機だった。F-4ファントムは空戦機動においても充分に優秀な戦闘機であったが、海自にとっては「長距離空対空ミサイルの運用能力を持たない」という一点において不満の残る機体だった。

 海自の母艦航空隊にとって最大の任務は艦隊防空であって、その最大の敵は長距離対艦ミサイルを抱いた東側の大型爆撃機だった。「長距離空対空戦闘しか能のない大型の機体は他の艦載機搭載数を圧迫する」として米海軍が開発を中止したXF6DやF-111Bは、海自にとっては大きな価値のある機体となるはずだった。1970年代前半に登場したF-14は(米海軍が制式採用したこともあり)海自にとって「今度こそ手に入れたい」機体だった。

 海自の戦闘機更新時期とともに空自のF-4EJ更新時期も重なり、次の主力戦闘機にはF-14を・・・と意気込む海自だったが、事はそう簡単には運ばない。敵は空自と大蔵省だった。

 空自の戦闘機にとっての主要任務は平時は領空侵犯機への対処であり、有事においては制空戦闘である。どちらにしても速度、上昇力、空戦能力こそが優先される能力であり、長距離空対空ミサイルの運用能力は「あれば嬉しい」程度のものでしかなかった。F-15は空戦能力の面でF-14に勝り、調達数で海自に勝る空自の意見が優先されるのは当然の結果だった。またF-15はコストの面でもF-14に勝るため、大蔵省も(予算の観点で)これを推した。結果、次期主力戦闘機はF-15に決定した。

 だがさすがに海自の母艦航空戦力を更新しないまま放置するわけにもいかない。F-14も(少数ながら)採用されることとなったが、複数の機体を同時に採用すればコストの上昇は免れ得ない。そのしわ寄せはどこかに行くことになる。そのしわ寄せは海自の母艦航空隊の「攻撃戦力」が被ることになった。

 海自にとって対地攻撃は余技でしかなく(対地攻撃の主力は陸自と空自だ)、対潜はヘリと水上艦艇が、対艦は艦対艦ミサイルが主力になる。母艦航空隊の攻撃戦力は予備と言って差し支えない。更新優先度が低くなるのもやむを得ない。F-14で更新されるF-4ファントムがそのまま攻撃戦力としてスライドすることとなり、攻撃機の更新は次の機会を待つこととなった。


 海自にとっての「次の機会」は数年でやってくることになる。空自の保有するF-111AJの後継となる次期支援戦闘機の選定が始まることになったからだ。海自はこの次期支援戦闘機選定への相乗りで(今度こそ海自の推す機体での)海空共用機種の選定を目指すことになった。

 選定当初候補に挙がったのは、国産開発、F-16、F/A-18、トーネードの四機種である。海自としては陸上機であるF-16、トーネードは受け入れられない。また空自にとっては(改修を前提とはするものの)F-16、F/A-18ともに、航続距離と搭載量を同時に満たすことは困難と考えていた。

 同じくトーネードもそのまま受け入れるには能力不足であり、改修は(政治的な理由で)困難と考えられた。そもそもがF-111AJの搭載量と航続距離を基準に考えるならば、並の戦闘爆撃機では要求を満たすことはできない。結局のところ、国産開発にお墨付きを与えるために最初から仕組まれた出来レースでしかなかった。

 当然のことながらこれは各方面からの非難を受けることになる。「ペーパープランだけで実機もなく、開発成功の見込みすら不明確な国産計画を支持することはできない」というわけだ。機種選定は振出しに戻り、(より計画を煮詰めた上での)国産計画を含む選定のやり直しが始まった。

 あらためて選定候補に挙がった機種は、国産、F-14、F-15、F-16、F/A-18だった。前述の理由から、F-16、F/A-18は早々に候補から脱落することになる。国産は、国内企業の技術育成の面で魅力的ではあるものの、開発の先行きがあまりにも不透明で積極的に支持するわけにもいかない。結局のところ、F-14もしくはF-15の改修機、もしくはこれらを基にした日米共同開発が妥当、という結論になった。

 空自として望ましいのはF-15(の改修機、もしくはそれを基にする共同開発機)だ。そして米空軍ではF-111シリーズの後継機となるF-15Eの開発が進行していた。これに相乗りし、対艦ミサイル運用能力を付加することが出来れば費用も開発期間も圧縮できるのではないだろうか。

 だが当の米空軍の反応は芳しいものではなかった。(米空軍としては必要としていない)対艦ミサイル運用能力を追加すれば、開発費用の増加、開発期間の延長を招くことになる。費用に関しては日本側に負担を丸投げすれば良いものの、開発期間の延長は受け入れることが出来なかった。F-15Eの開発が終わってからそれを基に改修を行うか、それでなければF-15Eとは別に改修を行うべきである。米空軍の対応は冷ややかだった。

 一方のF-14はどうだっただろうか。当時米海軍ではA-6攻撃機の後継機の選定中だった。専用攻撃機の開発案(A-12)もあったが、日本と費用を折半する形でのF-14マルチロール化計画も魅力的だった。もちろん米海軍の艦上機である以上、対艦ミサイル運用能力も必須である。改修計画自体が未だ白紙の状態なので、日本側の要望を最大限取り入れる余地はある。米海軍側は空軍とは異なり、かなり積極的な姿勢を見せた。

 米空軍、米海軍双方の対応を見た日本政府はF-14を基に共同開発を行う方向に傾きつつあった。だがここで事態を混迷させることになる事件が起こる。次期支援戦闘機選定に対する「陸上自衛隊」の「お気持ち表明」である。

 支援戦闘機の主な役目は「対艦攻撃」と「対地攻撃」だ。この対地攻撃によってもっとも恩恵を受けるのが陸上自衛隊の戦闘部隊だ。彼らにとって、戦場上空に滞在し、近接航空支援を実施してくれる支援戦闘機は神か天使にも等しい。彼らからみて支援戦闘機に要望する何よりの能力は「常在戦場」つまり「戦場滞在時間」だった。あえて言い換えれば「航続距離」となる。F-14(の改修機)の航続距離は、多少の範囲ではあるがF-15(の改修機)のそれに劣ることが予見された。F-14に傾きつつあった機種選定の天秤は揺り戻しを受けることになった。

 そして米空軍はF-15Eを基に開発を行うことを嫌っただけで、日本への協力を拒んだだけではない。なによりも大型案件を海軍に奪われることだけは避けたい。空軍からの提案は、F-111シリーズの最新鋭機、F-111Gの改修だった。

 戦略爆撃機の主流が高高度爆撃から高速低空侵攻に移り変わりつつあった時期、低空侵攻戦略爆撃機の不在を補うためにF-111Aをもとに航続距離と搭載能力を大幅に強化したFB-111Aが開発された。B-1Aの開発とその失敗を受け、代用戦略爆撃機であるFB-111Aは戦略空軍において(その能力に不満を持たれながらも)低空侵攻戦略爆撃機の主力を務めることになる。1980年代になりレーガン政権の下の軍拡で登場したB-1Bの配備が間近に迫り、FB-111Aは改修を受けて(核運用能力をオミットした)F-111Gとなり、戦術空軍へと移管されることが決定した。日本においてF-111AJの後継機選定を行っていたのはちょうどこの時期だった。F-111AJよりも搭載量と航続距離に勝る戦闘爆撃機としては(米空軍から見ると)ちょうど手頃な機体だったのである。

 F-111シリーズの後継機であるF-15Eが目の前にぶら下がった状態でF-111シリーズの最新鋭機を選択することに不満が無いわけではなかったが、F-111Gの搭載能力と航続距離は空自にとって魅力的だった。「搭載能力」「航続距離」そのつぶやきが聞こえたわけではないだろうが、次期支援戦闘機の選定に対し思わぬところから提案が舞い込むことになる。B-1Bの配属によりF-111Gを手放すことが決定した戦略空軍からである。

 空自にとってF-111Gが魅力的であるのはその搭載量、航続距離、そして低空侵攻能力であるが、F-111Gを上回る最新鋭機が存在する。そう、戦略空軍に配属されるB-1Bだ。

 なんの冗談だ、と思われるかもしれないが、実のところそこまでおかしな話ではない。F-111シリーズは戦闘爆撃機ではあるが、実際には空戦能力はほとんど期待できない機体である。空戦能力の面でみれば、戦略爆撃機と大差ないといってもいい。一方で搭載能力と航続距離では、B-1BはF-111Gを大きく上回る。戦略爆撃機なのだから当然と言っていいだろう。空自にとっては文句のない性能だ。むしろ過剰過ぎるほどだ。だが空自側が首を縦に振らざるを得ない殺し文句が待っていた。

 「対艦ミサイルを24発、最大で36発搭載出来ますよ」

 多少の疑念は抱きつつも、承諾せざるを得なかった。

 「だが戦略空軍にとって何か利はあるのだろうか」

 1980年代はレーガン政権下での軍拡の時期でもあるが、同時に核軍縮の模索が始まった時期でもある。中距離核戦力全廃条約(INF)の締結が目前で、更には戦略爆撃機からの核運用能力の撤去はほぼ確定された未来となっていた。B-1Bから核運用能力を除いた後には何が残るか。つまり戦略空軍は(B-1Bの戦術空軍への移管を見据えて)B-1Bを戦術爆撃機へ転用するための研究を、日本の次期支援戦闘機開発資金で賄おうとしていたのだった。

 そしてこれは米海軍と海自にとって残された数少ない勝機だった。核運用能力がオミットされるとはいえ、B-1Bは戦略爆撃機なのだ。おそらく単価は大型の戦闘機と比べても四倍ほどになるだろう。搭載力も大型戦闘爆撃機に比して四倍となるため総額で比較した攻撃力の点ではイーブンだろうが、単価が安いということは大蔵省に対するアピールとなる。攻めるとすればこの一点だろう。

 海自にとって次期艦上攻撃機の導入自体は必須であり、これが覆ることだけは無いだろうが、次期支援戦闘機導入に相乗りできなければ別途会計となり、大蔵省に疎まれることになる。できればこれは避けたい。逆に米海軍/海自が主導する形で次期支援戦闘機の空自/海自の共有化がかなうならば、今後の開発、予算措置で主導権を得られるかもしれない。単価を武器に大蔵省への攻勢を開始した。いや、開始しようとしたところで最後のプレイヤーが参入してきた。米商務省だ。

 この時期はちょうど日米貿易摩擦が両国間の大きな問題となっている時期であり、日本の大蔵省が予算を少しでも圧縮したい立場であるのに対し、米商務省は日本から少しでも多くの資金を引き出したかった。単価の上昇?望むところだ。日本から少しでも多くの金をむしり取れる。そして(前述のように)戦略空軍の開発資金を節約できる。米商務省としては次期支援戦闘機にB-1Bが採用されるのは望ましいことだった。もっと単価を吊り上げよう。いいだろう、(B-1Bを基にした)次期支援戦闘機に長距離空対空ミサイル運用能力も付加してしまえ。こうなるとあとは日米政府間の交渉となる。貿易摩擦問題を前にして、日本政府は膝を屈するしかなかった。ただし必ずしも悪いことばかりだったわけではない。のちに米議会で技術移転賛否に関する採決があった際に僅差で可決されたのは、この交渉の裏で何か密約があったのではないかという噂があるのだ。

 かくして次期支援戦闘機に(何か悪い冗談であるかのように)高価な機体が採用されることになってしまったため、大蔵省は(単機辺りの攻撃力が高い分と称して)調達総数を削減し、予算を多少なりとも圧縮せざるを得なかった。

 とばっちりを受けたのは海自である。米海軍、海自の共同開発による艦上戦闘攻撃機F/A-14DJの採用もまた削減されてしまったのだ。代わりに艦上戦闘攻撃機の主力として採用されることになったのはF/A-18E/Fである。

 「F/A-18E/Fでも対艦ミサイル4発積めるし、F/A-14DJより安いこっちでいいよね」

 「長距離空対空ミサイルを搭載できるのは、制空戦闘機のF-14Jだけでもいいよね」

 実のところ、F/A-14DJが完成したのはソ連が崩壊し、極東ソ連軍の脅威が減少し、更に統合戦争によって北日本が日本に吸収合併された後だったので、採用数が減少したのもやむを得ない。空自のF-2もまた(F/A-14DJほどではないが)採用数を更に削減されている。


 以上のような経緯でB-1B戦略爆撃機がF-2支援戦闘機として採用されることになったのだが、後に米空軍はF-2のエンジンをF119-PW-100に載せ替え、各種統合兵器運用能力を付加した機体をB-1Rとして採用している。同じ機体を「F-2スーパー改」と称して空自が採用するとの噂が流れたことがあったが、未だにそのような採用計画は存在していない。

 ここまでお読みいただいた皆様、ありがとうございました。 

 すでにおわかりかとは思いますが、やりたかったのは西側版Tu-160ブラックジャックです。

 B-1を基にした(と言われる)Tu-160を、B-1Bを基に西側で再現するのは何の冗談なんだろう・・・。

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[一言] 作者様 詳細な検証解説ありがとうございます!うーん残念、というか当たり前ですね、すいません。 ……でも72発なら積めるかも(冗談です)
[良い点] 「対艦ミサイルを24発、最大で36発搭載出来ますよ」 つまりASM3を36発積めるなら、AAM4なら180発積めるということに! 板野サーカス実現できますね!(アニメ脳)
[良い点] こういうこじつけ話は好き
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