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魔王（まおう）　魔王様はクソザコナメクジ

　魔族の長にして魔王城の主。

　その姿は中型犬サイズの黄色いナメクジ。

　能力も見た目通り最弱で、戦闘力も魔力も特殊能力もないに等しい。

　オーガの父から魔力の弱さを、ウンディーネの母から柔な身体を受け継ぎ、このような姿で生まれる。

　本名はグスラだが、両親以外は『魔王』と呼ぶ。

　口調は父親譲りで訛りが強い。

　父親が魔王で、国が世襲制を敷いていたので魔王に就任。

　しかし自身に力がないので専横を通す事がなく、部下に丁寧に頼んだり頼ったりするので、城内は元より国民からも支持されている。

　また自身が弱いからこそ失敗や未熟さを責めず、改善策を共に考えようと寄り添うので、城内の者からはこっそり『弱さを知る者』の二つ名で呼ばれている。

　なお本人は魔王としての仕事に前向きに取り組んではいるが、より優れた者が魔王になるべきだと考えている。

　そのため魔王の座を狙う者が来るたびに譲位を画策しては、側近の吸血鬼ラーミカにキツめに嗜められている。

　魔王様はクソザコナメクジ

　作者：衣谷強

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