笛荷(ふえに) 千恵子(ちえこ) 心霊ピアニストシリーズ1
堺県トリ・コンフィネ交響楽団所属の女性ピアニスト。
彼女の叔母である栄江もまた優れたピアニストだったが、プロデビュー直前に交通事故死している。
彼女がピアニストを志したのは、亡き叔母の遺志を継ぎ、その優れた演奏を蘇らせる事にあった。
小学生時代の千恵子には栄江ほどの素質は無く、すぐにスランプに陥ってしまったものの、ピアノコンテストの直前に亡き叔母の霊に手解きして貰った事で才能が開花し、ピアニストとして大成した。
チェロ奏者の夫の間に授かった一人娘の興奈との仲は非常に良い。
交友関係にも恵まれていて、土居川小学校の同級生である吹田万里が公安職を志すと知った際には、万里が民間人として過ごす最後のクリスマスイブにシューベルトの「軍隊行進曲」を演奏して、友人の門出を祝った。
ただし、ここまでは表向きの話である。
実は現在の千恵子の身体は抜け殻で、叔母である栄江の魂が動かしている。
そして千恵子の娘の興奈こそが、本物の千恵子の魂の器である。
「自分がどれだけ研鑽を積んでも、叔母程のピアニストにはなれない」と悟った千恵子は、憑依した叔母の霊に自分の身体を明け渡す事で、叔母の演奏技術を現世に蘇らせた。
その埋め合わせとして、千恵子の魂は本来の自分の身体が産んだ女児に宿り、笛荷興奈として新たな人生を送る事になった。
こうして千恵子と栄江の関係性は、「叔母と姪」から「母と娘」に転じたが、周囲の人間はその真実を知る由もない。
(※ 画像作成の際には、ももいろね様の「もっとももいろね式女美少女メーカー」を使用させて頂きました。)
作者:大浜 英彰
音楽室に光る眼(ホラー小説集内のミニシリーズ「心霊ピアニスト」の第1作です。)
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