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7/10

●焦燥 ~プライドがね

二日後、再びノワールはディオールの屋敷を訪れていた。

約束させられた、診察のためである。


そして、今回も帰り際に、ディオールに向かってナイフが飛んできた。

しかし全く同じような様子で、ノワールが反射的にナイフをカバンで防いだ。


「お前らなんでこのタイミングなんだ!少しは学習しろ!ボクのいないときに襲え!」

さすがに切れたノワールが、すでに姿をくらましているだろう暗殺者に向かって、とんでもない暴言を吐いた。


「先生、いよさす、ですねー。」

「まるで、鉄壁のゴールキーパー。キャプ〇ン翼の若〇くんみたいですわ♪いいものをみせてもらいました♪」

すばらしい曲芸をみたかのように、アルジャンとディオールはそう言って、またそういって足取り軽く屋敷の中に入っていった。

ディオールは自らが襲われているにも関わず、どこか、襲われることをどこか楽しんでいるかのようだった。


一方、ディオールを仕留めそこなった暗殺者だが、実は暗殺者にも理由があった。

4日前に、ディオールを襲った際に、一介の医師であるノワールにナイフを防がれたことにプライドが傷つけられ、全く同じ状況で暗殺しようとしていたのだ。

だが、それもその後二回続けて防がれてしまった。

「何なんだよあの医者は!3回も防がれたぞ!」

暗殺者Aは隠れ家にしている廃屋でいらだちを前面にだして、大声で叫んだ。

「まあまあ、二度あることは三度ある、っていうからさ。偶然じゃないの?」

暗殺者Bは暗殺者Aをなだめるように、声をかけた。

「だが、速度、角度、すべてがパーフェクトなあのナイフを、あの医者は防いだんだぞ!しかも3回!それを偶然で片付けられるか!」

暗殺者Aの主張はもっともである。プロの暗殺者、しかもそれなりの技量を持っている暗殺者Aのナイフを一般人と思われる一介の医者が防いだのだ。しかも3回も。

偶然では片づけられない、と思うのは当然である(偶然ではないですから。)

「じゃあ、なんだっていうだよ?あの医者がものすごい手練れだとでもいうのか?そんな情報どこにもないぞ。」

「それに、お前のその無駄なプライドのせいで、全く同じ状況で仕留めようとして仕留めそこなったんだろ。違う状況で殺ろうとしたら、もうすでにあの娘のことは始末できていたかもしれないじゃないか。」

「うっ…。」

暗殺者Bのもっともな主張に暗殺者Aはぐうの音も出ず、黙ってしまった。


「それに、依頼者から、明日まで仕事を完了させろ、って催促もきているんだぞ。いい加減、もう手段は選んでいられないぞ。あの医者はともかくとして、あの執事だってかなり手ごわいからな。あいつにだって今まで何度か暗殺を阻止されたろ。」

暗殺者Bは自分たちもそれなりに追い詰められている状況にあることを伝えた。

「わたかったよ。あの医者にはこだわることはやめるよ。明日にはちゃんと完了させる、って依頼者に返事しておいてくれ。」

「だがな、この仕事が終わったあと、あの医者は仕事関係なく、消してやるからな。」

暗殺者Aは少し吹っ切れた様子で返答した後、物騒なことを口走りながら(すでに会話全体が物騒なのだが)不敵な笑みを浮かべた。


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